「GoTo」事業の地域共通クーポンを不正に取得する事例が、SMS認証導入後も相次いでいる。
政府主導の観光需要喚起策「Go To トラベル」事業の一環である地域共通クーポンは、旅行代金の15%分を地域で使えるクーポンとして発行するというもので、10月から全国で取扱いが始まった。しかし当初から、予約をして電子クーポンのみを取得し、宿泊を無断キャンセルする事例が全国で発生した。
11月29日には、神奈川県で54万円分の電子クーポンを不正取得したとして、30歳の男が電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕されている。逮捕された相田容疑者は電子クーポンを取得するため、4か所のホテルに1週間以上の長期の予約をいれたが宿泊当日に訪れなかった。無断キャンセルによる被害総額は500万円にのぼるという。
観光庁は不正取得の防止策として、11月25日よりSMS(ショートメッセージサービス)を用いた本人確認を導入した。
SNS認証は、電子クーポンを取得する際、登録した携帯電話番号に届く4桁の暗証番号を入力するというもの。しかし、SMS認証の開始後も関西の宿泊施設などで電子クーポンが不正に取得される事案が報告されている。この事態を受け、これまで電子クーポンのみを取り扱っていた旅行予約サイトも紙クーポンへの切り替えを検討しているとのこと。