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スマホ・SNSの時代へ、ホテルのSNS戦略とは

投稿日 : 2018.03.16

ホテル関連ニュース

ホテルは、顧客が宿泊に訪れる際だけではなく、SNSを通じて頻度の高い顧客とのコミュニケーションを模索し始めている。情報発信や口コミ拡散の観点で、多くの業界で不可欠となりつつあるSNS対応。ホテルのSNS戦略とは。

 
「インスタ映え」で旅のあり方が変化
2017年の流行語大賞に、「インスタ映え」が選ばれたことに象徴されるとおり、ホテルを含めた観光業は、新たな変化に見舞われている。
「インスタ映えしやすい」などの要素によって、SNSで有名になったスポットに観光客が多く訪れる。旅のあり方自体がスマホとSNSの普及を背景に、大きく変わってきているのだ。
 
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などの伝統的メディアから、スマホやパソコンを通じたインターネットのメディアに人々の関心の中心がシフトしていく中で、ホテルも見込み客獲得とリピーターとの関係を深めるために、宿泊時だけではなく、SNSを活用した連続性のあるコミュニケーションを顧客と結ぶ機会が生じてきている。
 
ホテルは旅行客にとって周辺の観光スポットと合わせて、眺めのいい部屋、おいしそうな料理やお酒、館内イベントなど写真を撮影する要素が豊富にあり、インスタ映えし、SNSの反響を感じやすい絶好のスポットであり、ホテルの浴衣などの「自撮り」も投稿されやすい。
 
簡単に顧客をターゲティング、情報を拡散出来る
ホテルにとってSNSは、自社サイトを立ち上げることに比べると比較的容易であり、広告等を掲載しなければほとんど無料で情報発信することも可能な安価で便利なツールである。
 
また、自社の情報発信に活用する際に、SNSの属性を掴むことで顧客をターゲティングしやすい点や投稿がシェアされることで口コミ情報として関心がある人に広く拡散されやすいという点もSNSの魅力となっている。
 
さらに、口コミによる顧客とのコミュニケーションツールとしても、SNSという第三者を介して公開されることは、顧客から見ると信頼性の高い情報として捉えられるメリットもある。
 
国により多様で、流行の変化が激しいSNS
現在、ホテルの稼働率を引き上げている大きな要因となっている外国人旅行客も、多くがSNSを通じた口コミ情報を参考に宿泊先を選んでいる。
 
そこで注意が必要なのが、SNSは各国でメジャーなプロバイダーが異なり、用途にも多様性があるということであり、顧客ターゲットとする国によって発信先を変える必要があるということである。
 
各国の特徴的なSNSは以下の通りだ。
・韓国ーカカオトーク
・米国ーフェイスブック、ツイッター
・中国ーウェイボー、ウィーチャット
・シンガポールーワッツアップ
・日本ーLINE
 
日本含めて世界的に最も広く使われているのはフェイスブックとツイッターであるが、中国では使用が規制されており、中国向けには効力がない。
 
また、SNSは流行り廃りがあることもその特徴であり注意を要する。
スマホが普及する直前の2000年代においては、パソコンで個人ブログを展開する人が多く、特にその中心として知られていたのがミクシーであった。その後、ミクシーはフェイスブック、ツイッターに切り替わり、今ではSNSとして使用している人はほとんどいないだろう。
 
また最近では若者を中心として、インスタグラムやスナップチャット(投稿した写真や動画が一定期間に消えるのが特徴)がフェイスブックやツイッターから主役の座を奪いつつあり、ビジネスパーソンのネットワーキングに特化したLinkedInも世界的に拡大しつつある。
 
こうした流行りの変化に柔軟に対応しつつ、国や属性のターゲットを絞って、写真やコンテンツなどそれぞれのSNSの特性に応じた情報を発信していくことが最も効果的である。
 
変わらぬ伝統的接客サービスの重要性
一方で口コミへの対応次第で、SNSはホテルのブランド力を傷つけることにもなる。SNSにはスタッフの不用意な投稿による「炎上」や中傷に晒されるといったリスクも存在している。そうした際には、SNSの情報拡散力は大きなデメリットとして機能するだろう。
 
SNSの管理は、ホテルのインターネット上での評価管理いわゆる「レピュテーション・マネージメント」にかかっており、クレームなどのコメントの投稿には迅速にリアクションし、場合によっては謝罪するなどの真摯な対応が要求される。
 
その点、ホテル業界は、対人関係を重視し伝統的に接客サービスが重んじられてきた。その顧客に対する真摯な接客姿勢を維持することはホテルのレピュテーション・マネージメント上も極めて重要である。
対応次第によっては、口コミでのクレームが評価を上げる大きなチャンスに変わりうるものであり、相互コミュニケーションがSNSの目的そのものであることを認識する必要がある。
 
伝統的な接客サービス重視の姿勢を維持しながら、SNSを通じて顧客とのコミュニケーションの活性化を図る、それがホテルと顧客との新たなコミュニケーションの時代であると言えそうだ。
 

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