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長崎と天草「潜伏キリシタン」世界遺産登録へ

投稿日 : 2018.05.07

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文化庁は5月4日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本県)について、登録の可否を事前審査する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が「登録が適当」とユネスコに勧告したと発表した。同地域のホテル出店状況と合わせてレポートする。

イコモス、世界遺産への記載適当
文化庁の発表によると、日本政府が推薦していた「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」について、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスによる評価結果がユネスコ世界遺産センターから通知され、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」については、世界遺産一覧表への「記載」が適当との勧告がなされた。
今後、第42回世界遺産委員会(平成30年6月24日~7月4日,於:バーレーン)において,イコモスの勧告を踏まえ,世界遺産一覧表への記載の可否が正式に決定される。

12の構成遺産が幅広く点在

出典:文化庁

上記の地図と表においてわかる通り、12の構成遺産は幅広く島々に分かれて点在しており、11箇所は長崎県の長崎市や五島市、佐世保市、平戸市、南島原市などで、また1箇所は熊本県の天草市に所在しており、10の集落,1つの城跡及び1つの聖堂の12の構成資産から成り、これらは17世紀から19世紀に遡る。資産は、日本にキリスト教が伝来し宣教師及び入植者が活動した初期の段階から、キリスト教及び入植者が禁教により迫害を受けた時代、そして禁教が公的に解かれカトリックの信仰が復活した最後の段階までを表している。
本資産の禁教期にもかかわらず密かに信仰を継続した長崎と天草地方における潜伏キリシタンの独特の文化的伝統があることなどが評価された。

天草市ホテル出店状況
メトロエンジンリサーチによると、構成遺産のある天草市では宿泊施設が108、1,001の部屋が提供されている。

カテゴリー別宿泊部屋数割合

出典:メトロエンジンリサーチ

提供される部屋数の構成別割合では、旅館が374部屋で37%と最も多く、ビジネスホテルが295部屋29%と続き、その他、簡易宿所が251部屋25%などとなっている。
現在新設のホテルは予定されていないが、世界遺産への登録により観光客が激増することは確実な情勢である。
メトロエンジンリサーチの部屋在庫数の分析によると、天草市内の5月の平日の宿泊施設の稼働率は80%近く、休日も85%ほどの高い稼働率を見込んでいる。
6月10日には天草宝島国際トライアスロン大会が開かれるなど、大自然の中でのスポーツ大会などの需要も獲得しており、こうしたイベント時には在庫が底をつく状況となっている。
天草市としては、過疎化による人口減少に歯止めをかけるため、世界遺産登録を追い風に交流人口の拡大を図りたい構えだ。

出典:天草市

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