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民泊物件の8割が集中する福岡市で、民泊物件がホテルに与える影響とは

投稿日 : 2018.01.05

福岡県

バケーションレンタル

多くの観光都市や大都市を有する都道府県と同様、福岡県でも民泊物件が急増している。
本稿では、民泊物件が増える福岡県にフォーカスして全宿泊施設に対する民泊の割合を明らかにするほか、ホテルに与える民泊の影響稼働率に迫った。

福岡県の民泊物件数は全国第5位
外国人観光客の増加に加えて昨年6月には民泊新法が制定されたことを受けて、東京や大阪などの大都市や、京都や沖縄といった観光地で民泊物件が急増している。九州一の大都市で国内外の観光客からの人気が高い福岡県でも、民泊物件は最近になって特に増えている。

(表1)

出展:メトロエンジンリサーチ

メトロエンジンリサーチによると、福岡県は東京都、大阪府、京都府、沖縄県といった日本有数の大都市や日本を代表する観光地を有する都道府県に次ぐ全国第5位だった。

福岡県の民泊物件は前年同月比153%
福岡県全体の民泊物件数は、2017年10月現在、2,311件だが(表1)、わずか1年前の2016年10月時点では1,507件(前年同月比153%)でハイペースで増えていることがわかる。
表1で示した民泊物件数が多い都道府県のうち、前年同月比の数字が最も高かったのは、沖縄県で前年同月比85%増だった。第2位は、北海道で前年同月比160%。福岡県の前年同月比153%だったが、これは全国第3位の伸び率に入る。
ちなみに、全国平均は前年同月比129%で、東京都は前年同月比122%、大阪府は前年同月比117%という結果だった。福岡県における民泊物件の普及の勢いは、全国屈指のものということが、この資料からは見て取ることができる。

市町村別では福岡市博多区が1,159件で最多
ここで、福岡県の市区町村別の民泊事情を見ていこう(表2)。メトロエンジンリサーチよると、福岡県内で民泊物件数のトップは福岡市博多区で1,159件だった。福岡市博多区の前年同月の民泊物件数は721件で前年同月比161%になる
なお、福岡市博多区の民泊物件数は全国でもトップレベルで、東京や大阪、京都などの各エリアに次いで全国第8位に入った。

(表2)

出展:メトロエンジンリサーチ

続いて福岡県の民泊物件数の第2位は、福岡市中央区で795件だった。中央区の民泊物件の前年同月比は156%で、博多区と同様に高い。ちなみに中央区の民泊物件数も全国トップレベルで、全国ランキングでは第14位に入る。

福岡県内の民泊物件は約85%が博多区・中央区に集中
福岡県内の民泊物件数の市区町村の1位(福岡市博多区)と2位(福岡市中央区)の件数を合計するとその数は1,954件になる。福岡県全体の民泊物件数は2,311件で、県内民泊物件の実に約85%が福岡市博多区と中央区に集中していることになる。
福岡に民泊が集中する一方で、人口100万人に迫る福岡県第二の都市・北九州市の民泊ニーズはそこまで高くない。
北九州市の行政区は県内第9位に北九州市小倉北区が21件でランクインしているが(表2)、それ以外の北九州市の行政区には民泊物件はわずか数件ずつ存在するのみだった。北九州市全体の民泊物件数は、42件に留まっている。

増え続ける民泊物件はホテルの脅威となる可能性も
民泊物件が福岡で増える背景には深刻な宿泊施設不足があるようだ。
福岡市内のビジネスホテル、シティホテル客室稼働率は全国平均の51.2%を大きく超える約80%を記録(観光庁 宿泊旅行統計調査)。なかでも特に、福岡空港やJR博多駅といった福岡の玄関口が近い博多区や中央区のホテルはここ数年予約が取りづらい状況だ。
博多区や中央区は、福岡ドームや福岡コンベンションセンターといった大規模なイベントが開催可能な会場にもほど近い。複数のイベントが行われる日には、近隣に宿泊予約を取ることができない観光客で溢れかえってしまう。
つい最近も、九州大学の試験日と大規模なイベントの日程が重なり、受験生の宿泊先確保が危惧されるという報道もあった。
福岡市で民泊物件が増えている背景には宿泊施設不足が背景にあると考えられ、今後さらに民泊が増えればホテルに影響を与える可能性もある。
メトロエンジンリサーチによると、2017年9月時点のホテルに与える民泊影響稼働率※1(民泊の宿泊部屋数/ビジネス・シティホテル客室数)は2.76%(2016年9月時点1.80%)であることがわかった。
ホテルや旅館などの施設数や利用者数等は観光庁の宿泊旅行統計調査で毎月発表されているが、このような統計調査には民泊データは含まれていない。
国の統計データには民泊の状況が明らかにはなっていないが、明らかに増え続ける民泊物件はホテル業界にとって今後脅威となる可能性はある。民泊の普及によって、福岡市の宿泊事情がどのように変化していくか、今後も注視していきたい。

(表3)

出展:メトロエンジンリサーチ

 

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