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公示地価上昇率全国トップ、北海道倶知安町のホテル事情

投稿日 : 2018.04.10

ホテル関連ニュース

住宅地上昇率上位3位を独占した北海道倶知安町。スノーリゾートが集積するニセコの山麓だけなく、地価上昇はJR倶知安駅周辺の市街地にも波及する。訪日客数の増加が後押しする倶知安町のホテル事情と課題を追った。

 
スキーリゾート
2018年3月の北海道の公示地価発表によると北海道南部の倶知安町の住宅地の地価上昇率は最大で33%を超えて、全国1位ー3位を独占した。
市街地中心部近くに位置する住宅地で、リゾート従業者や公共事業従業者向け住宅用地の需要のほかに、外国人による別荘やペンション用地の需要も加わり、需要が増大していることを反映したものである。 
 
新幹線の札幌への延伸
青森駅 – 新函館北斗駅間が2016年3月26日に開業したが、2030年度には札幌まで北海道新幹線が延伸される予定となっており、これに伴い倶知安駅も高架化され新幹線の停車駅となる。
このため、市街地北側に位置する住宅地で、新幹線や高速道路等の公共事業従業者向け住宅用地の需要が増大していることも公示地価の上昇に寄与した。
訪日スキー客を中心に圧倒的な人気を誇る倶知安、ニセコだが、新幹線が開通すればさらなる観光客の増大に拍車をかけることは確実な情勢である。
 
倶知安町ホテル事情
そんな倶知安町のホテル事情を見てみる。メトロエンジンリサーチによると現在、隣のニセコ町で「リッツ・カールトンリザーブニセコ」(推定客室数50部屋)が2020年1月開業を予定しているが、倶知安町での新規開業予定は確認できなかった。
 

倶知安町宿泊施設カテゴリー別数

出典:メトロエンジンリサーチ

 
上記のグラフの通り、倶知安町では、簡易宿所が50軒と最も多く、続いてリゾートホテル21軒、旅館6軒が続いた。簡易宿所の多くはスキー客などが泊まるペンションやロッジ、山小屋などとなっている。
 
季節性が課題か
メトロエンジンリサーチによると、倶知安町における宿泊施設の客室在庫数はゴールデンウイークにも関わらず、5月大きく増加する見込みとなっている。これは、冬場のスキー客に観光客の多くを依存しているためで、宿泊客の季節性による変動を表している。
実際、倶知安町発表の観光客入込数によると、2016年に倶知安町を訪れた観光客166万人のうち、12−3月の冬季に訪れた観光客は77万人と実に46%を冬季によって占めた。反面で、倶知安町の5月、11月の観光客数は冬季と7月8月の夏季の狭間の時期で最も少なくなっている。
倶知安町も大自然でのサイクルイベントの開催などの冬季以外の集客を課題に取り組んでいるものの、通年での観光客の呼び込みが依然として課題と言えそうだ。
 
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