WHILL株式会社の調査によれば、日本のシニア世代、すなわち65歳以上の男女と、その高齢の親を持つ35〜64歳の男女における外出・旅行の実態が明らかとなった。日本の高齢者人口は1950年以降初めて減少したものの、高齢化率は最高の29.1%を記録しており、そのうちの3人に1人は歩きづらさを抱えているという。
(出典:WHILL株式会社)
この調査において、シニア世代が最も行きたいと感じる場所は、旅先のランドマークや観光名所であり、その他にも博物館・美術館、動植物園、広い公園や庭園などが挙げられた。しかし、体力や足腰の不安から、2人に1人が実際に行きたい場所へ行動に移せていないという現状が明らかとなった。また、子ども世代の7割は高齢の家族と一緒に外出や旅行をしたいと感じているものの、85%がその実現に至っていないという。
(出典:WHILL株式会社)
介助を必要とする人との外出時の購買行動に関しても、滞在時間が短く、目的外の店舗やカフェへの立ち寄りが少ないことが確認された。この背景を受けて、WHILL社は「WHILLモビリティサービス」という、広い施設内を快適に移動できるサービスを提供しており、これまでの調査結果から、多世代の来場促進や滞在時間の延伸に一定の効果があることが示されている。
日本の75歳以上の人口は2,000万人を超え、団塊の世代が75歳を迎えたことが要因とされている。高齢化社会の観光業界において、歩行領域をカバーする新たな移動サービスを行った先で求めるニーズがあり、あらゆる人が快適に過ごせる施設環境が整うことで、滞在時間の延伸や多世代の来場につながる可能性があることが分かった。
WHILL社は、普段は車椅子を利用しないが、長距離の歩行が困難なシニア世代やその家族、疲れやすい方々に対して、心から満足できる移動サービスの提供を通じて、全ての人が快適な近距離移動ができる環境を目指している。