外国人観光客が4年で3倍に急成長した京都市で加速するホテル開発計画とは

日本屈指の観光エリアで約2,000施設のホテルを抱える京都市。外国人観光客が4年で3倍に急成長するなどインバウンド客の宿泊ニーズが絶えない京都の宿泊施設事情に迫った。

 

新規ホテル計画のすべてが京都市内に集中

急増する外国人旅行客に対応するため、日本全国で新規ホテルの出店計画が相次いでいる。日本屈指の観光エリアとして、日本人観光客はもちろん、外国人観光客にも高い人気を得ている京都府も同様だ。ここ数年、京都府では新規ホテルの建設計画が発表やホテルのオープなど、ホテル業界は活況を呈している。

京都市の発表によると、2016年に京都市で宿泊した外国人観光客は、実に約318万人を数えている。2012年前に行われた同じ調査では、京都市に宿泊をした外国人観光客は約84万5,000人だったことを考えると、わずか4年間で3倍弱も外国人宿泊客が増えている。

日本人観光客はここ数年ほぼ横ばいで推移していることから、京都市では主に外国人観光客の急増によって宿泊不足を招いていると見ることができる。これを緩和するために、現在、京都市では24計画もの新規ホテル計画が進められているというわけだ。

出典:メトロエンジンリサーチ

 

これまで見られなかった大規模ホテルの計画とは

現在、京都市内で建設が計画している新規ホテルは24計画あるが、この延床面積をすべて足すと約24万4,000m²になる計算だ。

この面積は、国内最大級の駅ビルとして知られる「JR京都駅ビル」の延床面積23万5,627m²を上回る延床面積である。つまり、京都市ではこれから数年後にはJR京都駅ビルと同等以上の延床面積がホテルに生まれ変わることを意味している。

また、表からは京都市で現在計画されている新規ホテルは、比較的大規模なものが多いことが分かる。24計画中10計画が、延床面積1万m²以上の計画だ。さらに、10計画のうち5計画は2万㎡に近い延べ床面積数を誇る。

こうした比較的規模の大きなホテルの建設はこれまで京都市ではあまり見られてこなかった。その理由は、世界一厳しいとも言われている京都市の環境条例にある。

京都市中心部ではこれまで、ホテルに厳しい高さ制限と容積率制限が課されていた。しかし、京都市内の深刻な宿泊施設不足を受けて、2016年9月規制が緩和。

この規制緩和によって、これまで進出が難しかった大資本や海外ホテルチェーンなどが、新規ホテルの計画を発表している。

出典:メトロエンジンリサーチ

 

京都市内でホテル開発が行われているのはわずか4区

京都府内の新規ホテル計画は京都市を中心としてるが、京都市の中でも開発が活発な地域とそうでない地域に二分される。

発表されている24計画のうちトップが8計画を予定する中京区、2位は下京区と南区でともに6計画、3位は4計画で東山区である。つまり、この4つの行政区で全24計画を占めているのだ。

 

出典:メトロエンジンリサーチ

 

京都市内全域で魅力的な観光スポットが多数ある一方で、上述したように宿泊施設は市内中心地にしか存在していない。

市内全域の活性化、そして旅行者の受け入れ、宿泊施設不足解消の観点からも、市内中心地以外への宿泊施設の分散化は急務の課題といえそうだ。