沖縄・本部町に、新たなラグジュアリー貸別荘「The Superb Hills(ザ スパーブ ヒルズ)」が2025年7月に開業する。手がけるのは、東京・恵比寿や表参道で人気のカフェや、銀座のナイトクラブ『RAISE』などをプロデュースしてきた森野成貴氏率いるTHE SUPERB LOCATION株式会社。都市的な洗練と自然の豊かさを融合させた唯一無二の滞在体験をコンセプトに、建築・空間設計からプロデュースを一貫して行った。
本物件は、美ら海水族館やJUNGLIA OKINAWAといった人気観光地へのアクセスも良く、日常を離れた極上のリトリートを演出。今後は、瀬底島や今泊を含む県内3カ所で「The Superb Hills」シリーズとして順次展開予定だ。非日常と快適性を両立させた、これまでにない“沖縄の別荘体験”に注目が集まる。
本記事では、The Superb Hills開業の経緯やこだわりなどについて、THE SUPERB LOCATION株式会社に取材を行った。
▷ Instagram:https://www.instagram.com/the_superb_hills/following/
―――「The Superb Hills」第一弾を沖縄・本部町に開業された背景と、この地に惹かれた決め手を教えてください。

沖縄は、東京から見ると“かなり遠い場所”という印象をお持ちの方が多いと思います。特に富裕層の中には「わざわざ沖縄に行くくらいなら、いっそ海外へ」という考えをされる方もまだ多いのが現状です。
ただ、実際には都内から沖縄までは約2時間半のフライト。新幹線で言えば東京〜大阪間、車であれば東京〜軽井沢間とほぼ同じ距離感です。つまり、当日に気軽に移動できる「新幹線感覚の旅先」として、十分な利便性があると考えました。
だからこそ、私たちは“都会人が快適に過ごせる別荘”をテーマに、沖縄本島を選びました。スタッフが常駐し、サービスを提供するホテルではなく、あくまで“別荘感覚”を大切にしています。

また、旅先全体の満足度は周辺環境にも左右されるため、あまりに秘境すぎる場所ではなく、コンビニやスーパー、好きな時間に食事できる飲食店、スターバックスなどがそろう利便性も重視。ライフラインを確保しながらも、オーシャンビューや美しいサンセットといった“大自然の感動”が味わえる――そのバランスが絶妙な立地が、名護を越えたこの北部エリアでした。
なお、このエリア内では瀬底島のオーシャンフロントや今泊のビーチサイドにもすでに新たな土地を取得しており、今後シリーズ化を予定しています。社名の「THE SUPERB LOCATION」は、“とびきり素晴らしい場所”を意味しており、まさに私たちのコンセプトを象徴しています。
―――“自然の中で過ごす時間の豊かさと、都市的な洗練を融合させた、新たな沖縄リトリートのかたち”というご提案は、空間デザインや導線設計にどのように反映されているのでしょうか?
「沖縄らしさ」や「沖縄グレード」といった既成概念にとらわれず、都会人が求める快適性を徹底的に追求しました。
特に、都会人にとっての“夏の遊び”は7〜8月に限定されがちですが、沖縄を“オールシーズン水遊びができる場所”としてイメージしてほしいと考え、冬でも快適に過ごせる設備投資を行いました。
大きな特徴は2つあります。
・温水インフィニティプール

沖縄でも、冬には入れない“弱温水”のプールは見かけますが、しっかりと温度管理されたインフィニティプールはほとんど存在しません。
・セルフロウリュ付きの屋内サウナと屋外ジャグジー

仮設やテントサウナではなく、施設内に完備された本格的な設備で、冬でも快適にお楽しみいただけます。
このような設備が全て整ったヴィラは沖縄には全くありませんでした。
また、天候が読めない沖縄では、雨や寒さで満足度が下がってしまう懸念があります。だからこそ、どんな天候でも施設内で楽しめるような設計を重視しました。

プールからバスルームへ濡れずにアクセスできる設計や、ダブルレインシャワー、2ボウルの洗面台、複数人が同時に使用できるバスタブ付きの設備も、滞在の快適性を高めています。
さらに、リビングには暖炉を設置。これは沖縄では珍しい設備ですが、風・水・火のすべてを感じられる空間を目指しました。2つのベッドルームからは、ひとつはオーシャンビュー、もうひとつはライトアップされた熱帯植物の庭が見える設計です。
―――料理や音楽、インテリアなど「五感に訴える演出」が印象的ですが、ゲストの感性に響く空間づくりで特に意識されたことを教えてください。

まず、建築面では、コンクリート打ちっぱなしのソリッドな空間を内外で統一しました。壁紙ひとつない部屋に泊まるという体験は、一般的なホテルではなかなか味わえません。
音楽については、リビングやベッドルームに高音質スピーカーと大型テレビを設置。YouTubeやNetflixなども視聴できる環境です。また、サウナやプール内にもスピーカーを埋め込み、朝・昼・夜それぞれの時間帯で、異なるメディテーション効果を演出できるようにしています。

キッチンも高級ブランドの設備で統一しており、都会人の“自炊を楽しむ”感性にも応える設計です。長期滞在でも快適にお過ごしいただけるよう意識しています。
―――無人運営(セルフチェックイン)を採用されていますが、導入にあたって工夫された点や、運用上のメリット・課題があればお聞かせください。

最大のメリットは、“自分の別荘に来たかのような感覚”で、スタッフとのやり取りを必要としないことです。
この構想自体は、コロナ禍の最中に生まれました。当時、私が運営していた東京の飲食店も休業を余儀なくされる中、沖縄を訪れると、多くのホテルが閉鎖されていた一方、一棟貸しのヴィラは通常営業を続けており、安心して滞在することができました。
今後またロックダウンのような事態が起きても、影響を受けずに営業できる無人運営に強く惹かれたのです。

宅配BOXも設置し、タオルやアメニティの追加もスタッフと非接触で完結できます。これは、非日常感を損なわないための配慮でもあります。
人材不足が深刻化する中で、高いサービスクオリティを担保できる人材は減り続けています。どれだけクリエイティブな空間をつくっても、それを台無しにしてしまう運営体制では意味がありません。無人運営は、そうした日本のサービス業の現実にも一石を投じるものだと感じています。
―――最後に、The Superb Hillsで過ごす時間を通じて、ゲストにどのような気持ちや記憶を持ち帰ってもらいたいとお考えでしょうか?

私がこれまで東京でプロデュースしてきた店舗は、常に“時代のちょっと先”を意識し、オーバースペックかつラグジュアリーな空間を提供してきました。
そうした非日常的な体験によって、ゲスト自身が成長し、より高い満足を求めるようになる――それが、ガラパゴス的な日本のコンテンツレベルを引き上げるきっかけになると信じています。
実際、海外を見れば見るほど、日本には遠く及ばないクオリティの高さを再認識させられます。だからこそ、Instagramの中だけで終わる“ラグジュアリーな世界”を、実体験としてもっと多くの人に味わってほしい。
The Superb Hillsのような施設が広く認知され、多くのゲストに訪れていただければ、やがて外資にしかできなかったようなラグジュアリーステイが日本国内でも増え、全体のレベルアップにつながっていくのではないかと願っています。
■施設概要
名称:「The Superb Hills(ザ スパーブ ヒルズ)」
所在地:〒905-0216沖縄県国頭郡本部町浜元942-7
開業:2025年7月 ※2025年6月よりプレオープン中
構成:2ベッドルーム/リビング・ダイニング・キッチン/温水インフィニティプール/屋外ジャグジー/サウナ
宿泊人数:最大4名
食事:食事提供なし(キッチン設備完備)
チェックイン/アウト:15:00~/~11:00(セルフチェックイン対応)
予約方法:公式サイトおよび主要OTAにて受付予定
Instagram:https://www.instagram.com/the_superb_hills/following/