北海道は政府からの検討要請を踏まえ、政府の観光需要喚起事業「Go To トラベル」の対象から札幌市を一時除外する方針を固めた。
札幌市は北海道の新規感染者数の大半を占める
北海道は新型コロナウイルス感染症の新規感染者拡大を受け、札幌市と協議。「Go To トラベル」事業の対象から、札幌市を中心に一時的に除外する方針となった。細かい対象地域は調整が続いているとのこと。
北海道の鈴木知事は16日にGo To トラベルの継続の方針を示していたが、感染拡大と政府からの検討要請を受け、今回の札幌除外の判断となった。除外の時期は国との協議後となるが、早ければ今月中にも新規のGo To トラベル受付を停止するとのこと。
北海道では連日200人を超える新規感染者が出ている。そのうち札幌市の新規感染者は19日に過去最高の197人、14日連続で100人を超えるなど、北海道内の新規感染者の大部分を占めており、17日に札幌市を道が独自に定める警戒ステージ「4相当」に引き上げていた。新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長は「札幌地域はステージ3に入っているんじゃないかと判断している」と述べていた。
政府は新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言を受け、感染拡大地域を目的地とする旅行に対するGo To トラベル一時停止など、Go To トラベル事業の運用見直しを表明。一時停止となった地域への旅行取りやめにかかるキャンセル料の取り扱いなど、数日中に具体的方針を示す見通しとなっている。
一時停止となる地域の決定について、西村経済再生担当大臣は「都道府県知事が域内の感染や病床の状況をいちばん分かっており、まずは知事にしっかり判断していただきたいと考えており、状況をヒアリングしながら連携して対応したい」と述べており、政府ではなく知事の判断となる見込み。福岡県の小川知事や京都府の西脇知事は、新規感染者数や病床稼働率から、それぞれ感染拡大地域に該当しない判断しており、現時点で一時停止などの制限は行わない方針を示している。
また今回は札幌市が一時除外となる見込みのため、今後の除外対象が都道府県単位ではなく、都市や地域が対象となる可能性がある。11月23日に行われた全国知事会で茨城県の大井川和彦知事が「県内でも地域によって様相は異なっている」と指摘しており、より地域を絞った対策が行われることが考えられる。