全日本空輸(ANA)は14日、日本の航空会社として初めてとなる深圳への直行便を開設した。機体はボーイング787ー9型機となり、週一回(月曜日)の運行だ。
全日本空輸は当初、2020年3月29日より羽田=深圳の就航を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の国際的な拡大を受け、延期となっていた。深圳の新規開設により、12月以降の中国大陸への就航は、成田=上海(浦東)、広州、青島とあわせて4路線となる。
多数の航空会社が新型コロナウイルス感染症の影響を受けるなか、ANAの新路線としては3月16日に開設された成田=ウラジオストク線以来、約9カ月ぶりとなる。(現在当路線は運休中)
日中間では11月30日より、商用などの短期滞在の場合、入国後2週間の隔離措置を緩和する「ビジネストラック」の運用が始まっている(マカオ・香港は対象外)。
中国4大都市(北京、上海、広州、深圳)のひとつとされる深圳は、中国の南東に位置する。香港や広州からも近く、東南アジア諸国へのアクセスにも便利だ。
「中国のシリコンバレー」と称される深圳には、深セン市には、世界最高レベルを誇る電気、電子産業が集積しており、グローバルな視野を持つハイテク人材が多いとされている。また、外資系企業が参入しやすいこともあり、地場企業との協力の可能性を探る日本企業が増えているようだ。
もともとは2万人ほどの客家が暮らす小さな漁村に過ぎなかった街が今では中国のシリコンバレーといわれるまでに発展した深圳には、高さ600メートル級の高層ビルが並び、一番高いビル「平安国際金融中心ビル」展望台からは深圳の街を一望することができる。
周囲を城壁に囲まれた歴史のある街である、大鵬所城は深圳市内から1時間半となる。倭寇の来襲に対抗するために壁で囲われた街だそうだ。
また、「ゴッホの複製画」の一大拠である絵画の村が深圳にはあり、1万人もの画工が住んでいる。中国の歴史を感じながら豊かな油絵文化を深く味わえる都市となっている。