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隣国でも大違い、平均宿泊数から考えられる宿泊需要シーズンとは

投稿日 : 2018.02.23

インバウンド

宿泊業や旅行業者にとって重要なデータのひとつに平均宿泊数がある。訪日客数トップ3の中国、韓国、台湾では平均泊数には大きな違いがあるのか。あるとすればどのようなことが要因として考えられるのか、各種データを読み解り考察した。

 
中国、韓国、台湾からの訪日客の平均宿泊数は?
近年、世界各国から訪日客が増え続けているが、とりわけ中国、韓国、台湾といった東アジアの国々の訪日客の増加には目を見張るものがある。実際に、2017年と2014年の3カ国の訪日客は、3カ国ともにわずか3年で爆発的な伸び率を記録している。
 

(表1)

出典:訪日外客数(JNTO推計値)

 
観光業者や宿泊業者にとって訪日客の実数と同様に、重要なデータのひとつに観光客の宿泊日数がある。そこで次に、この3カ国の平均宿泊数はどのようになっているかを紹介したい。中国、韓国、台湾を対象に行われたアンケート調査では、訪日客の日本での宿泊数結果は以下のグラフのようになる。

(表2)

出典:訪日外国人消費行動調査

 
それぞれ2017年3ヶ月ごとに調査したものだが、全期間を通じて最も平均泊数が多かったのは中国からの訪日客、次いで台湾、最も平均泊数が少なかったのは韓国からの訪日客だった。このように、同じ東アジアと言ってもそれぞれの国によって、平均泊数に大きな違いがあることが分かった。次に、それぞれの国ごとにより詳しくデータを読んでいく。
 
約2週間の滞在、長期滞在の需要が高い中国
(表2)を見ると分かるように、3カ国の中で最も平均泊数が多かったのは中国からの訪日客だった。時期によって多少バラつきがあることが大きな特徴で、最も平均泊数が長かったのは7月に行ったアンケート調査の際で、平均は13泊強だった。反対に最も平均泊数が短かったのは10月の調査で、平均泊数は9日弱だった。
このデータで意外だったのは、10月の調査で最も平均泊数が少なかった点である。中国では2017年の10月上旬に最大で8連休にもなる『国慶節』の連休があったが、平均宿泊数の増加にはつながっていない。日本人の場合、ゴールデンウィークや夏季休暇、年末年始休暇に合わせて平均宿泊数も伸びるというのが一般的な考え方だろうが、こと中国人に対してはこの認識はあまり当てはまらないと考えるのが妥当だろう。
 
もはや日帰りも少なくはない、韓国の宿泊事情
中国とは反対に平均宿泊数が最も短いのは韓国で、その平均宿泊数は約4日だった。時期によって多少バラつきがあるものの滞在期間3日以内が25~40%、4日~6日が50~60%強と大半が訪日滞在期間6日以内の短期滞在者である。
また、韓国からの訪日客の滞在日数の大きな特徴は、1泊ないし日帰りの超短期滞在者が一定数存在するという点である。北九州港と下関港の総称である関門港で2017年1月に調査した結果によると、平均宿泊数は1泊だった。さらに、同じ時期に長崎県対馬市の厳原港で行った調査によると、回答があった全員が日帰り客という結果だった。
航空機に比べるとフェリーの方が運賃は安く、さらに釜山・対馬間は最速で70分程度で行き来できてしまうため、国内旅行の延長線上で気軽に訪日を楽しむ韓国人が多いことが窺い知れる。
 
日本人に近い考えか、祝日に集中する台湾の観光客
最後に、台湾人の平均泊数について詳細を見ていく。(表2)を見ると分かるように、台湾からの訪日客の平均泊数は6~8日だった。最も平均泊数が多いシーズンが10月で平均泊数は、8日だった。これは10月の平均泊数が最も少なくなった中国とは真逆の結果である。ちなみに台湾も10月には国慶節があり、それに合わせて連休があった。
中国の場合は大型連休と平均宿泊数の増加には相関関係は見いだせなかったが、台湾は連休と平均宿泊数の増加に関連があると考えても良いだろう。この点においては、台湾人は日本人と近い消費行動をしていると考えられる。
 
ここまで見てきたように、一見似ているように思える中国、韓国、台湾の3カ国において旅行スタイルや消費マインドに大きな違いが見て取れる。訪日客数だけではなく、平均宿泊数、宿泊数が増える時期と減る時期といったことを把握することで、より有効的な集客、レベニューマネジメントができるのではないだろうか。

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