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伸び率40%増、韓国人観光客が急増している3つのワケ

投稿日 : 2018.01.25

インバウンド

2017年は、韓国人観光客が急増した年である。実に前年比40%増とその増加率は目を見張るものがあった。ここまで韓国人観光客が増えた要因はどこにあるのだろうか。ここでは、3つの理由に注目して見ていくことにしよう。

 
2017年の韓国人観光客は前年比40%増
日本政府観光局(JNTO)の統計によると2016年は、史上初めて訪日外国人数が2,000万人を超え、2,400万人もの外国人観光客が日本を訪れた年となった。2017年になるとその傾向はさらに拍車がかかり、前年をはるかに超える2,800万人が日本に訪れた。
日本政府観光局(JNTO)の統計では、ほとんどの国で訪日観光客が増えているが、2017年は韓国からの観光客数の増加が特に目立つ年となった。

出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外国人消費動向調査」

 
訪日外国人数がトップ3の韓国、中国、台湾からの観光客数と2017年の伸び率を示した表だ。これを見ると明らかなように、韓国の前年からの伸び率は実に40.6%と群を抜いて高い数字を記録している。これには大きく見ると3つの理由がある。以下でその理由を詳しく紹介していく。
 

韓国から日本への渡航費用が格安である

まず第一に、韓国から日本への渡航費用が非常に安いことが挙げられる。一昔前までは日本では珍しかったローコストキャリア(LCC)と呼ばれる格安航空会社だが、現在では全国的に就航している。
韓国は、日本の半分程度の人口と国土面積でありながら、チェジュ航空、ティーウェイ航空、ジンエアー、エアプサン、イースター航空、エアソウルといった6つのLCCが本拠地を構えるLCC大国という側面がある。
これらのLCCがひしめき合っているのに加えて、大韓航空やアシアナ航空といったフルサービスキャリア(FSC)もあり、各航空会社で熾烈な生存競争が繰り広げられている。必然的に価格競争が起こり、航空チケットも安くなる。
シーズンを気にしなければ、韓国から日本への飛行機代は1万円程度ということも珍しくない。日本への航空チケットが釜山―ソウルの高速鉄道(KTX)より安くなるケースもあるほどだ。
また、釜山から発着しているフェリーに乗れば飛行機よりもさらに安い価格で日本に渡航することも可能だ。キャンペーンや割引サービスなどを使えば往復でも1万円程度で日本に行って帰ってくることができる。
 
円安ウォン高が進み滞在費用がお得に
また、ここ数年続く円安ウォン高の為替相場も無視できない要因である。2017年は1円が0.1ウォン前後で推移していたが、日本が未曾有の円高株安に苦しんでいた2010~2012年頃は、1円=0.07ウォン前後だった。円の価値が下がり、ウォンの価値が上がれば相対的に日本での滞在費用が割安になる。
つい10年ほど前まで、日本では韓国が「物価が安い国」と認識されてきた。しかし、2010年代に入ってからはその傾向も薄まっている。現在の韓国の生活費の高さは日本よりも高いとされ、算出方式が日韓で違うとは言え、大卒初任給はもはや韓国の方が高いくらいである。日本と韓国の間での物価格差はほとんどなくなっていると言っても良いだろう。
つまりウォンの価値の上昇が、韓国人観光客にとっては、そのまま日本での食事や宿泊料金を含む滞在費用の割安感につながっているのである。
 
これまで中国に旅行に行っていた層が日本に流れてきている
さらに、2017年に韓国人観光客数が爆発的に伸びた理由として、これまで中国に流れていた観光客が日本に来ているという面も大きい。
2016年から2017年にかけて韓国と中国の政治的関係が急速に悪化した。それは、韓国がアメリカの高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を決定したことによるものだ。中国は韓国のTHAAD配備に強く反発し、中国人団体客の訪韓を禁止したり、韓国系企業製品のボイコットが起こった。
この中国の反応に嫌悪感や危機感を感じた韓国人が旅行先を中国から日本に変更したということが考えられる。
2017年は韓国人観光客が急増した年であり、その傾向は2018年以降も続くと見られている。しかし、海外旅行客の増減は外的要因に大きく左右されるものである。それは、THAADの影響で中国人観光客が激減した韓国を見ても明らかである。
 
韓国人の急増に合わせたサービスの充実はもちろんだが、広く訪日外国人観光客に向けた施策作りも今後、より重要になってくるのではないだろうか。

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