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宿泊施設は多言語表示よりコミュニケーションが課題ー訪日客へのアンケート結果

投稿日 : 2018.04.02

インバウンド

観光庁の外国人観光客が直面する「多言語表示・施設等のスタッフとコミュニケーション」についての課題についての課題に焦点を当てた調査によると、宿泊施設において訪日外国人が多言語表示・コミュニケーションで困った場面は、チェックイン時が最も多く、説明書きなどの多言語表示よりもスタッフのコミュニケーション力により多くの課題があることがわかった。

 
訪日客はチェックイン時と浴場で困っている
観光庁が2017年9月ー10月に実施した多言語表示などの受入環境で宿泊客が困った場面などを調べた調査は成田国際空港や関西国際空港などを含む全国主要6箇所の空港で行われ、3,225人の旅行者外国人旅行者から複数回答で回答を得た。
 

宿泊施設の多言語表示・コミュニケーションについて困った場面(複数回答)

出展観光庁アンケート結果

 
上記のグラフの通り、多言語表示やコミュニケーションについて宿泊施設で困った場面では、「チェックインの際」の33.5%が最も多く、「日本独特のもの(大浴場等)の使用方法を尋ねる至」が32.4%で2番目に続いた。
そのほか「周辺の観光情報を尋ねる際」が29.5%で「部屋の使用方法を受け入れる」が22.5%、「トラブルが発生した」が16.2%と続き、「チェックアウトの際」との回答は11%にとどまった。
 
多言語表示よりコミュニケーション力が不足
チェックインの際に困った理由としては、
多言語表示(40.6%)よりもコミュニケーション(59.4%)とスタッフの多言語でのコミュニケーション・スキルの問題への指摘が多くの割合を占めた。
この割合は、
・鉄道駅多言語表示(70.7%):コミュニケーション(29.3%)
・城郭・神社・仏閣多言語表示(75.8%):コミュニケーション(24.2%)
・飲食店多言語表示(55.5%):コミュニケーション(44.5%)
・小売店多言語表示(59.5%):コミュニケーション(40.5%)
など他の観光関連産業では多言語表示の方が多いことと比較すると、宿泊施設には顕著にコミュニケーションの問題の割合が大きいことがわかる。
 
この宿泊施設の問題への対処として、最も有効と回答を得たのは、指差し会話シート(909件)でタレットを使用する対面翻訳(527件)がこれに続いた。
 
求められたコミュニケーション能力の向上
ホスピタリティ業界の代表とも言える宿泊施設で、スタッフのコミュニケーション・スキルの不足を訪日客から指摘されたことは、2020年東京五輪、観光立国に向けて非常に深刻な問題と捉えることであろう。
 
不幸中の幸いなことにスタッフは「話そうとしなかった」のではなく、「話そうとしたがスキルが足りなかった」と多くの訪日客が回答していることである。
チェックイン時や浴場において説明しなくてはいけないことはある程度は想定問答で、対策を練ることが可能だろう。
 
他の施設から優位に立つためにも、会話シートやITツールを有効に活用して、スタッフが徐々に外国人とのコミュニケーションに慣れると同時に、長期的にはやはり多言語人材を育成していくことが、訪日客に人気を集める国際的な宿泊施設となるための条件と言えそうだ。
 

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