広島県は12月30日、県内の新型コロナウイルスの感染状況を「ステージ2」に引き上げた。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が示す、4段階の基準のうち、ステージ2は下から2番目に当たる。湯崎英彦広島県知事は、感染状況はこれまでの大きな山の直前に似ており、予断を許さない状況であるとし、感染者が急激に増え始め、県独自の警戒基準値を超えている項目もあることから感染状況をステージ1から2へ引き上げたと述べた。
広島県は12月1日現在県民の行動を制限はしていないが、都道府県が住民に不要不朽の外出自粛を呼びかけている自治体(北海道札幌市、東京都、愛知県名古屋市、茨城県土浦市、取手市、牛久市、つくば市、かすみがうら市、つくばみらい市、境町、阿見町)に移動する際は慎重な判断をするよう要請している。また、11月30日時点で直近七日間の人口10万人当たりの新規要請者すうが15人以上の自治体として、北海道、大阪府、沖縄県、東京都、愛知県を挙げている。
県内の累計感染者数は12月1日現在、872人。広島県の病床のひっ迫具合は、29日時点で使用率が26・2%、入院病床の使用率は36・4%となっており、現時点で確保している病床・ホテルの4分の1を上回っている(ホテルの空床率は90%)。
広島県は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けて、QRコードを活用し、感染者との接触を感知できるサービス「広島コロナお知らせQR」のサービスなど、独自のサポートも提供している。
広島県の他に、静岡県や宮崎県なども、政府の分科会が示す感染状況の基準のうちステージ2(感染漸増)に入ったとの認識を示している。
Go To トラベル事業の対象から一時的に外れることとなった大阪市(大阪府)や札幌市(北海道)だけでなく、他府県でも新型コロナウイルス感染症の感染拡大が広まるなか、忘年会や新年会などが盛んになるシーズンに先駆け、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室は、年末年始特設サイトをオープンした。これまでの感染拡大の経験から、感染リスクが高い行動や場面が明らかになってきたとし、感染リスクが高まる「5つの場面」を紹介し、感染のリスクを下げるよう促している。