表:ピーク時25km以上と予測した渋滞 (出典:NEXCO西日本)
NEXCO西日本は、令和7年4月25日から5月6日までのゴールデンウィーク期間中における同社管内高速道路の渋滞予測を発表した。
表:NEXCO西日本管内の10km以上の日別渋滞回数 (出典:NEXCO西日本)
期間中は交通集中による10キロメートル以上の渋滞が多発すると見込まれており、とりわけ下り線では5月3日、上り線では5月4日から5日にかけて顕著な渋滞が予測されている。具体的には、下り線ではE3九州自動車道の鳥栖ジャンクション付近において、5月3日の朝から昼過ぎにかけて最大35キロメートルの渋滞が発生する見込みである。また、上り線ではE1名神高速道路の大津インターチェンジ付近を先頭とする渋滞が5月3日および4日の朝から夕方にかけて最大30キロメートルまで伸びるとされている。
(出典:NEXCO西日本)
上記表は、令和6年度の渋滞回数実績と令和7年度の予測との比較を示している。令和7年度の10km以上の渋滞回数予測は100回となっており、令和6年度の実績85回と比較して15回増加する見込みである。内訳を見ると、下り線では11回、上り線では4回の増加が予測されている。また、30km以上の比較的長い渋滞の発生回数予測は3回で、令和6年度の実績1回と比較して2回増加する見込みである。下り線では増減はなく、上り線で2回の増加が予測されている。なお、令和6年度の実績には事故などによる影響で発生した渋滞も含まれている。
NEXCO西日本は、ゴールデンウィーク期間中の渋滞予測情報およびリアルタイムの道路交通情報を、専用のウェブサイトで提供している。渋滞予測情報では、渋滞の発生箇所や時間帯、ピーク時の渋滞長などが確認でき、旅行計画に役立てることができる。リアルタイムの交通情報については、事故や天候による影響で刻々と状況が変化するため、出発前や移動中の確認が推奨されている。渋滞予測情報は「渋滞予測ガイド」「渋滞予測カレンダー」「アイハイウェイ」から、リアルタイムの道路交通情報は「アイハイウェイ」から閲覧可能である。
(出典:NEXCO西日本)
なお、渋滞発生時における死傷事故率は、非渋滞時の40倍以上となるとのデータも示されており、特にゴールデンウィークのような交通混雑期には、利用者の一層の注意が求められる。運転中の安全確保のためには、全席でのシートベルト着用、こまめな休憩、前方注視および車間距離の確保が重要である。また、渋滞の後尾に接近する際にはハザードランプを点灯し、後続車への合図を忘れずに行うことが望ましい。万が一、事故や故障が発生した際には、速やかに安全な場所への避難を行い、非常電話や「#9910」への通報が求められる。さらに、NEXCO西日本では「STOP!ながら運転プロジェクト(SNDプロジェクト)」と題し、スマートフォンの操作などをしながらの運転、いわゆる「ながら運転」の撲滅に向けた啓発活動も展開している。
渋滞そのものを緩和するためには、登坂路など速度低下の恐れがある箇所での速度回復への協力、不要なブレーキを避けるための車間距離の確保、追越車線への過度な集中の回避といった基本的な運転行動の見直しが求められる。また、混雑時のインターチェンジやジャンクション、サービスエリアからの合流地点においては、加速車線を活用し、先端で1台ずつ交互に合流する「ファスナー合流」の徹底も重要である。
なお、ゴールデンウィーク期間中である4月26日から5月6日にかけては、休日割引が適用されない。また、周遊割引「ドライブパス」の利用停止も発表されている。この割引は通常、対象エリア内の高速道路を定額で乗り放題とするものであるが、対象期間中は利用不可となる。なお、平日のみの利用時にはETCマイレージポイントの追加付与キャンペーンが継続中である。
最後に、NEXCO西日本は高速道路における逆走の危険性にも警鐘を鳴らしており、Uターンやバックの禁止を改めて周知している。逆走情報を見聞きした際には速度を落とし、前方の車両の動きに注意するよう呼びかけている。また、渋滞予測士による解説が同社の公式YouTubeチャンネルで公開されており、視覚的に情報を得たい場合に検討するとよい。