ホテルや旅館などの宿泊施設の集客はどのように行えばいいのか悩んでいる担当者も多いでしょう。
また、具体的にどのような施策を行うと効果があるのか知りたい方もいるかもしれません。
そこで今回は、宿泊施設の集客力を上げる具体的なアイデアとポイントについて解説します。
ぜひ、実践できるものから取り入れて、集客効果を高めていきましょう。
宿泊施設は集客力を高めるべき理由
ホテルや旅館などの宿泊施設が生き残るためには、時代にあった集客力の高め方を身につけていくべきです。
以前までは旅行雑誌や旅行サイトに宿泊施設を掲載してもらい、読者に見つけてもらう集客方法が主流でした。
しかし、現在の集客は自社でWebサイトを開設・運用やSNSなどを駆使して、積極的に見込み顧客へアプローチする方法に変わりつつあります。
そのため、どうすれば競合の中から自社の宿泊施設を選んでもらえるかを考えたブランディングが求められているのです。
多数のメディアや媒体を使った情報発信を続け、うまく見込み顧客に接触して利用を誘導する力が現代には求められています。
宿泊施設の集客力を上げるうえで重要なポイント
宿泊施設の集客力を上げるために必要な考え方を4つのポイントにまとめました。本項を理解すると、効果的な集客が可能になるでしょう。
では、宿泊施設の集客力を上げるうえで重要なポイントの解説をします。
自社の強みとターゲット層を明確にする
集客を行う上で重要なのが、自社の強みとターゲット層を明確にする点です。まずは、自社の宿泊施設の強みは何かを洗い出していきましょう。
近隣のホテル・旅館に比べて立地が良い、という場合でも十分な強みになるはずです。他にも自社の強みといえる部分を見つけられると、集客力に活かすことができます。
・料理にこだわりがある
・部屋が広い
・宿泊料金が安い
・接客品質が高い
自社の強みを洗い出したら、ターゲット層も考えていきましょう。
ターゲット層は、ビジネスホテルなら出張を目的とするビジネスマン、旅館ならレジャーを楽しむ家族連れなどさまざまです。
ただし、ターゲットの範囲を広げすぎてしまうと、逆に誰にも響きにくいコンセプトや戦略ができあがってしまいます。
そのため、できればある1人の人物になるまでターゲットを絞り込んでいきましょう。
・名前
・性別
・年齢
・住所
・家族構成
・趣味嗜好
・宿泊施設選びの傾向
上記のような部分を明確にしていくと、自社の強みがどのようにユーザーの心に響くのかが見えやすくなります。
実際に宿泊施設を利用している既存顧客の傾向を分析すると、ターゲットを絞りやすくなるので参考にしてください。
ユーザーニーズを正しく把握する
集客力を上げるためには、ユーザーがどのようなニーズを持っているのか正しい把握が必要です。
そのためには、まずは実際に自社の宿泊施設を利用した顧客がどのような意見を持っているのかを調査するのがいいでしょう。
自社の宿泊施設の良かった点や悪かった点、このようなプラン・サービスがあると嬉しい、といった部分を聞き出します。
アンケートなどで上記項目をヒアリングができたら、ユーザーニーズとして分析していく作業です。
顧客のニーズは1つだけではないため、さまざまなニーズを見つけ、適切なサービス提供やマーケティングに活かしていきましょう。
競合他社の成功事例を参考にする
すでに集客力のある競合他社がいる場合、成功事例として参考にする方法も1つでしょう。
どのような戦略と仕組みで集客を成功しているのかを分析し、自社に取り入れられる部分はどこかを探っていきます。
並行して競合他社のユーザーニーズも抽出しておくと、市場の動向が見えやすくなるはずです。
得られた情報をもとに、自社でしかできないサービスと組み合わせられると、より効果的な集客ができるようになるでしょう。
OTAに依存しない
じゃらんや楽天トラベルのように、インターネット上でホテルや旅館の検索・予約ができる旅行会社をOTA(Online Travel Agent)と呼びます。
OTAはユーザーの利用数が膨大だからこそ、利用している宿泊施設は多いです。
しかし、OTA経由での予約に依存すると手数料が発生してしまうので、利益は少なくなります。
また、競合に勝つために価格競争に発展するため、長期的にみると経営基盤の不安定さが目立つようになるでしょう。
そのためOTAに依存せず、SNSやWebサイト、オウンドメディアなどの自社独自の集客力を鍛えていくことを考えるべきです。
ホテルの集客力を上げるためのアイデア
ホテルの集客力を上げるためには、どのような手法を用いればいいのでしょうか。
ここでは、ホテルの集客力を上げるためのアイデアについてご紹介します。
SNS運用
拡散力や情報発信の場としても優れているのがSNSです。
近年では、企業がアカウントを運用していることも珍しくなく、集客ツールとして活用している場面も多くなりました。
また、各SNSによって特徴が異なるため、よく理解した上で運用しなければ思うような成果は得られないでしょう。
例えば、有名なSNSとして以下の3つがあげられます。
・Twitter:最大140文字以内で投稿するSNSで拡散性に優れるため、内容によっては爆発的な認知が増える可能性がある
・Instagram:写真・動画をメインにしたSNS。文章よりも視覚的に訴える内容が多い場合に最適
・YouTube:誰でも無料で始められる動画共有サービス。Webサイトへの埋め込みもできるなど多彩な使い方が可能
また、SNSごとにユーザーの属性が異なります。
そのため、自社の宿泊施設を利用してくれそうなターゲットがいるSNSを選定しましょう。
LINE公式アカウントの開設
コミュニケーションアプリのLINEでは、企業や店舗が運営するLINE公式アカウントが存在します。
宿泊施設のLINE公式アカウントがあれば、リアルタイムで最新情報を届けられるだけでなく、見込み顧客との接触回数も増やすことができます。
日本ではLINEのシェア率が高く、より多くのユーザーにリーチできる点が特徴です。
また、配信情報の開封率も高く、メルマガよりも自然な形で情報発信ができます。
クチコミへの返信を怠らない
グーグルマップやOTAなどのポータルサイトでは、利用者からクチコミをもらうことがあります。
可能な限りすべてのクチコミに返信をしておくと、GoogleマップやWebサイトに訪れたユーザーへ誠実な印象を与えられるでしょう。
クチコミの中にはクレームのようなものもありますが、放置はせずに真摯に対応すべきです。
また、宿泊施設の利用で不満を覚えたお客様でもあるため、謝罪は忘れないように述べておきましょう。
こうした積み重ねが信用を築き上げ、新規顧客やリピーターの獲得につながります。
キャッシュレス決済の導入
料金の支払い手段にキャッシュレス決済を導入している宿泊施設も増えています。
クレジットカードはもちろんのこと、デビットカードや電子マネーに対応していると、利用者としてはありがたいでしょう。
キャッシュレス決済を導入すればスムーズな会計が実現できるだけでなく、キャッシュレス決済未導入による機会損失を防げます。
キャッシュレス決済が当たり前の時代だからこそ、宿泊施設にも早期導入を検討したいところです。
ホームページの改善とコンテンツの作成
自社ホームページでは、OTAやSNSだけでは伝えきれない内容を存分にアピールできます。
また、自社の宿泊施設を認知してもらうためには、SEO対策を行ったコンテンツの作成がおすすめです。
指定したキーワードに対して検索結果の上位表示が獲得できれば、多くのユーザーが自社を見つけてくれるでしょう。
ホームページは季節やイベントごとにデザインを変えてみるのも、ユーザーを飽きさせない工夫の1つです。
定期的にホームページの改善とコンテンツ作成をして、集客力を高めていきましょう。
サービス向上ツールの導入
サービス向上ツールの導入によって、宿泊施設の運営を効率よくするのも集客力には効果があります。
例えば、日々の宿泊料金を需要に合わせて変化させるレベニューマネジメントツールを用いると、AIが適切な料金を提示してくれるでしょう。
そうなると、本来必要だった時間と労力を他業務に充てられ、なおかつ顧客には最適な価格帯で利用してもらえます。
業務効率化によって間接的に集客力が高められるので、リソースをかけて積極的に導入しましょう。
まとめ
今回は、宿泊施設の集客力を上げるためにできるアイデアとポイントについて解説しました。
現代では、自社発信型の集客によって、より多くのユーザーに利用を促す手法が主流です。
だからこそ、SNSやLINE公式アカウントなどを活用し、リーチを広げていくことが重要になります。
闇雲に集客力を上げるのではなく、ターゲットや自社の強みの洗い出しも行い、効率よく、なおかつ効果的な集客を行っていきましょう。
■記事作成:メトロエンジン株式会社
2016年創業。ダイナミックプライシングを活用したSaaSシステムのパイオニアとして躍進。ビックデータから人工知能・機械学習を活用し、客室単価の設定を行うダイナミックプライシングツールをホテルなど宿泊事業者に提供。また、レンタカー業界や高速バス業界など幅広い業界のDX支援事業も展開している。
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