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ダイナミックプライシングのアルゴリズムを導入事例を交えて徹底解説!

投稿日 : 2022.12.15

ダイナミックプライシング

特集

需要と供給に応じて、そのときどきで最適な価格を設定する「ダイナミックプライシング」。

近年ではさまざまな業界に活用が広がっており、注目が高まっていますが、「最適な価格」はどのようにして導き出されるのでしょうか。

導入事例も交えながら、ダイナミックプライシングのアルゴリズムの主要3パターンについて解説します。 

そもそもダイナミックプライシングとは?

「ダイナミックプライシング」とは、需要と供給の関係に応じて、商品やサービスの価格を柔軟に変動させることを指します。

価格決定のロジックはさまざまですが、「需要が高まるタイミングで価格を上げ、需要が下がるタイミングで価格を下げる」のが基本。そのため、同じ商品・サービスであっても、購入(予約)する日や、利用する日などによって価格が異なります。

ダイナミックプライシングが広く普及している航空業界やホテル業界では、「同じ路線でも利用日や時間帯によって運賃が異なる」「同じホテルの同じ客室でも宿泊費や予約日によって料金が異なる」といった現象が当たり前になっています。

ダイナミックプライシングのアルゴリズム

前述の通り、ダイナミックプライシングにおいては、需要と供給の状況に応じて、そのときどきの最適価格を導き出しています。では、最適価格の設定はどのようなアルゴリズムに基づいて行われているのでしょうか。

「需給に応じた最適価格の設定」の仕組みは、おもに次の3パターンに分けられます。ただし、ダイナミックプライシングを初心者が自力で実践するのは難しいということを念頭に置いておいてください。

価格変更作業の自動化

ダイナミックプライシングのアルゴリズムのパターンのひとつが、「人の手で行っていた価格変更作業を自動化する」というものです。

このパターンは、ツールを用いた需要予測を行わないのが特徴。あらかじめ決められた価格変更のルールにのっとって、従来は人の手で行っていた価格変更作業を自動化します。

具体的には、「あらかじめ設定した上限価格・下限価格の範囲内で、ウォッチしている競合店舗より10円安くする」「在庫数が一定を下回ったら価格を上げる」などです。

機械学習による需要予測

「機械学習による需要予測」は、季節や曜日、天候、イベントなどさまざまな要素から需要予測を行い、それに基づいて最適な価格を導き出すというもの。

「機械学習」とは、データからコンピューターが自動で学習し、その背景にあるルールやパターンを見つけ出すことをいいます。機械学習によるダイナミックプライシングは、需要に影響を与えるさまざまな要素を踏まえて需要予測を行うため、需要の変動が頻繁に起こるビジネスで特に効果を発揮します。

AIによる最適価格の提案

最近注目されているのが、AIを活用したダイナミックプライシングです。このパターンでは、特定の状態において収益最大化につながる価格をAIが経験から導き出します。

AIを活用したダイナミックプライシングでは、データが多ければ多いほど価格提案の精度が高まるため、軌道に乗るまでにはある程度の試行錯誤が必要となるでしょう。

ダイナミックプライシング導入のメリット・デメリット

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近年では、さまざまな業界でダイナミックプライシングの普及が進んでいます。メリットばかりが注目されがちですが、ダイナミックプライシングには当然デメリットもあります。

導入にあたっては、必ず事前にメリット・デメリットの両方を押さえておきましょう。

メリット

ダイナミックプライシングの最大のメリットが、収益の最大化が図れるということです。

ダイナミックプライシングを導入すれば、需要が高まるタイミングで価格を上げて売上・利益を上積みするだけでなく、需要が下がるときには価格を下げて稼働率を上げることも可能になります。

特に、航空業界やホテル業界、レンタカー業界など、時期によって需要の変動が大きいにもかかわらず、在庫を繰り越せないビジネスにとってはメリットが大きいといえるでしょう。

デメリット

一方、ダイナミックプライシングの最大のデメリットが「顧客離れ」のリスクです。

ダイナミックプライシングにおいては、同じ商品・サービスであっても購入するタイミングや利用するタイミング等によって価格が変動します。「価値は変わらないのに価格だけが上がったり下がったりする」ということが往々にして起こるため、消費者から価格に対して不信感を持たれやすくなります。

また、需要が高まっているときに高い価格で購入(利用)した顧客は「価格に見合わない」と判断し、離れていってしまうリスクもあります。

ダイナミックプライシングを導入する際は、顧客離れのリスクを十分に理解した上で、できるだけ顧客に不信感を抱かせない見せ方を検討したり、場合によっては価格に上限を設けたりすることも必要になってきます。

ダイナミックプライシングの導入事例

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最後に、ダイナミックプライシングはどのような業界でどのように活用されているのか、具体的な導入事例をみてみましょう。

航空業界

航空業界は、すでに数十年にわたってダイナミックプライシングが活用されている業界です。

いち早くダイナミックプライシングを取り入れたアメリカン航空は、1985年に「動的在庫最適化メンテナンスオプティマイザー」と呼ばれる新システムを導入しました。これによって、いたずらに空席の運賃を下げるのではなく、空席率が一定を超えた便にのみ割引価格を適用するようにしたことで、翌年の売上高が14.5%増加。利益も50%近くアップしました。

今では各航空会社が当たり前のようにダイナミックプライシングを採用していて、シーズンや曜日、時間、予約のタイミングによって航空券価格が変動するのが一般的になっています。

ホテル

ホテル業界でもダイナミックプライシングが広く普及しており、需要予測に基づいたダイナミックプライシングや、予約状況に基づいたダイナミックプライシングが行われています。

「大型連休中は価格を上げる」というのはわかりやすい例ですが、「想定より予約が埋まっていないときは価格を下げる」など、そのときどきの予約状況に応じた価格変更も行われています。

インド北部の都市パトナにある中規模ホテル「Hotel Windsor」では、需要に応じた柔軟な価格設定の重要性は理解していたものの、手作業で価格を変更していたため、変更の頻度は週1回程度にとどまっていました。また、ブランドイメージを考慮して大幅な値下げを行っていなかったため、周辺の格安ホテルとの価格競争に負けてしまっていました。

2018年にaiosellという企業のダイナミックプライシングシステムを導入したところ、季節や曜日、予約のタイミングなど、さまざまな要素に基づいて、柔軟な価格変更が自動で行えるように。

一方で、ブランドイメージを棄損するような過剰な値下げは避け、売れないと判断した客室だけを直前に値下げすることで、稼働率向上を実現しました。

まとめ

ダイナミックプライシングにおいては、データ収集・分析、需要予測を経て、そのときどきの最適価格を導き出す必要があります。さまざまな要素を考慮しなければならないダイナミックプライシングのアルゴリズムは複雑で、このプロセスを初心者が自力で行うのは極めて困難です。

ノウハウが不十分な状態で導入を考えているなら、ダイナミックプライシングを自動化できるツールなどを活用したほうが、効果的なダイナミックプライシングが行えるでしょう。

■記事作成:メトロエンジン株式会社

2016年創業。ダイナミックプライシングを活用したSaaSシステムのパイオニアとして躍進。ビックデータから人工知能・機械学習を活用し、客室単価の設定を行うダイナミックプライシングツールをホテルなど宿泊事業者に提供。また、レンタカー業界や高速バス業界など幅広い業界のDX支援事業も展開している。

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■引用:メトロエンジンコラム

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