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訪日客向け二重価格の認知度が急上昇:賛成派が7割を超える理由とは

投稿日 : 2024.08.29

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インバウンド

共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティングは10~60代の方を対象に「訪日客向けの二重価格に関する調査」を実施した。本調査では、訪日観光客向けに商品やサービスの価格を国内居住者向けより高く設定する、「訪日客向けの二重価格」について聴取しており、2024年2月調査に続き、2回目の調査となる。

(出典:株式会社ロイヤリティ マーケティング

調査によると、訪日観光客向けにサービスや商品の価格を国内居住者向けより高く設定する「二重価格」の認知率は、2024年2月の42.2%から2024年7月の62.0%へと大幅に上昇した。特に「知っている」と回答した割合が36.2%、さらに「聞いたことがある気がする」が25.8%であり、合計で62.0%の認知率となっている。このように、二重価格の認知度が19.8ポイント上昇した背景には、国内外での価格差についての議論が広がっていることが考えられる。

(出典:株式会社ロイヤリティ マーケティング

さらに、訪日客向けに二重価格が設定されることに対する賛否の調査では、2024年7月の調査で「賛成する」が40.9%、「やや賛成する」が28.6%と、合計69.5%が賛成している。これは前回の調査結果58.3%から11.2ポイント上昇しており、二重価格に対する賛同が増加していることが伺える。賛成する理由としては、円安の影響や、オーバーツーリズム対策としての有効性が挙げられており、特に自身が海外旅行で二重価格を経験したことから、日本での二重価格設定に理解を示す声が目立った。一方で、反対派の意見としては、日本のおもてなし精神に反する、訪日客に対して失礼に感じる、または在留資格者との判別が煩雑になるといった懸念が見られる。特に「差別」「不平等」という意見も多く寄せられており、二重価格の導入には賛否が分かれる状況である。

(出典:株式会社ロイヤリティ マーケティング

国内で二重価格が許容される場所についての調査結果によれば、「文化施設」や「自然保護区」が上位を占め、それぞれ半数を超える回答者がこれらの場所での二重価格を容認していることがわかった。一方、「飲食店」や「交通機関」での二重価格の許容度は3割未満にとどまっており、利用場所による許容度の差が明確に表れている。また、いずれの場所においても「許容できない」という意見は2割強にとどまり、全体として特定の場所での二重価格に対する理解が広がっていることが示されている。

(出典:株式会社ロイヤリティ マーケティング

二重価格に対する納得感を高める要因として、「料金差の基準が明確であること」が最も重要視され、続いて「使用目的が明確であること」が挙げられている。特に料金差の基準が明確であることが58.2%でトップに立ち、透明性や公正さが求められている。また、二重価格のデメリットを「特になし」とする意見が45.8%を占めたが、次いで「差別的な印象を与える」ことが36.2%にのぼった。一方で、二重価格のメリットとして「観光資源の維持管理」が最も高く評価されており、49.3%がこの点を支持している。

この調査結果は、訪日客向けの二重価格に対する意識が着実に変化していることを示しており、その導入に対する賛否が今後の観光政策に影響を与える可能性があるだろう。

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