(出典:マリオット・インターナショナル)
マリオット・インターナショナルは、Science Based Targets initiative(SBTi)から科学的根拠に基づく短期および長期の温室効果ガス排出削減目標に関する認定を受けたことを発表した。SBTiは、企業が気候変動対策において科学的根拠に基づく目標を設定する支援を行っている国際的な組織である。
同社は、スコープ1および2の温室効果ガスの絶対排出量を、2019年の水準から2030年までに46.2%削減するという目標を設定している。さらに、スコープ3の排出量に関しても、燃料やエネルギー関連活動、業務で生じる廃棄物、従業員の通勤、フランチャイズの活動からの排出量を同期間中に27.5%削減する目標を掲げている。これに加えて、供給者においては、購入商品やサービス、資本財、上流の輸送・流通に関連する排出量の22%を2028年までに削減することを目指している。
マリオットは、2050年までに企業全体での温室効果ガス排出量をネットゼロにするという野心的な目標を設定しており、スコープ1と2の排出量を2019年の水準から90%削減し、スコープ3の排出量も同様に90%削減する必要がある。これらの目標達成のためには、エネルギー使用量の削減、再生可能エネルギーの使用量の増加、二酸化炭素排出量の少ない商品の購入が重要な戦略となる。
気候行動プログラム(CAP)、マリオット環境サステナビリティ ハブ(MESH)、エネルギー最適化プログラムなどの具体的な取り組みを通じて、エネルギー効率の向上、二酸化炭素排出量の削減、再生可能エネルギーの利用拡大などを推進している。また、サステナビリティ認証を重視し、生態系回復構想の支援や地産地消の実施など、多岐にわたる持続可能な取り組みを進めている。
これらの取り組みは、「Serve 360: Doing Good in Every Direction」プラットフォームの下で展開されており、マリオットは事業を通じて社会や環境への貢献を目指している。このプラットフォームは、マリオットがグローバルで直面している社会、環境、経済の課題に対して積極的に取り組むためのものである。
最高経営責任者のアンソニー・カプアーノは、この認定が、気候変動対策への取り組みと持続可能なホスピタリティの未来を目指すマリオットチームの努力の結果であると述べている。また、グローバル最高執行責任者のエリカ・アレクサンダーは、温室効果ガス排出量の削減が送電網の脱炭素化に重要であることを強調し、マリオットがその責任を果たすための取り組みを強化していると説明している。