新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、ホテルや旅館は業界全体として、閑散期が続いた状態となっています。そのため、従来とは異なり、集客に関する悩みで頭を抱えることも多いでしょう。依然先行きの見えない状況下では、良いサービスを提供するだけでは生き残るのは難しく、「自社の魅力をどうアピールしていくのか」が鍵となっています。
- ホテル・旅館の集客を行なうためにやること
- コロナ禍における集客アイディア
- 参考にしたいホテルの集客アイディア 3選
- コロナ禍の集客は長期滞在プランが今アツい
ホテル・旅館の集客を成功させるためのポイントや戦略、アイディアについて詳しく知りたい方は、是非ご覧ください。
ホテル・旅館の集客を行うためにやるべきアイディアリスト
ホテル・旅館の集客を成功させるためには、基本的な戦略をおさえておく必要があります。集客は、仮説を元に戦略を立てるところからがスタートです。時代に合わせ、ターゲットとなる層をいかに効果的に集めるかが重要です。集客で成果を上げるためには、やるべきことがあります。ここからは、ホテル・旅館の集客を行なうためにやるべきことをご紹介します。
1自社の強みや魅力を整理する
まずは、集客をしなければならない運営者自身が、自社が運営するホテル・旅館の強みや魅力を整理することから始める必要があります。発信内容に一貫性がないと、訴求したいターゲット層に自社が運営するホテル・旅館の魅力が伝わりません。
自社が運営するホテル・旅館の強みや魅力を整理していくと、「料理」「温泉」「ファミリー層向け」「ビジネスマンの出張に最適」など、さまざまなアピールポイントが上がります。「自社が運営するホテル・旅館の強みや魅力はなにか」「どこを一番伝えたいのか」を整理し、一貫性のある発信に努めましょう。
2ターゲットを絞る
一見、多くの魅力的なポイントがある方が、集客力に繋がると考えられがちです。しかし、たくさんのアピールポイントがあると、集客に一貫性がなくなり、逆効果となってしまいます。きちんとターゲット層を絞り込みましょう。
一貫性がなければ、ターゲットに自社が運営するホテル・旅館の強みや魅力をアピールできないだけでなく、曖昧な印象を与えてしまい、ターゲットの心を掴むことはできません。
ホテル・旅館によって利用して欲しい客層は異なります。自社のアピールしたいポイントと合うターゲット層を明確にすることで、より効率的な情報発信・集客が可能になります。
初期の段階で自社が運営するホテル・旅館の強みや魅力をきちんと整理し、アピールポイントを絞り込むことは、集客の成果を左右します。非常に重要なので、慎重に進めていきましょう。
3マーケティング力を強化する
顧客が、ホテル・旅館へ宿泊するためには、インターネットなどでホテルや旅館を探すことから始まります。現在、ほとんどのホテル・旅館では、インターネットを通じて予約が入ります。よって、より多くの人の目に触れるよう、認知度を高めていく必要があります。集客を図るには、マーケティングの強化が欠かせません。
多くの顧客がインターネットを使い、情報を集めています。ターゲット層が魅力を感じる情報を発信し続け、関心を集めることは、最終的に自社が運営するホテル・旅館の知名度や認知度を上げることに繋がります。積極的に発信をしていきましょう。
コロナ禍におけるホテル集客アイディア5選
インターネットを使った情報収集が主流の時代。ターゲット層に自社が運営するホテル・旅館の強みや魅力をアピールするには、インターネットを利用して情報発信するのが、もっとも有効と言えます。
ですが、同時に情報が溢れかえっているため、ライバルも多いのも事実。これまで以上に、視野を広げ、多角的な角度からターゲット層にアピールをする必要があります。
ここでは、コロナ禍における集客アイディアをご紹介します。
1SNSを活用する
普段から日常的にSNSを活用する人は多く、情報をとる手段として日々の生活に取り入れていることも少なくありません。宿泊施設を探す際にもSNSを通じて知り得た情報や検索をして、自分に合った条件のものを見つける方がほとんどです。
Instagram、LINE@、Twitterなどで自社のアカウントを作成し、情報発信をしている企業は、たくさんあります。他社と差が開かぬよう、SNSでの集客活動にも積極的に取り組み、認知度を上げていきましょう。
各SNSには、特徴があります。例えば、Twitterは、投稿をする際に140文字以内の文章しか打つことができない。Instagramは、写真や動画がメインの情報発信サービスである、などです。
このようにそれぞれのSNSには特徴があります。SNSは、正しく理解をした上で活用することで、集客への成果を上げることができるものです。予約に繋がる写真や訴求ポイントをしっかりと準備し、より良い発信を目指しましょう。
2ホームページを活用する
SNSは興味をもってもらうためのきっかけ作りになるものです。SNSの投稿では、すべてを伝えることができませんが、ホームページ上では多くの情報を伝えることができます。その点を区別し、SNS・ホームページ、それぞれの強みを理解することも大切です。
SNSで興味をもたれた方は、必ず、ホームページを訪れます。 「料理」「温泉」「観光」「接客」など、伝えたい魅力がたくさんあるはずです。ホームページを訪れた方の目に留まるよう、自社が運営するホテル・旅館の強みや魅力などの情報を詳細に掲載しておきましょう。
3ホームページ内のコンテンツの質を上げる
ホームページは、自社が運営するホテル・旅館の強みや魅力が分かるよう情報をきちんと掲載し、訪れた方に情報を提供する役割を持っています。さらに、ホームページのコンテンツに力を入れることは、サイトへのアクセス数を増やすことにつながります。
ホームページ内のコンテンツの質を上げることは、サイトへのアクセス数が増えるとも言えます。認知度が高まるので、新規客の獲得などの集客力を高めることが可能になります。ホームページを作成するだけでなく、コンテンツの質にもこだわるのもおすすめです。
また、コンテンツを作成し、発信し続けることは、顧客の育成にも繋がります。「自社が運営するホテル・旅館を利用するとお得なプラン」や「ホテルでのおすすめの過ごし方」などのような記事作成などの、ホテルを利用したくなる内容がおすすめです。
コンテンツでは、文章を使って、サイトへ訪問された方に自社が運営するホテル・旅館の強みや魅力を伝えたり、写真や動画を用いて、自社が運営するホテル・旅館の館内を紹介したり、周辺施設の観光を掲示することもできます。いかに、自社が運営するホテル・旅館を魅力的に伝えるかを考えながら、上質なコンテンツ作りを目指しましょう。
4口コミへの返信をこまめにおこなう
サイトの多くは、口コミが書けるようになっています。口コミはさまざまですが、ホテルや旅館からの返信を心待ちにしている方もいます。返信がきっかけでリピートにつながることもあります。そのため、口コミに対する返信はこまめにおこなうことが大切です。
また、口コミのなかには、クレームなども含まれます。悪い口コミが書かれてしまった場合も誠意を持って、返信対応をおこなうことで信頼感を得ることができたり、お客さまにも真摯な姿勢を見せることにつながりますので、必ず、対応するようにしましょう。
5長期滞在プランを作り、専用サイトに登録する
最後に紹介するのは、「長期滞在プランを作り、専用サイトに登録する」です。長期滞在型の宿泊だと、必然と短期の宿泊よりも滞在する時間が多くなるため、思う存分、ホテル・旅館の強みや魅力を体感して頂くことができます。
ファンを作る絶好の機会となります。長期滞在だからこそ伝えられるプランを作り、今後、リピーターとなるファンを増やしましょう。
また、専用サイトに登録することで、お客さまに有益な情報を定期的に送ることができるのも、このアイディアの嬉しいポイントです。
参考にしたいホテルの集客アイディア 3選
効果を期待できると仮説を立て、アプローチ施策を見事に成功させたホテルがあります。いずれも課題の洗い出しから始まり、ターゲットや価値の選定へと段階的に戦略をすすめたことで、最大の効果を生み出しています。集客のための戦略の立て方や施策など、さまざまなマーケティング対策をご覧ください。
星野リゾートグループ
星野グループリゾートは、長野県軽井沢に本社を構え、2022年で開業から108年を迎える老舗ホテルです。星野グループリゾートは、SNSを使ったマーケティング施策を積極的に行なっているのが特徴で、順調にファンを増やし続けています。
星野グループリゾートは、インフルエンサーを起用し、雲を間近で見ることのできる「雲海テラス」や空に浮かんでいるような体験ができる「ハンモック」など、ホテルの魅力的な施設を画像で紹介。それがSNS上で話題となり、ホテルの知名度を上げることに成功しました。
アパホテル
アパホテルは、全国に664施設を展開、客室数はすべて合わせて102,706数と、日本でも有数のホテルです。
アパホテルでは、独自に公式アプリを展開しています。この公式アプリは、現在、ダウンロード数を200万を超え、国内ホテルでNo.1の実績を誇っています。
アプリを使用すれば、全国にあるアパホテルをすぐ予約できたり、オンラインで決済がアプリ内で完了するなど、利用者が活用しやすいのが特徴です。
アパホテルの公式アプリは、オンライン限定でアパアプリプラン最安値をお得に予約できる、ポイントが貯まるなどの会員特典を設け、既存ユーザーのリピート率を上げており、会員組織を活用し、国内顧客の囲い込むことに成功した事例と言えるでしょう。
L&Gグローバルビジネス
L&Gグローバルビジネスは、ブティックホテル「HOTEL SHE」を運営してる企業です。L&Gグローバルビジネスが運営する「HOTEL SHE」は、アートや演劇をコラボレーションしたイベントをおこなうなど、類を見ないコンセプトが特徴的です。
その芸術性を活かし、noteでの情報発信などを積極的におこない、多くのフォロワーを獲得しています。また、代表の龍崎翔子さん自身もインフルエンサーとして活躍。TwitterなどのSNSを活用し、若年層の憧れの存在となっています。
コロナ禍の集客は長期滞在プランが有効
ホテル業界は、コロナ禍が続くなか、長期滞在型のプランを相次いで打ち出しています。長期滞在プランは、当初、来客数が減ってしまったために、なんとか稼働を増やしたいとの思いで始められたものでしたが、現在は、家族への感染を防ぐためやテレワークを企業が推進し始めたことにも影響を受け、需要がますます伸び続けています。
長期滞在プランを利用する方は、テレワークが中心ですが、「子供の受験」のために利用をする方や、「旅行に行けない代わりにホテル暮らしを楽しむ方」などの個々のニーズから生まれた新しい利用方法も増えています。
長期滞在プランは、滞在の目的を新たに用意をしたことによる成果と言えます。コロナが終息を迎えた後も、長期滞在型のプランの人気は続くでしょう。
コロナ禍の集客方法としては、今、長期滞在プランがもっとも需要があります。この機会に、自社が運営するホテル・旅館の強みや魅力を活かした長期滞在型プランを打ち出してはいかがでしょうか。