(出典:株式会社ナビタイムジャパン)
九州観光DXコンソーシアムは、九州全域の観光活性化を目指す「わくわく観光プロジェクト~九州DXアイランド構想~」を実施する。本プロジェクトは観光庁の令和6年度「観光DXによる地域経済活性化に関する先進的な観光地の創出に向けた実証事業」として採択され、一般社団法人九州観光機構、株式会社JTB、JTB九州観光ネットワーク推進協議会、株式会社ナビタイムジャパン、株式会社スキルアップNeXt、株式会社デイアライブが参加している。この一環として、2024年11月より、九州全域で観光周遊を促進する「CRM機能付き生成AIレコメンド」機能が開発され、運用が開始される予定である。
本プロジェクトの背景には、九州が国内外の観光客にとって人気の観光地である一方で、リピーターの定着やロイヤルユーザーの育成、さらには主要観光地以外への訪問を促進するという課題がある。こうした課題の解決に向け、九州観光DXコンソーシアムが組成され、各団体の強みを活かした取り組みを通じ、観光DXの先進的な事例創出を目指すとともに、九州全体の観光促進と広域的な周遊の実現を図る。
(出典:株式会社ナビタイムジャパン)
実証事業では、旅行者向けに「CRM機能付き生成AIレコメンド」機能の開発や、九州観光機構のWebサイトとアプリの機能拡充が行われる。生成AIレコメンド機能により、九州7県をまたいだ周遊が促進され、観光満足度の向上を目指す。また、観光事業者向けには、九州地域内の観光事業者と協力し、地元ならではの視点を活かした観光スポットデータベースを構築し、旅行者に最適な旅行プランを提案するための基盤が整えられる。さらに「観光DX人材育成セミナー」が開催され、九州全体のデジタル対応力向上を図る。第1回は2024年9月に開催されており、第2回は2025年1月に予定されている。
地域に向けた施策としては、事業データの分析結果を基にした観光戦略モデルが策定され、九州7県連携による観光振興や広域的な周遊促進に貢献する。また、データの可視化や分析を通じて、地域での観光促進施策の基盤が構築され、観光データのオープン化が推進されることで、関係者が事業成果を活用しやすくなる。
(出典:株式会社ナビタイムジャパン)
CRM機能付き生成AIレコメンド機能は、スキルアップNeXtが持つ生成AI技術と、ナビタイムジャパンの旅行プランニング機能を活用したもので、旅行者に最適な観光ルートを提案するシステムである。地元観光事業者の知見を基に、観光スポット情報を集約し、観光客の嗜好に応じた旅行プランを作成する。このシステムにより、観光客は地元民しか知らないような観光スポットを発見でき、旅行プランに簡単に組み込むことが可能である。位置関係や移動時間も自動計算され、効率的で実現可能なプランの作成をサポートする。また、ログイン機能とCRMツールが備えられており、データの蓄積や分析を通じて観光客と地元観光事業者との1to1マーケティングを強化し、顧客満足度の向上や地域全体での消費拡大を目指す。
本プロジェクトでは、初年度に先進的観光促進モデルの構築と運用フローの整備を行い、将来的なデータ利活用基盤の形成に注力する。また、並行して九州7県の観光事業者向けにDX人材育成を行い、地域全体のリテラシー向上を目指す。今後も九州7県において事業の横展開を図り、九州全域での観光活性化と広域周遊の促進に貢献していく予定である。