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観光産業DX化の現実:デジタル化に関する実態調査からの洞察

投稿日 : 2023.12.12

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観光・レジャー産業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が高まっている中、NutmegLabs Japan株式会社は観光施設及び事業者を対象に実施した実態調査の結果を公表した。この調査は2023年7月14日から17日にかけて、ウェブアンケートを通じて行われ、総数315名の回答を得た。その中で、ITシステムの決裁に関与する者は95名であった。

(画像出典:NutmegLabs Japan株式会社

調査の背景には、新型コロナウイルスの影響による人材流出と旅行需要の回復による深刻な人手不足がある。これに対処するため、DXの重要性が一層高まっている。

調査結果によると、サービス提供や施設運営における主な課題は人手不足に関するものが多く挙げられた。具体的には「慢性的な人手不足(62%)」「高度な技術を持った人材不足(58%)」「繁忙期のみの人員不足(36%)」「インバウンド対応人材不足(34%)」などが上位に位置している。

業種ごとの比較では、リゾートホテルや遊園地・テーマパークが特に人手不足を感じていることが明らかになった。また、役職による認識の違いも見受けられ、経営層は慢性的な人手不足をあまり感じておらず、スキル不足に対する課題認識が大きいことが分かった。

75%の企業が何らかのデジタルツールを導入していることが判明し、その中でも「電子マネー決済(41%)」「クレジットカード対応(46%)」「Webサイト予約申し込み(64%)」などが目立っていた。しかし、デジタルツールの満足度が低い層では人手不足の課題が顕在化している傾向が見られた。

集客や予約獲得に関する不満はデジタル化が進むほど解消されるが、予約管理やキャンセルの増加など新たな課題が生じることも明らかになった。

調査結果からは、観光施設及び事業者が直面している深刻な人手不足の課題を解決するためには、単にツールを導入するだけでなく、現場作業を考慮し、顧客接点に関する負担を軽減する「総合的なDX」の実施が重要であることが示唆されている。

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