株式会社BRIDGE MULTILINGUAL SOLUTIONSは、訪日外国人対応が増加している旅館・宿泊業の従業員103名を対象に、宿泊業のインバウンド対策に関する意識調査を実施した。
(出典:株式会社BRIDGE MULTILINGUAL SOLUTIONS)
調査の結果、「インバウンド需要の中で悩みだと感じること」(複数回答)では、「外国語が話せないこと」が63.1%で最多となり、「外国語対応が可能な人材がいないこと」が33.0%、「どこの国の方かわからないこと」が19.4%であった。またインバウンド需要の中、悩みだと感じることについては、「言葉、習慣の違い」や「飲食におけるビーガン・ベジタリアン等々宗教に対応できていない」などの意見が寄せられた。具体的には、「ホテル宿泊客(外国人)の急な接客」や「文化風習習慣の違いによるトラブル対応」「多言語対応できないもどかしさ」などが挙げられた。
(出典:株式会社BRIDGE MULTILINGUAL SOLUTIONS)
外国語対応で困ったこと(複数回答)としては、「外国人宿泊客への対応に時間がかかり過ぎた」が46.1%、「困っている外国人宿泊客に声をかけられなかった」が32.9%、「旅館宿泊時のマナーや設備使用の説明ができず、マナー違反が起きてしまった」が21.1%となった。さらに、「アレルギーの説明ができなかった」(18.4%)、「周辺の観光情報を伝えられなかった」(13.2%)、「公共交通機関の使い方などを説明できなかった」(9.2%)などの課題も挙げられた。自由回答では「細かなニュアンスが伝わらない」や「急病の対応」など、外国語に起因する問題の多様さが浮き彫りとなった。
また、「言語の壁があることで訪日外国人の観光体験に懸念がある」と回答した従業員は約8割にのぼり、その理由として「外国人が困っていること自体がわからないから」(48.8%)、「宿泊施設を十分に利用することができないから」(32.9%)、「おもてなしができないから」(30.5%)などが挙げられた。
(出典:株式会社BRIDGE MULTILINGUAL SOLUTIONS)
さらに、AIを活用した通訳・翻訳サービスについては、92.2%が「必要だと思う」と回答し、その理由として「素早く通訳ができそうだから」(69.5%)、「対応言語の幅が広そうだから」(62.1%)、「AIに蓄積された過去データが信頼できそうだから」(24.2%)が挙げられた。具体的な意見としては「スタッフの負担削減」や「災害時等の非常事態時への活用」「翻訳対応の時間短縮」などの声が寄せられた。
今回の調査を通じて、訪日外国人対応が増加する中で、旅館・宿泊業の従業員が直面する言語の壁の課題が明らかになった。特に、外国語対応ができないことで生じるトラブルやストレスが顕著であり、効果的な通訳・翻訳サービスの導入に期待の声が寄せられている。AI通訳・翻訳サービスは、こうした課題を解決する手段として高い期待が寄せられており、サービスの活用によって旅館・宿泊業本来のおもてなしを提供することが訪日外国人に安心して過ごしてもらうための有効な選択肢となるであろう。