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SK産業(旧・味匠)が破産、負債総額30億円超

投稿日 : 2018.08.14

香川県

ホテル関連ニュース

香川県坂出市の株式会社SK産業(旧・味匠)は、7月高松地裁丸亀支部より破産手続き開始決定を受けた。同社は、仕出し弁当等の製造で始業し、外食事業からホテル経営、結婚式場経営、娯楽施設など経営の多角化を推進したが、少子化や競合との競争で経営が悪化した。

ホテル、娯楽施設など多角化経営の末の破綻
帝国データバンク東京商工リサーチによると、株式会社SK産業は、娯楽施設「プレイパークゴールドタワー」などの元・運営会社で、負債総額は約31億3千万円。香川県で3軒のビジネスホテルの経営も行なっていた。
同社は、1988年3月に仕出し弁当等の製造を目的に株式会社味匠として設立された後、外食事業(焼肉店、洋食店)、ホテル経営、結婚式場経営、娯楽施設「プレイパークゴールドタワー」の運営など経営の多角化を推進し、2012年9月期には年売上高約41億2500万円を計上していた。
とりわけ、外食事業は、FCにて焼肉店「カルビ屋大福」(9店舗)を香川県、愛媛県に展開し、相応の知名度を有していた。
また、ホテル経営では、「善通寺グランドホテル」(43室、香川県善通寺市上吉田町8-8-5)、「坂出グランドホテル」(119室、香川県坂出市西大浜北1丁目2-33)、「宇多津グランドホテル」(99室、香川県綾歌郡宇多津町浜三番丁22-1)を展開した。
しかし、少子化や同業者との競合との競争で集客が減少、複数事業を展開する過程で借入が増加していたが、業績が思惑通りに伸びないなかで資金繰りが悪化した。
2012年9月に結婚式場経営から撤退したほか、2017年6月には上記の3つのホテルを売却、娯楽施設についても集客が低迷するなど、売上高は減少を続け、2017年9月期の年売上高は約31億4200万円にダウン、連続赤字を余儀なくされていた。
2018年5月にも保有不動産を売却するなどし、自主再建を模索し、取引行の支援を得て再建に取り組んだが、多額の借入金の返済負担が重く財務内容の改善は進まずにいた。このため、会社分割方式にて事業の存続を図る目的で、6月1日に債務整理を弁護士に一任。6月1日に事業の受け皿会社として新たに設立した株式会社さぬき(香川県坂出市)へ従業員を含めた全ての事業を譲渡、同時に同社は株式会社味匠から株式会社SK産業に商号変更し、今回の措置となった。

各ホテルは所在の市町では大きな存在感
メトロエンジンリサーチによると、香川県には宿泊施設が383、部屋数にして11,234が提供されている。また、善通寺市には宿泊施設が10、客室数156しかなく、善通寺グランドホテルは同市で最大の宿泊施設となっている。坂出市は宿泊施設が22、部屋数838で、坂出グランドホテルは同市内では客室数で2番目のホテル。宇多津町は、宿泊施設5、部屋数238で、宇多津グランドホテルは同町内で客室数2番目となっており、いずれのホテルも所在する市町では宿泊施設としては重要な位置を占めていることがわかる。
香川県は近年瀬戸内国際芸術祭や高松空港発着の増便、大阪の宿泊施設の不足などで外国人観光客を中心として観光客が急速に増加しているものの、高松市内と周辺地域、勝ち組・負け組に分かれ、観光経済効果の波及にも違いが見られる模様だ。
なお、上記の3ホテル、娯楽施設や焼肉店などは、新会社による経営のもとで通常通り営業しており、事業再生は計画通り進んでいるという。

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