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観光地の未来を考える:TSP太陽の調査が示すオーバーツーリズム対策の現状

投稿日 : 2024.08.14

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TSP太陽株式会社は、観光業界における「オーバーツーリズム」に関するアンケート結果を発表した。同社は2024年7月16日に、全国の20歳から59歳までの観光業にかかわる549名から有効回答を得た。この調査は、2023年2月と10月にも同様に実施されており、今回で3回目となる。

(出典:TSP太陽株式会社

調査結果によると、「オーバーツーリズム」という言葉の認知度は大幅に上昇し、現在では観光業従事者の約8割がその意味を理解していることが明らかになった。約1年半前の調査時には認知度が3割ほどと低かったものの、急速に社会全体で認知が進んでいる。

(出典:TSP太陽株式会社

「現在と2023年を比較して、現状起こっている問題をすべて選んでください」という問いに対し、混雑によるオペレーションの低下や交通機関の混雑、トイレの不足、治安の悪化、騒音問題が上位に挙げられた。これらの問題は、特に観光客が集中する地域で顕著に現れており、施設面や環境面での課題が深刻化している。前回の調査と比較すると、外国人観光客とのコミュニケーションに関する問題は減少している一方で、「地元住民とのトラブル」が13.1%から16.9%に増加しており、国内外問わず観光客が増加した影響が地域社会に及んでいることが判明した。

(出典:TSP太陽株式会社

また、本調査では、職場や自治体によるオーバーツーリズム対策が一定の効果を上げていることが確認されている。アンケート対象となった観光業に携わる人が所属する組織では、オーバーツーリズム対策として入場者の分散や平日割引・土日割増料金の導入といった対策が進展しており、繁忙期における人員増強や入場制限の実施、待機列の設定、シャトルバスの導入など、観光客の分散を図る取り組みが顕著に見られた。これらの対策に対する従事者の満足度も高く、前回調査時の約60%から今回は約80%に上昇している。

(出典:TSP太陽株式会社

自治体においても、観光地や観光時期の分散を図るための取り組みが進んでおり、インフォメーションの設置や観光地の分散、観光税や宿泊税の導入、ワーケーションの推奨といった施策が導入されている。一方で今後自治体に求める対策については、観光地や観光時期の分散が上位を占め、パーク&ライドの推奨なども昨年調査よりも増加した。この結果より、観光客の分散のため、価格面で客数をコントロールしようとするだけではなく、地域環境や観光地の施設整備も求められていると推測できる。

調査結果からもわかるように、観光客数の増加とともに「オーバーツーリズム」に対する問題意識を持っている人は増加している。自治体・職場によってオーバーツーリズム対策も行われており、各種の取り組みが効果を発揮し、現場で働く従事者からの満足度も高まっている。また、本調査で自治体・職場に求められる対策として、外国人向けの取り組みはとくに増加していなかった。この結果から、多言語表記や外国人スタッフの増員など、訪日外国人に対し、現状ある程度の対策がとられていると推測できる。

一方で国内外問わず、観光客が増加したことにより観光客分散を図るさらなる取り組みを求められていることが判明した。駐車場やシャトルバスの増設への要望は増えていないものの、割増料金や観光税の導入などが実施され、求められていることから、料金を高く設定することで観光客数を絞りたいのではないかと推測できる。このような結果から昨年10月の調査時よりも一層強く観光客の分散が求められていることが判明した。

TSP太陽株式会社は、今年設立69周年を迎える、コンサルティングからイベント制作まで、感動の場を創造し、大阪万博から国際的なビッグイベントをはじめとする様々なイベントの制作に携わってきた企業である。同社はイベントコンサルティング会社として、事前収支計画からクリエイティブデザイン制作・建築設計・施工・運営までのトータルソリューションを提供し、最新のXR技術を活用したデジタルイベントから、人と人とのリアルでの交流が可能な対面イベント、あるいはその双方の要素を入れたハイブリッドイベントも提供可能である。

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