近年では、宿泊施設の増加に伴って、宿泊料金の価格が下がっている、あるいは利用客の分散が見受けられます。
その中で、自社ホテルを選んでもらうためにはどのようにブランディングすればいいのか、悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ホテルブランディングについて必要性や成功するコツについてご紹介します。これからの時代を生き残っていくために必要なホテルブランディングについて、ぜひ知識を深めていきましょう。
そもそもホテルブランディングとは?
ホテルブランディングとは、多くの方に自社ホテルのイメージを定着させ、他社との差別化を図る施策・行動を意味します。
例えば、絶景の景色が見えるホテルに宿泊したいと考える顧客がいた場合、ブランディングによって景色がいいホテルのイメージを定着させておけば、利用してもらえるといった具合です。
ホテルブランディングの手段は多々あり、
・ホテル・サービス・プランの名称や内容
・ホテルのロゴ
・館内・外観イメージ
・自社Webサイト・SNSによる情報発信
上記の要素は全てブランディングになるでしょう。
ただし、闇雲にホテルブランディングを行っても意味がなく、どのようなイメージを持ってもらいたいのか、コンセプトや方向性が大切です。
ホテルブランディングが必要な理由
現在ではホテルや旅館だけでなく、一般人が部屋・別荘などの物件を宿泊施設として貸し出すサービスも台頭しており、競合が増えているのが現状です。
いかに数ある中から自社ホテルを選んでもらえるかが重要になり、そのためにはブランディングによるイメージの定着化が必要です。
さらには、インターネットやスマホの普及に伴い、宿泊施設の検索・比較が容易になったのも、ホテルブランディングの必要性が関与しています。
ある旅行客が自社ホテル周辺の宿泊施設をWeb上で検索した際、他社よりも優れている点やブランド力をアピールできていると、自社を選んでもらえるきっかけになるでしょう。
ホテルブランディングが成功すると、自社ホテルを利用する顧客も増えるので、結果として売上にも貢献できる点で、現代のホテル業にとって重要なのがわかるはずです。
ホテルブランディングでやるべきこと
ホテルブランディングを行う上では、欠かせない要素が以下の3つです。
・コンセプトとターゲットを明確にする
・自分たちの強みを掘り下げる
・固まったイメージを形にしていく
上記がブレてしまうと、自社が想定しているイメージの定着化にはならず、場合によってはマイナスな印象を与えてしまう可能性もあります。
具体的な施策を行う前に、これから紹介していく点を実践し、より強固かつ効果的なホテルブランディングを実行していきましょう。
コンセプトとターゲットを明確にする
ブランディングに大切なのはコンセプトとターゲットの明確化です。
ここが不明瞭だと、誰に対しても響かないブランディングを行ってしまい、想定している効果が得られない可能性が高くなります。
また、コンセプトはホテルの経営方針に関わってくる部分でもあるので、より綿密に決定していかなくてはなりません。
コンセプトを決める際は、どのような人物が共感してくれるか、あるいは興味を持ってくれるターゲットを想定する必要があります。
ターゲットは、より明確になるほどコンセプトも具体的になるので、
・性別
・家族構成
・年収
・ホテル利用のきっかけ
・宿泊施設選択において重要視すること
といった部分を洗い出していきましょう。
コンセプトやターゲットの決定には、経営陣だけでなく従業員を交え、より現場の生の声を参考にするのも方法の1つです。
今までどのような方が訪れているのかという点からも、コンセプトやターゲットを明確にするヒントが隠されているでしょう。
自分たちの強みを掘り下げる
コンセプトやターゲットを決定する際の参考になるのは、自分たちの強みを理解する点です。
例えば、他社にはないプランの提供をしてユニークなホテルというイメージを持たれているなら、それは立派な自社ホテルの強みになります。
もし、自社ホテルの強みがわからない場合には、利用客へアンケートを実施する、あるいは口コミからどう評価されているかを調べるのも効果的です。
他社ホテルとの差別化を図るには、自社ホテルならではの強みを活かしたコンセプトにするといいでしょう。
そのためには、今まで以上に自社ホテルについて分析し、強みとなる部分を徹底的に比較しなくてはなりません。
また、自社の強みは結果としてサービスを提供する上での自信につながります。
「自社ホテルはここが魅力」という点が社内全体で共有できていると、従業員としても接客やサービスに反映しやすくなるでしょう。
固まったイメージを形にしていく
自社ホテルの強みを洗い出し、コンセプト・ターゲットが明確になったら、最後は固まったイメージを形にしていく作業です。
例えば、以下のような方法があります。
・イメージカラー
・イメージロゴ・アイコン
・イメージキャラクター
・イメージ画像・写真・動画
・パンフレットやホームページに使うフォント
・キャッチコピー
・情報発信方法
自社ホテルをイメージしてもらうためには、上記のような部分にもコンセプトに沿ってこだわる必要があります。
特に情報発信をする場合には、どのような表現を用いるのか、伝え方1つとってもイメージに大きく影響するでしょう。
また、イメージはすぐに与えられるものではなく、長期的なスパンをかけていくものです。
そのため、短期的にイメージが伝わらないからとすぐに修正するのではなく、長期的な視野で分析・改善を繰り返すことを念頭にいれておきましょう。
ホテルブランディングを成功させるためのポイント
宿泊施設が増え、競合との差別化が今後のホテル業界での生き残る方法である以上、ブランディングの成功は必要不可欠です。
では、ホテルブランディングを行う上で大切なポイントについていくつかご紹介します。
ブランドは社員によってつくられること
そもそもブランドを作るのは会社ではなく社員や従業員であることを理解しなくてはいけません。
いくら会社でコンセプトやターゲットを含めたブランディングを掲げても、実行するのは現場で働く社員・従業員だからです。
そのため、自社ホテルがどのようなブランドでありたいのか、これからのブランディングについては、必ず全社員・従業員に共有しましょう。
経営陣がブランディングに対して熱い想いを持ち、細部まで周知できれば、必ず期待に応えられるよう社員・従業員は動いてくれるはずです。
社員・従業員が自社ホテルのブランドを理解し行動ができれば、自ずと顧客へのイメージ浸透へとつながります。
ホテルブランディングは、社員や従業員がいるからこそできる、という考えは忘れずに持っておきましょう。
なぜその料金を設定しているのか理解すること
なぜその料金を設定しているのか、という点についても理解しておかなくてはブランディングは成功しません。
ホテルを含む宿泊施設はごまんとある中、部屋や料理といった他社が真似できるような部分で差別化をしても上手くいかないでしょう。
最近の傾向では、どのような空間で何を体験できるのか、あるいは独自性のコンテンツやコンセプトに魅力を感じる宿泊客が多いです。
そのためには、ただ料金を安くするのではなく、サービスや商品価値をふまえた上で適切な料金設定をすべきでしょう。
多少の料金変動は利益の最大化にとっては必要です。
しかし、自社ホテルのブランド価値を下げてしまうような料金設定だけはしないよう注意してください。
まとめ
今回は、ホテルブランディングについて、必要性や成功させるためのポイントについて解説しました。ホテルブランディングをするのは、イメージの定着によって宿泊や施設利用を促すことによる利益の最大化です。
そのためには自社の強みを知り、他社には真似できないような独自性のあるコンセプトを考案していく必要があります。
ぜひ、本記事を参考にして、ホテルブランディングのヒントや成功させるきっかけを掴んでみてください。
■記事作成:メトロエンジン株式会社
2016年創業。ダイナミックプライシングを活用したSaaSシステムのパイオニアとして躍進。ビックデータから人工知能・機械学習を活用し、客室単価の設定を行うダイナミックプライシングツールをホテルなど宿泊事業者に提供。また、レンタカー業界や高速バス業界など幅広い業界のDX支援事業も展開している。
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