(出典:日本航空株式会社)
日本航空株式会社(JAL)は、株式会社ジャルカード、株式会社北海道エアシステム(HAC)、株式会社NTTドコモと連携し、北海道の地域活性化を目指す新たな取り組みを開始する。具体的には、JALとドコモが保有するデータを活用し、日本電信電話株式会社の協力の下、ドコモが開発した「秘匿クロス統計技術®︎」を使用して、JALの便を利用するお客様の移動状況の人口統計情報を取得する。
この取り組みの背景には、昨年の実証実験が存在する。それは、データの統計的利用を通じて、顧客体験の向上と社会課題の解決を目指すものであった。
昨年の実証実験では、お客さまの航空機搭乗前の移動状況を解明することができ、その知見を基にした空港内のサポートが実施された。その結果、顧客の滞在時間の短縮や快適な移動が実現され、顧客体験の向上と社会課題の解決に貢献したのである。この実証実験は、JAL、JALカード、ドコモの三社の協力のもと、2022年11月に実施された。そして、その結果としての第2弾として、今回の新たな実証実験が始動されることとなった。
(出典:日本航空株式会社)
今回の実証実験の目的は、北海道の道東エリアでのお客さまの移動状況を正確に把握し、交通手段の提供や人流創出につなげる知見を獲得することである。具体的には、HACが開設する札幌丘珠空港と根室中標津空港間の路線を中心に、お客さまの移動ニーズの把握が行われる。
その中核となるのが「秘匿クロス統計技術」である。この技術は、各社が持つデータを安全に統合し、一連の処理を機械のみで行うことを保証するものである。それにより、個人のプライバシーを保護しながら、有用な統計情報を得ることが可能となる。
今後、JALグループとドコモは、この実証実験を通して得られた知見を基に、北海道の道東エリアでのシームレスな移動や新たな商品サービスの提供を進める計画である。その取り組みは、地域と人々をつなぐ社会価値の創造を目指すものであり、異業種間の協力によるデータの安全な連携がその鍵となる。