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東京ドーム5個分の開発計画も、沖縄の魅力が活きる沖縄のリゾートホテル計画

投稿日 : 2017.12.04

沖縄県

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沖縄県では現在、大規模リゾートホテルを含むホテル建設が相次いでいる。延床面積にすると実に東京ドーム5個分にも相当する沖縄県の新規ホテル開発事情に迫った。

 

高級リゾートホテルが並ぶ沖縄のホテル事情

現在、日本では主に外国人観光客の増加に伴い、東京や大阪といった大都市はもちろん、地方都市にまで新設ホテルの建設ラッシュが起こっている。県全体がリゾート地として知られ、国内外から多くの観光客が訪れる日本屈指の観光県・沖縄県もまた例外ではない。

メトロエンジンリサーチによると、沖縄県で発表されている全17計画の新規ホテル計画のうち、延床面積が明らかになっている計画は13計画ある。13計画の延床面積をすべて合わせると22万6,240m²、これは東京ドームに換算すると約5個分に相当する面積だ。

出典:メトロエンジンリサーチ

 

沖縄のホテル数TOP5に 先島諸島に増えるホテル

沖縄県内でもっとも新規ホテル計画が多いのは、宮古島市で5計画、次に2位は中頭郡で3計画、3位は那覇市と石垣市、国頭郡でともに2計画となっている。島しょエリアである宮古島市と石垣市では17計画のうち7計画を占める。

この背景には、宮古島や石垣島といった島しょ部への観光需要が近年、特に高まっていることが挙げられる。2006年度は年間78万人あまりだった島しょ部への観光客は、2016年度には126万人を記録。この10年間で実に50万人弱の観光客数が増えているのだ。

観光客数の増加により、石垣島や宮古島ではホテル数こそ多いものの、年間を通して宿泊予約が取りづらい状況がここ数年続いていた。この宿泊施設不足を解消するために、新規ホテルの開発が相次いでいる。

出典:メトロエンジンリサーチ

 

 

厳しい規定も原因か、新設ホテルが爆発しないワケ

現在、沖縄県で発表されている新規ホテル建設計画のうち、1万m²を超える大規模ホテルは7計画だ。メトロエンジンリサーチによると、トップは2計画の北谷町で糸満市、石垣市、恩納村、那覇市、宮古島市はそれぞれ1計画ずつだった。

 

出典:メトロエンジンリサーチ

観光需要が近年特に高まっている沖縄県にしては、大規模ホテルの建設計画数が少ないと感じる向きもあるだろうが、そこには沖縄県ならではの事情がある。

沖縄県で大規模なリゾートホテルを建設しようとすると、風光明媚でビーチが近いエリアや自然が多く残っている地域がホテル建設候補地として挙がる。

しかし、そういった土地は国定公園に指定されていたり、地域住民との合意形成が難しかったりという側面がある。また、認可を与える市町村や県との折衝も時間がかかり、場合によっては計画の一部変更もしなければならない。こうした点が、観光需要の高さに比べると大型ホテルの開発計画が少ない理由の一つとして挙げられる。

計画中ホテルの中で最も規模の大きいホテル名城ビーチリゾート(仮)」は、延床面積が4万7,000m²であり、2020年に開業を予定している大型リゾートホテルだ。地上11階建の2棟を建設予定しており、230室の客室を用意する。この名城リゾートも事前協議に多くの時間を必要とした。

名城ビーチリゾート(仮)」の建設予定地は、沖縄戦跡国定公園に指定されており、糸満市だけではなく、沖縄県からも開発許可を得なければならず、県の自然活況保全審議会の審議を経る必要があった。

また、名城ビーチは沖縄県でも屈指の美しいビーチとして知られ、地域住民や自然保護団体などとの合意形成にも時間を要した。2015年12月に計画が明らかになってから、着工まで2年以上の月日がかかっている。このように、沖縄県で大型リゾートを開発するには、沖縄県ならではの難しさもあるようだ。

 

沖縄県のホテル開発のピークは2018~2019年

沖縄県で予定されている新規ホテル建設計画のうち、2018年に建設が完了する計画が7計画、2019年が6計画、2020年が4計画である。

出典:メトロエンジンリサーチ

 

沖縄県は「観光推進ロードマップ」の中で、2016年度に876万人だった観光客数を2021年度には1,000万人まで増やすことを目標としている沖縄は、近い将来ふたたびホテル開発競争が激化する可能性も十分ある。様々な歴史を所有している沖縄への観光客の変動と、宿泊業界の動きこれからも注目されるだろう。

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