東京ドーム20個分がホテルに変貌―大阪市内のホテル建設ラッシュを追う

東京に続き、大阪でも近年大規模な建築ラッシュが沸き起こっている。現在建設が発表されているホテルの延床面積は東京ドーム約20個分(甲子園球場約24個分)。関西最大を誇る大阪市のホテル事情を追いかけた。

 

大阪府内、新規ホテル計画の延床面積は約92万m²

大阪府内では、数年前から新規ホテルの建設・開業ラッシュがとどまることを知らない。メトロエンジンリサーチによると大阪府内で現在発表されている新規ホテル計画は118計画にも上る。

118計画をすべて合計した延床面積は約92万m²、1計画あたりの延床面積※は約8,300m²と、現在大阪府内では中規模~大規模ホテルの建設がメインということが考えられる。ちなみに92万m²は、東京ドーム約20個分(甲子園球場約24個分)の面積と同等だ。

※ここでの延床面積はホテルを含む複合施設全体の延床面積を含む数値。

 

10万㎡超の大規模複合ホテルの開発計画も

メトロエンジンリサーチによると1万m²を超える大規模ホテルの新規出店計画だが、10万m²を超える巨大施設が2つある。ただし、この2つは純粋なホテルというわけではない。

延床面積が11万1,500m²の「(仮称)ヨドバシ梅田タワー」は、百貨店、飲食店、ホテル、駐車場が一体となった複合施設だ。

また、延床面積10万6,986m²の「(仮称)梅田曽根崎計画」も共同住宅、店舗、会議室、ホテルなどの複合施設である。純粋なホテルとしては、大阪市此花区に建設が予定されている「(仮称)桜島一丁目ホテル計画」が、延床面積約6万m²でトップになっている。

オフィスビルディングのリユースによるホテルの新設が多い東京都に比べ、大阪市は外資系ホテルや多数のホテルチェーンがビジネス、シティホテルを展開する動きがみられる

 

大阪市中心地でラッシュのホテル開発

先述したように、大阪府内で現在発表されている新規ホテル計画は全部で118計画だが、そのうち大阪市以外での計画は、高石市、吹田市、岸和田市、泉佐野市に1件ずつの計4計画のみ。

この傾向は大規模ホテルに限定しても同様であり、現在建設予定である延床面積が1万m²を超える大規模ホテル計画、19計画のうち17計画が大阪市内での建設計画となっている。

続いて、1万m²を大規模ホテルの開発がどの行政区で行われているかをみると、トップは大阪市中央区の7計画、2位が大阪市北区の4計画、大阪市此花区が2計画で3位に続くという構図である。

出典:メトロエンジンリサーチ

1位の大阪市中央区と2位の大阪市北区は、大阪のみならず、全国でも屈指のホテル客室数を持つ行政区として知られている。大阪市中央区の客室数は23,949部屋だが、この客室数は東京都港区に次いで全国の市区町村の中で第2位の数字である。また、大阪市北区の客室数は15,767部屋を数え、全国第10客室数である。

つまり大阪市では、もともと宿泊客を収容できる能力の高かった行政区が、今後さもらにその部屋数を増やしていくというわけだ。

 

2020年に向けてホテル開発が進む大阪

出典:メトロエンジンリサーチ

現在発表されている1万㎡超の大規模ホテル開発計画のピークは2019年である。発表されている19計画のうち、2018年に完成を予定する計画は7計画に上る。2019年は8計画、2020年に2計画、2022年に1計画の建設完了が予定されている。

宿泊旅行統計調査によると大阪府のホテル稼働率は毎月80%を超えており、主に外国人観光客の急増による宿泊施設不足が深刻度を増している。それに対応するために、現在大阪市内ではホテル建設ラッシュが起っているというわけだ。

現状は稼働率はほぼ満室というレベルの高稼働を維持しているが、その一方で訪日外国人による宿泊ニーズに頼りすぎている感も否めない。万が一減少に転じるようなことがあればどうなるのか想像に難くない。