トップ > 投資・開発 > ニセコの冬は貸別荘1棟10.3万円・ホテル1室12.6万円 — 温泉付きヴィラの単価上限と伸びしろのある温泉地

ニセコの冬は貸別荘1棟10.3万円・ホテル1室12.6万円 — 温泉付きヴィラの単価上限と伸びしろのある温泉地

投稿日 : 2026.10.18

北海道

長野県

群馬県

大分県

静岡県

沖縄県

投資・開発

ニセコの冬は貸別荘1棟10.3万円・ホテル1室12.6万円 — 温泉付きヴィラの単価上限と伸びしろのある温泉地

ニセコの冬は、同じ山の同じ雪を売りながら、商品の形によって1泊の値段が大きく違う。2026年1月の倶知安町では、リゾートホテルの掲載価格が1室12.6万円(N=10施設)、貸別荘が1棟10.3万円(N=7施設)、コテージが1棟6.5万円(N=4施設)と並び、3つの商品形態の間には2倍近い開きがあった。この開きは「どこまで高く売れるか」という価格上限の話であり、客室の数を数える供給分析でも、1棟の建設費を積み上げるCapex分析でもない。本稿は、ホテル客室・貸別荘・温泉付きヴィラという商品形態ごとに実勢単価の上限がどこまで開くかを、ニセコ圏の冬季データを起点に読み解く。

読者として想定するのは、リゾート開発を検討する事業会社やファンド、既存の旅館に離れやヴィラの増設を考えるオーナー、そして地域金融機関で事業性評価を担う担当者である。既刊で扱った新規供給の全体像(2026年新規開業の主役は「1棟貸し・貸別荘」)や温泉のランニングコスト(湯を買う宿の年コストは1室0.8万〜19万円)は、本稿では前提として扱い、焦点を「商品形態別の単価上限」に絞る。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。本稿では「推定成約ADR」と表記し、対象はビジネス・シティ・リゾート・旅館・カプセルの検証済み業態に限られます。貸別荘・コテージには推定成約ADRが存在しないため、掲載価格のみで扱います。
  • 掲載価格:OTA上で公開されている全プランの平均値(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)。貸別荘・コテージは1棟(1リスティング)を1室として集計しており、本稿で「1棟あたり」と書く値はこの掲載価格です。成約価格ではなく、売れ残った高価格帯プランを含むため実勢より高めに出る傾向があります。
  • N(施設数):各集計の対象施設数。N≤2の市町村・業態の値は外れ値になりやすいため「参考値」と注記しています。2026年12月以降の値は調査時点(2026年10月上旬)の掲載スナップショットに基づく推定で、今後変動します。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(メトロエンジンリサーチがOTA上で稼働を確認している約27,000施設・約126万室が対象。OTA未掲載の施設は含まれません)
Key Takeaways
  • — 1室12.6万円と1棟10.3万円:2026年1月の倶知安町はリゾートホテル(N=10)が貸別荘(N=7)を上回る。ただし冬の貸別荘は国内OTAに残った少数棟の掲載価格で、市場全体の上限ではない。
  • — 分布の上端では1棟がホテル客室を超える:2026年2月の倶知安町は、貸別荘の最高値39.9万円(N=13)がリゾートホテルの32.5万円(N=10)を上回る。4寝室で割った1室換算は2.9万円にとどまる。
  • — 雪山は3倍、温泉地は0.7〜1.4倍:2026年12月の貸別荘÷リゾートホテルの掲載価格倍率は、白馬村3.02・ニセコ町3.20に対し、由布市0.69・熱海市1.04・草津町1.37。
  • — 温泉のコストは決定要因ではない:引湯は1棟あたり年52万円前後、掘削を10棟で分担しても710万〜1,300万円。1室換算の投資額は2,300万〜3,900万円で、ホテル客室と同じ桁に収まる。
  • — 必要単価は年間平均で1棟9万〜12万円:1棟1.0億円・NOI利回り6%・稼働40%を置いた簡易試算。成約が掲載の5〜7割なら冬だけでは届かず、春秋の単価を温泉で支えられるかが分かれ目になる。

商品形態の定義 — 何を1単位として売るかで、単価の天井が変わる

最初に、本稿で比較する商品形態を整理しておきたい。宿泊商品は「何を1単位として売るか」によって価格の決まり方が変わるからである。ホテル客室は1室を2名に売る商品であり、単価の上限は客室の広さと眺望、ブランド、そしてエリアの需要で決まる。離れは旅館の敷地内に建つ独立棟で、本館の食事や大浴場を共有しながら1棟を1組に売る。貸別荘は台所と複数の寝室を備えた戸建てを1棟単位で1組(多くは4〜8名)に売る商品で、1棟の価格が高く見えても、1室に割り戻すとホテル客室より安いことが多い。ブランデッドヴィラは、ホテルブランドの運営チームがサービスを提供する戸建て型で、所有者向けの分譲(ブランデッドレジデンス)として企画されることも、賃貸運用の在庫として企画されることもある。

ここに温泉を引くかどうかという軸が重なる。温泉付きの戸建て型は、冬のスキー需要だけに頼らず、春秋の滞在にも単価の根拠を持てる点で、温泉のない貸別荘とは別の商品になる。表1に、本稿で用いる区分と、メトロエンジンリサーチ&コンサルティングのデータ上でどの業態区分に対応するかをまとめた。

表1:商品形態の整理
商品形態販売単位温泉の有無典型的な収容本稿のデータ上の区分
ホテル客室1室・2名基準大浴場型が中心、客室露天は一部2〜3名リゾートホテル/デラックスホテル/旅館(推定成約ADRあり)
離れ1棟・1組本館の源泉を引くことが多い2〜4名旅館の一部として集計(単独区分なし)
貸別荘(1棟貸し)1棟・1組原則なし(温泉付きは少数)4〜8名貸別荘(掲載価格のみ)
コテージ1棟・1組原則なし2〜6名コテージ(掲載価格のみ)
温泉付きブランデッドヴィラ1棟・1組(分譲型は所有者利用)各棟に引湯6〜12名国内の掲載実績が薄く、本稿では試算で扱う

表1:商品形態の整理/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング

ニセコ圏の冬 — 倶知安町のホテル客室は1室12.6万円、貸別荘は1棟10.3万円

まずは実績が確定している2026年1月の値から入る。倶知安町では、リゾートホテルの掲載価格が1室12.6万円(N=10)、貸別荘が1棟10.3万円(N=7)、コテージが1棟6.5万円(N=4)、ビジネスホテルが1室2.8万円(N=5)だった。全業態をまとめた倶知安町の掲載価格は7.8万円(N=42)で、推定成約ADRは6.2万円(N=20)である。ニセコ町はリゾートホテル7.9万円(N=7)、旅館6.2万円(N=4)、ペンション5.5万円(N=3)と倶知安町より一段低く、全業態の推定成約ADRは4.2万円(N=10)にとどまる。留寿都村は全業態の掲載価格が15.4万円、推定成約ADRが6.8万円と高いものの、推定成約の対象がN=2施設であるため参考値として扱う必要がある。

ここで注意したいのは、冬の貸別荘のNが極端に小さいことである。倶知安町の貸別荘は2026年8月に70施設、10月に75施設が掲載されていたのに対し、1月は7施設、2月は9施設しか価格を観測できていない。冬のニセコでは貸別荘の在庫が早期に埋まるか、国内OTA以外の経路で販売されるため、国内OTAに残っている棟の価格だけを見ている状態だといえる。したがって冬の貸別荘1棟10.3万円は「残っていた棟の掲載価格」であり、ヴィラ市場全体の上限を示す値ではない。むしろ上限は、この掲載から外れた棟の側にあると考えるのが自然だろう。

表2:ニセコ圏3市町村の業態別 掲載価格と推定成約ADR
市町村業態2026年1月 掲載価格(実績)N2027年1月 掲載価格(掲載中)N推定成約ADR 2026年1月N
倶知安町リゾートホテル¥125,75610¥148,42611¥86,61211
倶知安町貸別荘(1棟)¥103,2277¥107,7137——
倶知安町コテージ(1棟)¥64,7274—<3——
倶知安町ビジネスホテル¥28,4995¥28,0715——
倶知安町全業態¥78,36642¥88,36240¥61,57420
ニセコ町リゾートホテル¥78,8407¥79,9746¥50,0226
ニセコ町旅館¥62,3074¥63,0584¥39,6964
ニセコ町貸別荘(1棟)—<3¥321,3294——
ニセコ町全業態¥69,54419¥115,10830¥42,30610
留寿都村貸別荘(1棟)¥148,012(2月)3¥261,8966——
留寿都村全業態(参考値)¥154,2596¥246,00813¥67,9742

表2:ニセコ圏3市町村の業態別 掲載価格と推定成約ADR(2名1室・税込、掲載価格は全プラン平均、推定成約ADRは税抜相当)。2027年1月は2026年10月上旬時点の掲載スナップショット。N<3の区分は非表示/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング

図1:倶知安町・ニセコ町の業態別 掲載価格(2026年1月実績、1室または1棟あたり・2名基準・税込)。棒の上の数字はN/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング

2027年1月の掲載スナップショットでは、倶知安町のリゾートホテルが1室14.8万円(N=11)、貸別荘が1棟10.8万円(N=7)、ニセコ町の貸別荘が1棟32.1万円(N=4)、留寿都村の貸別荘が1棟26.2万円(N=6)と出ている。ニセコ町と留寿都村の貸別荘は、大人数向けの大型棟が残っている影響で1棟単価が跳ね上がっており、Nの小ささも含めて上限の目安として読むのが妥当である。調査時点から3ヶ月以上先の掲載であるため、今後の価格調整で下がる可能性も織り込んでおきたい。

図2:ニセコ圏(倶知安町・ニセコ町・留寿都村ほか半径22km圏)の業態別施設分布。円の大きさは客室数(貸別荘・コテージは1棟=1室)、濃い青=リゾートホテル・旅館・デラックスホテル、薄い青=貸別荘・コテージ。N=541施設/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング

1棟と1室、2つの軸で見た段差 — 1棟10万円は、1室に割ると2.6万〜3.4万円

貸別荘の1棟10.3万円とホテル客室の1室12.6万円は、同じ「1泊の値段」でも単位が違う。貸別荘の掲載価格は2名利用を基準に集計しているが、実際には4〜8名で使われる商品で、1棟に3〜5の寝室を持つことが多い。1棟10.3万円を寝室数で割り戻すと、3寝室なら1室3.4万円、4寝室なら2.6万円、5寝室なら2.1万円になる。つまり1室の軸で見れば、貸別荘はリゾートホテルの5分の1から4分の1の水準で売られていることになる。

一方で、1棟の軸で見た上限は決して低くない。個別施設の月次掲載価格を並べると、2026年2月の倶知安町の貸別荘(N=13)は下位25%が7.0万円、中央値11.6万円、上位25%が21.6万円、最高値は39.9万円に達する。リゾートホテル(N=10)は下位25%が12.2万円、中央値17.8万円、上位25%が23.7万円、最高値32.5万円である。中央値ではホテル客室が上回るが、分布の上端では1棟貸しがホテル客室を超えている。これが「1棟で売る」商品形態の価格上限の正体で、大人数を1組として受け入れることで、1室では到達できない単価に1棟として届く構造である。

表3:倶知安町の施設別 月次掲載価格の分布(2026年2月)
区分(倶知安町・2026年2月)N下位25%中央値上位25%最高値1室換算(4寝室)
貸別荘(1棟あたり掲載価格)13¥69,668¥115,830¥216,447¥399,830¥29,000(中央値÷4)
リゾートホテル(1室あたり掲載価格)10¥122,066¥177,536¥236,944¥325,227—
リゾートホテル(1室あたり推定成約ADR)10¥59,726¥77,099¥114,817¥172,987—

表3:倶知安町の施設別 月次掲載価格の分布(2026年2月、2名1室・税込)。推定成約ADRはリゾートホテルのみ算出可能/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング

もう一つ押さえておきたいのが、掲載価格と推定成約ADRの差である。倶知安町のリゾートホテルは、2026年1月の掲載価格12.6万円に対して推定成約ADRは8.7万円、2月は14.0万円に対して7.1万円で、成約水準は掲載の5〜7割にとどまる。貸別荘には推定成約ADRがないため同じ割引を機械的には当てはめられないが、1棟10万円という掲載価格をそのまま事業計画の単価に置くのは楽観的であり、ホテル客室と同程度の掲載・成約差を見込むのが保守的な置き方といえる。雪国の冬季に掲載と推定成約がどの程度開くかは、雪国の冬ホテル単価、推定成約は掲載の約4〜5割 — 北海道だけ2月に上がる5道県比較2026-27で5道県を横断して検証している。

図3:倶知安町の貸別荘(1棟)とリゾートホテル(1室)の月次掲載価格、2026年1〜12月(10〜12月は掲載中の推定)。貸別荘のNは夏70施設・冬7施設と大きく振れる/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング

図3は、倶知安町の貸別荘とリゾートホテルの掲載価格を月別に重ねたものである。リゾートホテルは1〜2月に12.6万〜14.0万円、夏は5.2万〜5.9万円と、冬が夏の2.4倍という鋭い季節性を持つ。貸別荘は冬10.3万円に対して夏は12.2万円(8月、N=70)と、むしろ夏の方が高く見える。ただしこれは、冬に国内OTAへ残る棟が少数の中小規模棟に偏り、夏には大型棟を含む70棟超が掲載される構成差によるもので、同じ棟の価格が夏に上がっているわけではない。戸建て型の価格上限を見るときは、棟の規模とNを揃えて読む必要がある。

道県横断で見る「戸建て型がホテル客室の上に出るか」 — 雪山では出る、温泉地と海では並ぶ

それでは、戸建て型がホテル客室の上に出る現象はニセコ固有のものだろうか。2026年12月の掲載価格で、貸別荘(1棟)をリゾートホテル(1室)で割った倍率を主要リゾート地で並べると、答えは明快である。白馬村は貸別荘24.4万円(N=35)に対してリゾートホテル8.1万円(N=19)で3.0倍、ニセコ町は21.5万円(N=7)に対して6.7万円(N=6)で3.2倍、北海道全体でも貸別荘7.6万円(N=317)対リゾートホテル4.7万円(N=129)で1.6倍と、雪山のリゾートでは戸建て型が明確に上に出る。

対照的に、温泉地と海のリゾートでは戸建て型とホテル客室がほぼ並ぶ。熱海市は貸別荘6.9万円(N=77)対リゾートホテル6.6万円(N=30)で1.04倍、恩納村は4.5万円(N=79)対4.6万円(N=39)で0.96倍、富士河口湖町は6.0万円(N=146)対6.5万円(N=24)で0.92倍、由布市にいたっては貸別荘5.5万円(N=95)に対してリゾートホテル7.9万円(N=11)で0.69倍と、戸建て型の方が下にいる。草津町は貸別荘7.1万円(N=13)対リゾートホテル5.2万円(N=8)で1.37倍と中間にある。

表4:貸別荘とリゾートホテルの掲載価格と倍率(2026年12月)
エリア貸別荘(1棟)Nリゾートホテル(1室)N倍率エリアの性格
ニセコ町¥214,7417¥67,12263.20雪山・インバウンド
白馬村¥243,75335¥80,593193.02雪山・インバウンド
北海道(道全体)¥76,479317¥47,3241291.62—
草津町¥71,17713¥51,93581.37温泉地
軽井沢町¥90,68342¥71,369351.27高原・別荘地
山中湖村¥65,30534¥52,14671.25高原・別荘地
沖縄県(県全体)¥39,687663¥34,9422831.14—
熱海市¥69,18877¥66,342301.04温泉地
恩納村¥44,75879¥46,452390.96海・リゾート
伊東市¥51,609128¥54,432470.95温泉地
富士河口湖町¥60,086146¥65,194240.92湖畔・観光地
由布市¥54,81295¥78,956110.69温泉地

表4:2026年12月の掲載価格(2名1室・税込、全プラン平均、2026年10月上旬時点の掲載スナップショット)。貸別荘は1棟=1室として集計/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング

図4:貸別荘(1棟)÷リゾートホテル(1室)の掲載価格倍率、2026年12月。1.0が同水準/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング

この分布から読み取れるのは、戸建て型の単価上限を押し上げている要因が「雪」と「大人数での長期滞在」の組み合わせだという点である。スキー客は家族や仲間で1週間単位で滞在し、スキーイン・スキーアウトの立地に1棟を求める。ここでは1棟の価格が人数と日数で正当化される。温泉地や海のリゾートでは、宿泊の単位が2名1室の旅館・ホテル型に長く最適化されてきたため、戸建て型はまだ「安く広く泊まれる選択肢」の位置に置かれている。言い換えれば、由布院や熱海で温泉付きの戸建て型がリゾートホテルの上に出る価格帯は、現時点で空いている。

温泉を引く場合のランニングと、1棟あたり客室換算の投資額

では、戸建て型に温泉を引くと何が変わるのか。費用の側から確認する。熱海市営温泉の営業用甲種は基本料金が月43,378円(基本湯量80立方メートル・税込)で、年額にすると52.1万円である。1棟に内湯と露天を備えて浴槽容量を合計2立方メートルとし、毎日完全換水する前提なら月60立方メートルで基本湯量の範囲に収まるため、1棟あたりの引湯費は年52万円前後が目安になる。10棟で1契約にまとめた場合は月600立方メートルとなり、超過料金を含めて年約492万円、1棟あたり49万円と大差ない。稼働40%で年146泊とすれば1棟1泊あたり3,400〜3,600円で、1棟10万円の単価に対して3〜4%の原価率である。料金体系は自治体や温泉組合によって異なるため、熱海の水準をそのまま他地域に当てはめることはできないが、桁感としては掘削よりはるかに軽い。詳細は既刊「湯を買う宿の年コスト」と「掘る・引く・買うコスト比較」に譲る。

自前で掘る場合は、深度1,000メートル級で7,100万〜1.3億円という初期投資が目安になる(温泉掘削の費用と回収年数)。10棟のヴィラで分担すれば1棟あたり710万〜1,300万円、20年で均せば年36万〜65万円で、引湯の年52万円と同じ桁に収まる。つまり温泉の有無は、建設費本体に比べれば1棟あたり数百万円から1,000万円強の追加であり、投資判断を左右するのは温泉のコストではなく、温泉が冬以外の単価と稼働をどれだけ支えるかの側にある。

表5:温泉付きヴィラ1棟の投資額の目安
項目木造 1棟(200㎡・60.5坪)S造 1棟(200㎡・60.5坪)ホテル客室(比較)前提・出典
建設費(本体)約8,400万円約1億4,600万円2,430万〜3,040万円/室国土交通省「建築着工統計調査」に基づくarchi-book集計(2025年・ホテル又は旅館)の坪単価:木造138.2万円、S造240.5万円、RC造202.6万円。ホテル客室は延床12〜15坪/室で換算
温泉(引湯)年額約52万円約52万円0.8万〜19万円/室熱海市 温泉料金(営業用甲種)。ホテル客室は既刊の試算レンジ
温泉(掘削)1棟あたり710万〜1,300万円710万〜1,300万円—深度1,000m 7,100万〜1.3億円を10棟で分担
1室換算の投資額(4寝室)約2,300万円/室約3,900万円/室2,430万〜3,040万円/室建設費本体+掘削分担1,000万円を4寝室で除した概算。土地・外構・家具は含まない

表5:温泉付きヴィラ1棟の投資額の目安(土地・外構・家具・設計監理を含まない簡易試算)/出典:archi-book(国土交通省「建築着工統計調査」に基づく2025年集計)、熱海市「温泉料金」、既刊「温泉掘削の費用と回収年数」の編集部試算よりメトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成

表5が示すように、温泉付きヴィラを1室に換算した投資額は2,300万〜3,900万円で、ホテル客室の2,430万〜3,040万円と同じ桁に収まる。差が出るのは投資額ではなく、売り方の側である。1棟1.0億円(木造本体+温泉分担+外構の概算)に対してNOI利回り(純営業収益÷投資額)6%を求めるなら年600万円のNOIが必要で、GOP率(営業総利益÷売上)35〜45%なら売上1,330万〜1,710万円、稼働40%(年146泊)なら1棟1泊あたり9.1万〜11.7万円、稼働50%(年183泊)なら7.3万〜9.4万円が年間平均で必要になる。倶知安町の貸別荘の掲載価格が冬10.3万円、夏12.2万円であることを思い出せば、この水準は掲載ベースでは届いているが、成約ベースで掲載の5〜7割に落ちるとすれば、冬のピークだけで年間平均を支えるのは難しい。温泉が意味を持つのはここで、春と秋の単価を温泉の根拠で2〜3割引き上げられれば、年間平均が必要単価に乗る。これは簡易試算であり、実際の投資判断には詳細なフィージビリティ・スタディが必要である。

稼働とGOP率を動かした必要単価 — 感度表と3シナリオ

上の試算は稼働40〜50%、GOP率35〜45%という幅で置いた。この2つの前提を1段ずつ動かしたとき、NOI利回り6%を満たす年間平均単価がどこまで変わるかを表5-2にまとめた。NOIは売上×GOP率で近似しており、固定資産税・保険料・修繕積立は控除していない。

温泉付きヴィラ1棟の必要単価の感度表(稼働×GOP率)
稼働 \ GOP率30%35%40%45%50%
稼働30%(年110泊)18.2万円15.6万円13.6万円12.1万円10.9万円
稼働40%(年146泊)13.7万円11.7万円10.3万円9.1万円8.2万円
稼働50%(年183泊)10.9万円9.4万円8.2万円7.3万円6.6万円
稼働60%(年219泊)9.1万円7.8万円6.8万円6.1万円5.5万円
稼働70%(年256泊)7.8万円6.7万円5.9万円5.2万円4.7万円

表5-2:1棟1.0億円に対しNOI利回り6%(年600万円)を満たす年間平均の1棟1泊単価(簡易試算)。NOIは売上×GOP率で近似。色付きは表5-3の楽観シナリオの成約単価(8.5万円)以下で届くセル/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成

必要単価は、稼働30%・GOP率30%の18.2万円から、稼働70%・GOP率50%の4.7万円まで約4倍の幅で動く。稼働40%・GOP率40%の地点では、どちらを10ポイント上げても必要単価は10.3万円から8.2万円へ約2割下がる。単価だけで解こうとせず、稼働日数と運営効率の両方で必要単価を下げる設計が効くことが分かる。

次に、単価の側を3つのシナリオで置いてみる。倶知安町の貸別荘の掲載価格(冬10.3万円〜夏12.2万円)に、同町のリゾートホテルで観測された掲載・成約差(5〜7割)を当てはめると、年間平均の成約単価は5.2万〜8.5万円のレンジになる。

温泉付きヴィラ1棟の3シナリオ別NOI利回り
シナリオ年間平均の成約単価(前提)単価の置き方稼働(前提)GOP率年間売上NOINOI利回り
悲観5.2万円冬の掲載価格10.3万円×成約5割40%(年146泊)35%約760万円約270万円2.7%
中位6.8万円冬夏平均の掲載価格11.25万円×成約6割45%(年164泊)40%約1,120万円約450万円4.5%
楽観8.5万円夏の掲載価格12.2万円×成約7割50%(年183泊)45%約1,560万円約700万円7.0%

表5-3:温泉付きヴィラ1棟(投資額1.0億円)の3シナリオ(簡易試算)。成約単価は倶知安町の貸別荘の掲載価格に、同町リゾートホテルで観測された掲載・成約差(5〜7割)を当てはめた前提値で、実績ではない/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成

中位シナリオのNOI利回りは4.5%で、6%との差を年間平均単価に直すと約2.3万円(6.8万円から9.1万円へ)になる。楽観シナリオでは7.0%に届く。この2.3万円を、冬以外の月の単価と稼働でどこまで埋められるかが、戸建て型に温泉を引く意味である。

ニセコ圏のパイプライン — ブランデッドヴィラは分譲型として動き始めた

ニセコ圏で温泉付きの戸建て型が実際にどう企画されているかは、2026年9月1日にハイアット ホテルズ アンド リゾーツとパシフィック センチュリー プレミアム ディベロップメンツ(PCPD)が共同発表した「ONE HANAZONO VILLAS」が示している。両社のプレスリリースによれば、日本初の「パーク ハイアット」ブランドのヴィラとして全13棟の独立邸宅を北海道ニセコ地区に開発し、各棟は約700〜1,000平方メートル、4〜6室の寝室を備え、全棟に温泉を完備する。2棟のモデルヴィラは2026年冬に完成予定で、運営は2020年1月に開業した「パーク ハイアット ニセコ HANAZONO」(100室)のチームが担う。同プロジェクトは所有者向けの分譲型(レジデンス)として発表されており、賃貸在庫としての価格は公表されていないため、本稿の掲載価格の比較対象には含めていない。なお、このヴィラ計画は日本ハイアット株式会社「報道資料 2026年4月」には収録されておらず、2026年9月の発表資料に基づく情報である。

分譲型が先行する理由は、前節の試算からも読める。1棟1億円超の投資を賃貸運用だけで回収するには年間平均で1棟9万〜12万円の単価が要るが、分譲なら建設費を開業前に回収し、所有者の利用しない期間を運営チームが賃貸に回す形で単価の上限を探ることができる。ニセコ圏で当社が確認できる計画案件は、表6のとおりホテル型が中心で、戸建て型の計画は建築確認の統計には小規模すぎて現れにくい(ホテル型の高価格帯供給の現状と空白はニセコの高価格帯は2施設75室のみ — フェアモント165室が狙う空白と供給構造を参照)。

表6:ニセコ圏の計画案件
計画名(仮称を含む)所在客室数完成予定形態
北海道ニセコ SIX SENSES倶知安町1002026年10月ホテル(5階・延床15,000㎡)
ホテル101ニセコ倶知安町4822026年12月〜2027年9月ホテル(6階・延床20,000㎡)
ホテルニセコアルペン跡地 コンドミニアムホテル計画倶知安町100〜1222027年12月コンドミニアム(7階・延床26,350㎡)
フェアモントニセコニセコ圏1652028年4月ホテル
星のやヒュッテ/ロッジ ニセコ(仮称)ニセコ圏622028年12月〜2029年2月ホテル(5階・延床14,700〜14,870㎡)
未定(2階建・延床10,000㎡)ニセコ圏302029年6月低層・1室あたり延床333㎡の大型区画
アルクザカストリート アマリ ニセコ(仮称)ニセコ圏126未定ホテル(5階・敷地30,000㎡)
ルスツリゾート 外資系ホテル建設計画 ①〜③留寿都村300/300/120未定ホテル

表6:ニセコ圏の計画案件(完成予定が2026年10月以降または未定のもの。同一敷地の重複登録は延床・階数・竣工で名寄せ)※調査時点での確認申請ベース。今後の申請追加で件数は増加する見込みであり、現時点での確定パイプラインの下限値として参照/出典:国土交通省「建築物動態統計調査」よりメトロエンジンリサーチ&コンサルティング作成

表6で注目したいのは、2029年6月完成予定の「30室・2階建・延床10,000㎡」という区画である。1室あたり延床333平方メートルは、ホテル客室の40〜50平方メートルとは桁が違い、戸建て型または大型スイート型の企画であることをうかがわせる。計画名が未定のため断定はできないが、ニセコ圏の新規供給がホテル客室の積み上げから、1区画あたりの面積を広く取る商品形態へ広がりつつある兆しとして読める。

戸建て型は新規供給の主役になっている — 2026年開業1,717軒のうち貸別荘828軒

戸建て型が価格上限の議論に値するのは、それが例外的な商品ではなく、すでに新規供給の主役だからである。メトロエンジンリサーチ&コンサルティングがOTA掲載確認ベースで把握する2026年開業施設は1,717軒、平均客室数は24室で、業態別では貸別荘が828軒と全体の48.2%を占める。ビジネスホテル210軒、ホステル125軒、リゾートホテル100軒、ゲストハウス91軒、コテージ79軒がこれに続き、貸別荘とコテージを合わせた戸建て型は907軒、52.8%になる。都道府県別では北海道が167軒で最も多く、東京都103軒、沖縄県96軒、静岡県95軒、京都府94軒、長野県74軒と続く。

図5:2026年開業施設の業態別件数(OTA掲載確認ベース、N=1,717施設、2026年10月上旬時点)。OTA掲載は開業の数ヶ月前から出るため、直近以降の月は今後の掲載で増加する可能性あり/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース、N=1,717施設)

ただし、この数字は軒数であって客室数ではない。貸別荘828軒の多くは1棟1リスティングで、客室数に直せばリゾートホテル100軒の方が大きい。それでも「1棟をどの価格で売るか」という意思決定を迫られる事業者が、2026年だけで800を超えて生まれているという事実は重い。戸建て型の単価上限は、少数のラグジュアリー案件の話ではなく、全国の小規模事業者の収益を左右する共通のテーマになっている。

同じ形態が成立しうるエリア — 高単価帯の厚みがあり、戸建て型がまだ上に出ていない温泉地

温泉付きヴィラという商品形態が成立する条件は、二つに分解できる。一つは、エリアにすでに高単価帯の厚みがあること。もう一つは、その高単価帯に戸建て型がまだ到達していないことである。前者がなければ単価の根拠がなく、後者がなければ空白がない。表4の倍率と、リゾートホテルの推定成約ADRの水準を重ねると、候補エリアが浮かび上がる。

表7:候補エリアの高単価帯の厚みと戸建て型の位置
エリアリゾートホテル 推定成約ADR(2026年12月)N貸別荘÷リゾートホテル(掲載)温泉読み方
由布市(由布院)¥35,100110.69あり旅館110軒が5.9万円の厚みを作る一方、貸別荘95軒は5.5万円。温泉付き戸建てが旅館の上に出る余地
草津町¥21,98481.37あり旅館52軒・4.7万円の層が厚く、貸別荘13軒はすでに上に出始めている
熱海市¥27,067291.04あり(市営引湯あり)デラックスホテル5軒が21.4万円の上限を作る。貸別荘77軒は6.9万円でホテルと並走
白馬村¥39,329193.02一部戸建て型がすでに3倍で上に出ている。温泉は冬以外の単価を支える要素
恩納村¥16,687390.96なしリゾートホテル39軒の層は厚いが単価は中位。戸建て型の単価根拠は海とプールの側
倶知安町¥32,290120.94一部冬のNが薄く倍率は参考値。2027年1月(掲載中)は推定成約でも6.9万円(N=9)と全国最上位の厚み

表7:候補エリアの高単価帯の厚みと戸建て型の位置(推定成約ADRは2026年12月の掲載スナップショットに基づく推定、倍率は表4)/出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング

由布市は、旅館110軒が掲載価格5.9万円、リゾートホテル11軒が7.9万円という厚い高単価帯を持ちながら、貸別荘95軒は5.5万円で旅館の下にいる。温泉地としての単価の根拠は十分にあり、温泉付きの戸建て型がその上に出る空白が最も大きいエリアといえる。草津町は旅館52軒の4.7万円の層の上に貸別荘13軒が7.1万円で出始めており、温泉を引いた戸建て型の成立をすでに示している。熱海市は市営温泉の引湯という制度的な入口があり、デラックスホテル5軒が21.4万円という上限を作っているため、1棟型が目指す天井が目に見える。白馬村は戸建て型がすでに3倍で上に出ており、温泉は冬以外の月の単価を支える役割を担う。いずれのエリアも、本稿の数字は「成長余地」を示すものであって、個別施設の価格設定を評価するものではない。

運用面で1棟型が持つ余地 — 清掃動線・チェックイン・運営受託

価格上限の議論は、運用コストの側と対で考える必要がある。1棟型はホテル客室に比べて1組あたりの売上が大きい一方、清掃は棟ごとに移動を伴い、チェックインは分散し、設備の点検は棟数分だけ発生する。ここに三つの余地がある。第一に清掃動線で、10棟を1つのクラブハウスやバックヤードから放射状に配置すれば、清掃スタッフの移動時間を抑えられる。ONE HANAZONO VILLASが所有者専用のクラブハウスを中核に置く設計は、運営動線の面でも合理的である。第二にチェックインで、スマートロックと事前のオンライン手続きを組み合わせれば、分散した棟でも現地対応を集約できる。第三に運営受託で、既存のホテルやリゾートの運営チームが近隣の戸建て型を受託する形は、ニセコ圏ではすでに一般的であり、温泉地でも旅館が離れやヴィラを増設する際の自然な拡張になる。

既存の旅館が離れやヴィラを増設する場合、本館の源泉を引けるなら温泉の追加コストは配管と浴槽に限られ、表5の掘削分担はかからない。本館の大浴場と食事を共有しながら、1棟を1組に売る商品を本館の上の価格帯に置けるため、旅館にとっては単価の天井を本館の客室より高いところに新しく作る手段になる。由布市や草津町の旅館の層の厚さは、この増設型の温泉付きヴィラが成立する土台として読める。

まとめ

ニセコ圏の冬は、ホテル客室1室12.6万円、貸別荘1棟10.3万円、コテージ1棟6.5万円という段差を見せた。1室の軸では戸建て型はホテルの4分の1だが、1棟の軸では分布の上端でホテル客室を超える。道県を横断すると、戸建て型がホテル客室の上に出るのは白馬村3.0倍、ニセコ町3.2倍という雪山のリゾートに限られ、温泉地と海のリゾートでは0.7〜1.4倍で並んでいる。温泉を引くコストは1棟あたり年50万円前後、掘削を分担しても1棟700万〜1,300万円で、投資判断を左右する大きさではない。1室換算の投資額もホテル客室と同じ桁である。

したがって、温泉付きヴィラという商品形態の価値は、建設費でも温泉のコストでもなく、冬以外の月に単価の根拠を持ち、年間平均を1棟9万〜12万円の必要水準に乗せられるかどうかにある。由布市・草津町・熱海市のように高単価帯の厚みがあり、戸建て型がまだその上に出ていない温泉地は、その余地が最も大きい。ニセコ圏では分譲型のブランデッドヴィラが先行して動き始めており、賃貸在庫としての価格が観測されるのはこれからになる。

将来日程の価格に関する注意:本記事の2026年12月・2027年1月の掲載価格および推定成約ADRは、2026年10月上旬時点でOTAに公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて新規プランの追加や価格調整で変動します。現時点で高く設定されている価格が直前の値下げで下落する可能性がある点にご留意ください。

よくある質問

Q. 貸別荘の「1棟あたり」の価格は何名分ですか。
A. 本稿の掲載価格は2名1室利用を基準に集計した値です。貸別荘は実際には4〜8名で利用されることが多く、人数追加の料金は含まれていません。1室換算は寝室数で割り戻した概算です。

Q. 貸別荘に推定成約ADRがないのはなぜですか。
A. 推定成約ADRはREITが開示する物件別実績との照合で補正係数を検証した業態に限って算出しています。貸別荘・コテージは照合できる開示実績がないため、掲載価格のみで扱っています。

Q. ONE HANAZONO VILLASの販売価格や宿泊料金は分かりますか。
A. 2026年9月1日の発表資料には販売価格・宿泊料金の記載がありません。所有者向けの分譲型として発表されており、本稿の掲載価格の比較には含めていません。

あわせて読みたい

参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチ&コンサルティングが国内OTAの公開情報から集計した、市町村×業態別の掲載価格(全プラン平均・2名1室・税込)と推定成約ADR(税抜相当)。実績月は2026年1〜2月、将来月(2026年12月・2027年1月)は2026年10月上旬時点の掲載スナップショット。2026年1月の全業態の対象は倶知安町N=42、ニセコ町N=19、留寿都村N=6施設。新規開業はOTA掲載確認ベース(N=1,717施設)。

■ 試算前提

温泉付きヴィラ1棟の投資額は1.0億円(木造200㎡の本体約8,400万円に温泉分担と外構を加えた概算)、目標NOI利回り6%、GOP率35〜45%、稼働40〜50%(年146〜183泊)。建設費は建築着工統計調査に基づく2025年の構造別坪単価(ホテル又は旅館)、引湯費は熱海市営温泉の営業用甲種料金による。表5-2・表5-3は同じ前提を機械的に動かした簡易試算で、成約単価は掲載価格に掲載・成約差(5〜7割)を当てはめた前提値。

■ 限界・留意点

貸別荘・コテージは推定成約ADRを算出できず、掲載価格のみで扱う。冬季の倶知安町の貸別荘はN=7〜13と少なく、国内OTA以外で販売される棟は含まない。試算は土地・家具・設計監理・固定資産税・運営委託料を含まず、NOIは売上×GOP率で近似している。温泉料金は自治体・温泉組合ごとに異なり、熱海市の水準を他地域へそのまま当てはめることはできない。

■ 市場データ

■ 政府統計・公的データ

■ プレスリリース・企業資料

出典: 日本ハイアット 株式会社「報道資料 2026年4月」

関連記事