日本政府観光局(JNTO)から発表された、2017年「日本の国際会議開催件数」によると、神戸市は年間405件の国際会議を開催し、東京23区に次いで全国第2位となった。JNTOが国際会議統計を新基準で取り始めてから約10年、神戸市としては過去最高の結果。成功の要因とは。
出典:神戸市
医学・科学技術、社会学が増加
神戸市は、2015年の8位(113件)から前回2016年は4位(260件)、そして今回の2017年2位(405件)と、連続して飛躍的に上昇。
内訳は、医療産業都市・神戸として医学・科学技術関係がやはり強く、全体の約半数となる183件に。また、地元大学における社会学関係の会議開催の伸びには目をみはるものがあり、約4割の153件という結果になった。
これは、国際会議を開催できる世界的に知名度のある教員が、いかに多く神戸にいるかということを表す結果とも言える。
増加した原因として、神戸市はリサーチャーの配置による細かな情報収集や会議主催者との継続的な信頼関係の構築をあげている。
出典:神戸市
【2017年に神戸市で開催された主な国際会議】
・生命科学系学会合同年次大会(ConBio2017)
参加者数10,202人(内外国人1,194人)
・国際測地学協会及び国際地震学・地球内部物理学協会合同学術総会(IAG-IASPEI 2017)
参加者数1,000人(内外国人500人)
・第11回リハビリテーション工学・支援技術国際会議(i-CREATe2017)
参加者数600人(内外国人100人)
【今後開催予定の主な国際会議】
・[2019年3月予定] ICANN64(インターネット関連国際会議)
参加予定人数2,500人(内外国人2,000人)
・[2019年6月予定] 国際リハビリテーション医学会(ISPRM)
参加予定人数7,000人(内外国人3,000人)
・[2019年10月予定] 国際義肢装具協会世界大会(ISPO)
参加予定人数5,000人(内外国人3,000人)
MICEのすそ野広い経済効果
MICEは会議開催・宿泊・飲食・観光等と消費活動のすそ野が広く、神戸市内はもちろん、周辺地域への経済効果を生み出すことが期待されており、年々その影響について注目が集まっている。
また、新しいビジネスやイノベーションの機会の創造につながること、多くの外国人が神戸を訪れることで国際都市としてのブランドの向上につながることも大きな魅力。神戸市では全国に先駆けてコンベンション誘致を戦略的に取り組んできた結果、2013年には東京、横浜、京都、福岡などの都市とともに「グローバルMICE都市」として観光庁に選定された。
これにより、JNTOによる外国人アドバイザーの派遣やプロモーション支援などを受けながらのMICE誘致ができていることも大きな強みと言える。
神戸市は今後もグローバルMICE都市・神戸としての知名度向上をはかりつつ、同市への経済発展をもたらすMICE誘致を積極的に推進していくという。
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