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Average Cost of a Double Room in Japan Business Hotels 2026|全国16,067円・東京21,058円、47都道府県と主要6都市の区別ベンチマーク

投稿日 : 2026.10.15

東京都

大阪府

京都府

福岡県

愛知県

北海道

Average Cost of a Double Room in Japan Business Hotels 2026|全国16,067円・東京21,058円、47都道府県と主要6都市の区別ベンチマーク

英語圏の検索で増えている「average cost of a double room in Japan business hotels 2026」という問いに、国内のデータで直答する。ホテルバンク編集部が集計した2026年10月宿泊分の掲載価格では、ビジネスホテルの2名1室料金は全国16,067円(対象7,666施設)、東京都21,058円(959施設)だった。ただし都道府県の値は県内の市区町村を等重みで平均したものなので、都心のターミナル駅周辺で実際に売られている水準はこれより高く、東京23区の21区を単純平均すると26,001円、施設数で重み付けすると28,846円になる。本稿では、この2名1室料金を47都道府県の順位、東京・大阪・名古屋・福岡・札幌・京都の区別、シティホテル・カプセルホテルとの位置関係、そして同一施設内での1名→2名の上乗せ率まで分解し、2名利用需要に向けた料金設計の材料として整理する。

本記事における指標の定義

  • 2名1室料金(double room 相当):2名1室利用時の1室あたり掲載価格(税込)。本記事の集計は客室タイプ(ダブル/ツイン/セミダブル)を区別しないため、2名1室料金=double room 相当として扱う。素泊まりから食事付きまで全プランの平均で、各施設の日次掲載価格をもとに市区町村単位で集計し、都道府県値はその等重み平均。宿泊税・入湯税など自治体が別途徴収するものは含まない。
  • 1名利用料金:「1名→2名の上乗せ率」の節のみで扱う。同一施設・同一宿泊日で1名利用・2名利用の両方の掲載がある組み合わせの最安掲載価格(税込・1室あたり)で、全プラン平均である他の節の数値とは基準が異なる。
  • 掲載価格と推定成約ADRの関係:本記事の数値はすべてOTA等で公開されている掲載価格であり、ホテルバンクの他記事で用いる推定成約ADR(最安プラン水準に業態別補正を適用した税抜相当の推定値)とは別の指標である。両者を混在させていない。
  • 対象:メトロエンジンリサーチが追跡する国内約168,000施設のうち、OTA上で稼働が確認できる約27,000施設。2026年10月分は調査時点(2026年10月7日)の掲載水準で、宿泊日に近づくにつれて変動する。
  • データ出典:ホテルバンク編集部調べ(メトロエンジンリサーチ)
Key Takeaways
  • — 全国16,067円・東京都21,058円:2026年10月宿泊分のビジネスホテル2名1室掲載価格(税込・1室あたり、N=7,666施設)。全国は前年同月比+5.4%。
  • — 47都道府県の開きは2.1倍:首位は奈良県24,049円(32施設)、最下位は徳島県11,489円。全国値を上回るのは19都道府県で、中央値は15,503円。
  • — 都道府県値は市区等重み平均:東京23区(掲載21区・877施設)の施設数加重は28,846円で都道府県値の1.37倍。福岡市博多区・中央区は県値の1.8倍。
  • — ビジネス÷シティは全国55%:都道府県別では21%(沖縄)〜114%(高知)に散らばり、全国の相場観は都市ごとに当てはめ直す必要がある。
  • — 1名→2名の上乗せ率(中央値)は東京+13.9%・京都+19.6%・大阪+20.2%に対し、福岡+28.1%・愛知+30.8%・北海道+32.1%(10月14〜20日の同一施設比較)。

全国16,067円・東京21,058円 — 2名1室料金の直答と、その読み方

まず基準をそろえる。本記事の「2名1室料金」は、2名で1室を使うときの1室あたり掲載価格(税込)である。ダブルとツインを区別しない集計なので、英語圏の読者が探す「double room の平均価格」に対応する数字は、この1室あたりの額になる。1人あたりに割れば全国で約8,030円、東京都で約10,530円という水準だ。

全国値16,067円は、前年同月(2025年10月宿泊分)の15,244円に対して+5.4%にあたる。対象施設数は6,896から7,666へ増えており、新規開業や掲載の広がりが母集団に加わったうえでの上昇といえる。ただし2026年10月分は調査時点の掲載水準であり、宿泊日直前の販売追加や価格調整で動く。この先行月の性格は本記事の全ての10月の数値に共通する。

なお、一般の旅行者向けには同じ基準でビジネスホテルの2名1室相場と部屋タイプの選び方を別稿で整理している。本稿はその運営者・投資家向けの対になる記事で、47都道府県の全順位、主要都市の区別、カテゴリ間の位置関係、1名→2名の上乗せ率という、料金設計に必要な分解に重心を置く。1名利用基準のADR記事はビジネスホテル相場は1泊いくら?2026年全国ADR実測にあるが、基準が異なるため本稿の数値と直接は比べられない。

47都道府県ランキング — 上位は奈良・京都・東京、下位は徳島・宮崎・鹿児島

47都道府県のビジネスホテル2名1室料金を並べると、首位は奈良県24,049円(32施設)、次いで京都府21,942円(348施設)、東京都21,058円(959施設)、高知県20,219円(62施設)、長野県19,724円(165施設)と続く。下位は徳島県11,489円(72施設)、宮崎県12,297円、鹿児島県12,655円で、首位と最下位の開きは2.1倍になる。全国値16,067円を上回るのは19都道府県にとどまり、47都道府県の中央値は15,503円と全国値より低い。施設数の多い都市部が全国値を押し上げている構図である。

奈良県は32施設と母数が小さく、1施設の価格設定で値が動きやすい点を踏まえて読みたい。一方で三大都市の見え方は対照的だ。京都府・東京都が2万円台に乗る一方で、大阪府は14,411円(529施設)、福岡県は14,510円(347施設)、愛知県は16,683円(311施設)と、全国値前後かそれを下回る。ただしこれは都道府県値が市区町村の等重み平均であることの影響が大きく、都心の区の水準は次節で見るとおり別の姿になる。

出典:ホテルバンク編集部調べ(メトロエンジンリサーチ)

前年同月比の列も併記した。全国+5.4%に対し、青森県は+35.2%と大きく、2026年10月10日から20日に本会期を迎える第80回国民スポーツ大会(青の煌めきあおもり国スポ)の宿泊需要が掲載価格に反映されていると読める。愛知県+15.9%、長野県+17.7%も2桁の上昇だ。逆に大阪府は-20.5%と唯一の2桁マイナスだが、比較対象の2025年10月は大阪・関西万博の会期末(10月13日閉幕)を含む月であり、前年の水準が特殊だったと見るのが妥当だろう。北海道-3.8%、滋賀県-6.1%など小幅のマイナスもある。

表1 都道府県別 ビジネスホテル2名1室掲載価格と前年同月比・シティ/カプセル比較(2026年10月宿泊分・税込)
順位都道府県ビジネスホテル
2名1室(税込)
施設数前年同月比シティホテル
2名1室(施設数)
ビジネス÷シティカプセル
2名利用(施設数)
—全国16,067円7666+5.4%29,118円(1293)55%17,737円(103)
1奈良県24,049円32+53.5%31,869円(8)75%—
2京都府21,942円348+5.4%44,146円(65)50%21,115円(5)
3東京都21,058円959+8.3%57,870円(117)36%15,433円(33)
4高知県20,219円62+3.4%17,715円(6)114%—
5長野県19,724円165+17.7%27,245円(17)72%—
6青森県19,526円79+35.2%26,904円(13)73%—
7北海道17,797円409-3.8%24,637円(76)72%29,633円(6)
8沖縄県17,641円205+10.2%83,902円(16)21%14,412円(4)
9石川県17,495円114+12.5%22,834円(10)77%—
10神奈川県17,281円211+4.6%32,780円(42)53%12,142円(3)
11岡山県16,962円99+5.2%29,719円(17)57%—
12岐阜県16,769円119-3.2%27,712円(12)61%—
13愛知県16,683円311+15.9%49,081円(28)34%26,544円(4)
14岩手県16,662円80+16.8%18,694円(19)89%—
15秋田県16,594円56+6.8%31,421円(16)53%—
16福井県16,419円45-0.2%28,142円(15)58%—
17千葉県16,321円165+8.2%23,588円(53)69%14,423円(4)
18山形県16,312円65+0.7%22,525円(11)72%—
19広島県16,266円181+8.9%28,301円(31)57%—
20香川県15,941円95+8.5%25,852円(12)62%17,217円(3)
21島根県15,928円54+9.9%20,527円(10)78%—
22鳥取県15,801円48+4.5%23,397円(8)68%—
23群馬県15,592円96+11.0%22,936円(13)68%—
24山梨県15,503円76-0.4%50,349円(3)31%—
25大分県15,124円85+2.8%23,484円(15)64%—
26兵庫県15,068円167+3.7%25,824円(50)58%—
27新潟県15,028円121+6.5%21,324円(18)70%—
28和歌山県15,011円70+3.9%19,760円(7)76%—
29宮城県14,990円138+7.2%20,494円(21)73%—
30福島県14,769円136+3.0%23,167円(16)64%—
31静岡県14,709円227+6.6%39,125円(31)38%10,418円(3)
32茨城県14,682円179-0.7%21,481円(18)68%—
33福岡県14,510円347+7.7%33,203円(43)44%18,399円(7)
34滋賀県14,442円78-6.1%28,638円(11)50%—
35大阪府14,411円529-20.5%26,101円(97)55%14,504円(8)
36熊本県14,272円122+7.3%27,065円(19)53%13,351円(3)
37長崎県14,060円123+6.0%29,701円(25)47%—
38埼玉県14,048円147+1.6%21,013円(12)67%—
39富山県13,986円68+1.0%15,702円(16)89%—
40佐賀県13,545円48+2.9%23,782円(9)57%—
41三重県13,473円89+7.1%21,758円(15)62%—
42山口県13,271円94+4.2%17,622円(10)75%—
43栃木県13,151円132+0.2%27,693円(15)47%—
44愛媛県12,794円101+4.4%16,670円(23)77%—
45鹿児島県12,655円149+2.4%24,970円(25)51%—
46宮崎県12,297円83+4.9%19,872円(16)62%—
47徳島県11,489円72+0.7%16,222円(10)71%—

2026年10月宿泊分、1室2名利用・1室あたり掲載価格(税込)。都道府県値=県内の市区町村ごとの集計値を等重みで平均したもの。前年同月比は2025年10月宿泊分の同基準の値との比較で、2026年10月は調査時点(2026年10月7日)の掲載水準に基づく。カプセルホテルの2名利用料金は2名分の寝台・キャビン料金が1件として掲載されるケースを含む。

出典:ホテルバンク編集部調べ(メトロエンジンリサーチ)

都道府県値は「市区等重み平均」— 東京23区は26,001円、都心区は3万円台

都道府県値の読み違いを防ぐために、主要6都市の区別の値を同じ基準で並べる。東京都の値21,058円は、23区だけでなく多摩地域の市町村を含む等重み平均である。23区のうち施設数3以上で掲載のある21区(計877施設)に絞ると、単純平均は26,001円、施設数で重み付けすると28,846円まで上がる。最も高いのは渋谷区47,746円(26施設)、次いで中央区33,337円(132施設)、港区32,721円(101施設)で、施設数が最も多い台東区(180施設)は28,342円である。都道府県値の1.4倍から2.3倍の帯に都心区が並ぶ計算だ。基準は推定成約ADRで本稿と異なるが、都心5区と周辺18区の価格差が12ヶ月でどう推移したかは東京都ビジネスホテルADR12ヶ月トレンドが追っている。

出典:ホテルバンク編集部調べ(メトロエンジンリサーチ)

同じ現象は他の都市でも起きている。福岡県の都道府県値14,510円に対し、博多区は26,231円、福岡市中央区は26,328円と1.8倍の水準にあり、北九州市の小倉北区13,411円が県値を下に引いている。大阪府14,411円に対して大阪市中央区は20,488円、名古屋市中村区は愛知県値16,683円に対し23,786円、京都市東山区は京都府値21,942円に対し38,372円である。都道府県値をベンチマークに使うなら、自館の立地する区の値を必ず横に置くべきで、県値だけを見ると都心立地の施設はポジションを低く見積もることになる。

区の値を施設数で重み付けした「都市の実勢」は、京都31,464円、東京28,846円、福岡24,298円、名古屋22,690円、札幌20,740円、大阪17,241円の順になる(いずれも下の表に掲げた区の合算で、福岡は北九州市の区を、大阪は堺市堺区を含む)。都道府県値では全国値を下回る福岡(14,510円)と全国並みの愛知(16,683円)が、区ベースでは全国値を大きく上回る側に回る点が、この集計で最も実務に効く差分だろう。

表2 東京23区(21区に掲載) — 都道府県値 21,058円(ビジネスホテル2名1室・2026年10月宿泊分・税込)
区ビジネスホテル 2名1室施設数都道府県値比同区シティホテル(施設数)
渋谷区47,746円262.27倍71,154円(4)
中央区33,337円1321.58倍72,840円(22)
港区32,721円1011.55倍80,529円(27)
墨田区29,758円241.41倍44,060円(5)
千代田区29,591円661.41倍62,411円(12)
新宿区29,412円851.40倍59,515円(12)
世田谷区28,901円41.37倍—
台東区28,342円1801.35倍—
目黒区27,658円101.31倍—
江東区27,486円301.31倍35,759円(7)
品川区24,667円291.17倍32,840円(3)
文京区24,160円141.15倍—
大田区22,733円501.08倍38,050円(6)
荒川区22,646円111.08倍—
豊島区22,459円571.07倍43,329円(4)
江戸川区21,352円171.01倍—
杉並区21,343円51.01倍—
足立区21,174円61.01倍—
北区19,614円200.93倍—
葛飾区16,663円60.79倍—
板橋区14,248円40.68倍—
表3 大阪市・堺市の区 — 都道府県値 14,411円(ビジネスホテル2名1室・2026年10月宿泊分・税込)
区ビジネスホテル 2名1室施設数都道府県値比同区シティホテル(施設数)
中央区20,488円1631.42倍27,448円(25)
福島区19,967円51.39倍—
此花区19,231円51.33倍49,349円(5)
住之江区18,185円51.26倍—
浪速区17,701円571.23倍40,506円(5)
北区17,451円581.21倍40,421円(19)
東淀川区17,185円81.19倍—
都島区15,902円91.10倍—
西区15,745円291.09倍—
港区15,521円101.08倍—
淀川区14,369円311.00倍17,234円(8)
天王寺区13,478円230.94倍42,418円(3)
堺区11,042円120.77倍14,688円(4)
阿倍野区10,393円30.72倍29,395円(3)
西成区9,100円310.63倍—
表4 名古屋市の区 — 都道府県値 16,683円(ビジネスホテル2名1室・2026年10月宿泊分・税込)
区ビジネスホテル 2名1室施設数都道府県値比同区シティホテル(施設数)
中村区23,786円631.43倍37,339円(5)
中区22,381円751.34倍62,873円(8)
熱田区19,644円31.18倍—
東区18,659円41.12倍—
中川区17,555円41.05倍—
表5 福岡市・北九州市の区 — 都道府県値 14,510円(ビジネスホテル2名1室・2026年10月宿泊分・税込)
区ビジネスホテル 2名1室施設数都道府県値比同区シティホテル(施設数)
中央区26,328円731.81倍49,695円(12)
博多区26,231円1381.81倍51,176円(10)
東区22,883円41.58倍—
門司区14,032円50.97倍—
小倉北区13,411円230.92倍28,231円(4)
若松区11,070円30.76倍—
八幡西区10,749円50.74倍—
表6 札幌市の区 — 都道府県値 17,797円(ビジネスホテル2名1室・2026年10月宿泊分・税込)
区ビジネスホテル 2名1室施設数都道府県値比同区シティホテル(施設数)
北区21,081円181.18倍23,538円(3)
中央区21,001円1071.18倍31,626円(27)
西区16,079円30.90倍—
白石区14,045円30.79倍—
表7 京都市の区 — 都道府県値 21,942円(ビジネスホテル2名1室・2026年10月宿泊分・税込)
区ビジネスホテル 2名1室施設数都道府県値比同区シティホテル(施設数)
東山区38,372円281.75倍72,756円(7)
中京区32,404円841.48倍64,804円(11)
下京区31,359円1261.43倍53,856円(23)
南区29,111円531.33倍38,214円(5)
左京区28,567円51.30倍—
上京区27,110円41.24倍—
右京区22,887円31.04倍38,066円(4)
伏見区16,097円50.73倍—

2026年10月宿泊分、1室2名利用・1室あたり掲載価格(税込)。施設数3未満の区は集計対象外。

出典:ホテルバンク編集部調べ(メトロエンジンリサーチ)

シティホテル・カプセルホテルとの位置関係 — ビジネスは全国でシティの55%

同じ2名1室基準で、同月のシティホテルとカプセルホテルを横に置く。全国ではシティホテル29,118円(1,293施設)に対しビジネスホテルは55%の水準で、カプセルホテルは17,737円(103施設)とビジネスホテルを上回る。カプセルの2名利用料金は2名分の寝台・キャビン料金が1件として掲載されるケースを含むため、1室料金としてそのまま比較するより「2名で泊まる総額」の目安として読むのが適切だ。

ビジネス÷シティの比率は都道府県でかなり幅がある。東京都は21,058円÷57,870円=36%、京都府は50%、沖縄県は21%と、シティホテルがリゾート・ラグジュアリー寄りの価格帯を持つ地域ほどビジネスホテルとの距離が開く。反対に高知県は114%とビジネスホテルがシティホテルを上回っており、カテゴリ名よりも立地と客室の実態が価格を決めている地域もある。全国の47都道府県で見ると比率は21%から114%に散らばり、「ビジネスはシティの半分強」という全国の相場観は、都市ごとに当てはめ直す必要がある。

出典:ホテルバンク編集部調べ(メトロエンジンリサーチ)

運営の視点では、この比率が高い地域ほどビジネスホテルの2名1室料金がシティホテルの下限に近づいており、2名利用客にとって両カテゴリが同じ検討テーブルに乗る。福岡県(44%)や愛知県(34%)のように比率が低い地域では、ビジネスホテル側に2名向け客室の価格を上げる余地が相対的に残っていると読める。

1名→2名の上乗せ率 — 東京は中央値+14%、北海道・愛知は+30%台

2名1室料金を設計するうえで実務上の関心は、「同じ部屋を1名で売るときと2名で売るときの差」である。ここだけは基準を切り替え、2026年10月14日から20日宿泊分について、同一施設・同一宿泊日に1名利用と2名利用の両方の掲載があるビジネスホテルの最安掲載価格を突き合わせた(ペアード比較)。前節までの全プラン平均とは別の集計なので、金額同士を直接比較しないでほしい。

結果は地域で明確に分かれた。東京都は594施設・4,101組で上乗せ率の中央値が+13.9%、京都府+19.6%、大阪府+20.2%と、三大都市圏の都心では1名料金に1〜2割を乗せる形が中央にある。これに対して北海道は+32.1%、愛知県+30.8%、福岡県+28.1%と、2名で3割前後を上乗せする設計が中央値になる。東京で上乗せが小さいのは、1名料金の中央値が13,500円とすでに高く、ダブルベッドの客室を1名でも2名でも室料で売る施設が多いためと考えられる。

出典:メトロエンジン株式会社、ホテルバンク編集部作成

分布を見ると、東京都では組み合わせの26%が上乗せ+5%以下、つまり1名でも2名でもほぼ同じ室料で売られている。北海道・愛知県ではこの割合が11%・10%にとどまり、+20〜50%の帯が最も厚い。2名利用が1名利用の1.5倍以上になる組み合わせも北海道で30%、愛知県で28%あり、ツイン主体で客室タイプごとに料金を分ける施設と、シングル・ダブルを室料一本で売る施設が地域で混在している様子がうかがえる。

表8 1名利用・2名利用の最安掲載価格と上乗せ率(ビジネスホテル・同一施設同一宿泊日・2026年10月14〜20日宿泊分)
都道府県1名利用 最安
(中央値)
2名利用 最安
(中央値)
1名→2名
上乗せ率中央値
+5%以下+5〜20%+20〜50%+50%以上対象
東京都13,500円15,800円+13.9%26%36%26%11%594施設 / 4101組
京都府13,380円16,200円+19.6%31%19%24%26%140施設 / 941組
大阪府7,509円9,112円+20.2%22%27%34%16%284施設 / 1953組
福岡県8,500円11,100円+28.1%15%21%44%21%223施設 / 1547組
愛知県8,400円12,000円+30.8%10%22%40%28%213施設 / 1437組
北海道7,994円11,000円+32.1%11%20%38%30%280施設 / 1936組

2026年10月14日〜20日宿泊分、ビジネスホテルのうち同一施設・同一宿泊日で1名利用と2名利用の両方の掲載があった組み合わせのみを対象(ペアード比較)。価格は各組み合わせの最安掲載価格(税込・1室あたり)。上乗せ率=2名利用最安÷1名利用最安−1。分布の4区分は組み合わせ数に占める割合。この表は本文の都道府県別・区別の表(全プラン平均)とは基準が異なるため、金額同士を直接比較しない。

出典:メトロエンジン株式会社、ホテルバンク編集部作成

運営者向けの示唆 — 2名利用需要が厚いエリアでの料金設計

ここまでの数値を、2名利用需要に向けた料金設計の材料として整理したい。第一に、ベンチマークは都道府県値ではなく区の値で持つことである。福岡市博多区や名古屋市中村区のように、都道府県値では全国値を下回るか全国並みに見えても区ベースでは2万3千〜2万6千円台にいる立地では、県値を基準にすると2名1室料金を低めに置いてしまう。自館の区の値と、同区のシティホテルの値を両方並べ、2名利用客がどちらのカテゴリと比較しているかを意識した価格帯設定が有効といえる。

第二に、1名→2名の上乗せ率は「地域の相場に合わせる」よりも「自館の2名需要の中身に合わせる」余地が大きい。訪日客の個人旅行や国内のカップル・友人同士の需要は2名利用が基本で、観光庁の宿泊旅行統計調査(2026年8月第1次速報)では外国人延べ宿泊者数が1,264万人泊、日本政府観光局の推計では同月の訪日外客数が約310万人と、中国市場の減少の一方で韓国・台湾・香港が伸びている。こうした2名需要の厚い都市で、1名と2名を同じ室料で売る設計(東京の中央値+14%)は稼働の取りやすさに強みがある一方、ツインやダブルの広めの客室を2名利用時に+20〜30%で売る設計(北海道・愛知の中央値)は、1名の出張需要を取りこぼさずに2名客から客室単価を上げる構造を持つ。どちらが正解というより、曜日や宿泊日ごとに2名比率が高まる日に上乗せ率を動かす運用が、収益機会として最も大きいだろう。

この第二の論点を数字に置き直したのが表9である。1名利用料金を100とし、宿泊日の販売客室に占める2名利用の比率と、1名→2名の上乗せ率の2軸で、1室あたりの平均販売額を指数で示した(1室あたり平均販売額=100×(1+2名比率×上乗せ率))。2名比率が20%の日に上乗せ率を+14%から+30%へ上げても指数は102.8から106.0へ3.2ポイントしか動かないが、2名比率80%の日には111.2から124.0へ12.8ポイント動く。上乗せ率を+14%に据えたままでは、2名比率が80%まで高まっても111.2で、+30%設計・2名比率50%の115.0に届かない。上乗せ率の見直しは、2名比率の高い日に絞るほど効きが大きいという関係が読み取れる。

表9 2名比率×上乗せ率別 1室あたり平均販売額の感度(1名利用料金=100とした指数・試算)
2名比率\上乗せ率+5%+14%
(東京)
+20%+30%
(北海道・愛知)
+50%
20%101.0102.8104.0106.0110.0
35%101.8104.9107.0110.5117.5
50%102.5107.0110.0115.0125.0
65%103.2109.1113.0119.5132.5
80%104.0111.2116.0124.0140.0

試算。1名利用料金を100とした指数で、1室あたり平均販売額=100×(1+2名比率×上乗せ率)。上乗せ率の列は表8の中央値(東京+13.9%、北海道+32.1%・愛知+30.8%)を丸めた水準を含む。上乗せ率を変えても稼働や2名比率は変わらないと仮定しており、価格弾力性は織り込んでいない。

第三に、2名1室料金の表示方法である。英語圏の検索者は「double room の料金」を1室あたり・税込で探している。宿泊税は別途であること、朝食の有無でプランが分かれることを英語の料金ページで明示しておくと、2名客の比較検討で価格が誤読されにくい。京都市では2026年3月から宿泊税が1人1泊200円〜10,000円の5段階になり、2名1室2万円台のビジネスホテルでも1室あたり800円の税が別途かかる。東京都は現行で1人1泊100円または200円(1万円未満は非課税)で、2027年4月から定率3%への移行が予定されている。2名1室料金が高い都市ほど、税を含めた総額での見え方が国際比較に影響する点は押さえておきたい。

よくある質問

Q. この記事の「2名1室料金」はダブルルームの料金ですか、ツインルームの料金ですか?

両方を含みます。集計は客室タイプを区別せず、2名で予約できる客室の掲載価格を平均しているため、ダブル・セミダブル・ツインが混ざった「double room 相当」の値です。一般にセミダブルは下側、ツインや広めのダブルは上側の価格帯を作ります。

Q. 税金やサービス料は含まれていますか?

消費税は含まれています(税込の掲載価格)。宿泊税・入湯税のように自治体が別途徴収するものは含まれていません。ビジネスホテルではサービス料を別建てにする例は少なく、掲載価格に含まれているのが一般的です。

Q. 宿泊税はいくら上乗せされますか?

自治体ごとに異なります。東京都は1人1泊の宿泊料金が1万円以上1万5千円未満で100円、1万5千円以上で200円(1万円未満は非課税)で、2027年4月から定率3%に移行する予定です。京都市は2026年3月から1人1泊200円〜10,000円の5段階です。大阪府・福岡県・北海道(倶知安町)などにも宿泊税があり、2名1室では人数分が加算されます。

Q. 都道府県の値と区の値のどちらを使えばよいですか?

都心のターミナル駅周辺にある施設の比較には区の値を使ってください。都道府県値は県内の市区町村を等重みで平均した値で、郊外や地方都市を含むため都心の実勢より低く出ます。

Q. 1名で泊まる場合の料金もこの表から分かりますか?

分かりません。「1名→2名の上乗せ率」の節のペアード比較だけが1名利用の最安掲載価格を扱っており、それ以外の表はすべて2名1室の全プラン平均です。基準が異なるため、表をまたいだ金額の比較は避けてください。

まとめ

2026年10月宿泊分のビジネスホテル2名1室料金は全国16,067円、東京都21,058円で、前年同月比は全国+5.4%だった。47都道府県の順位は奈良・京都・東京が上位、徳島・宮崎・鹿児島が下位で開きは2.1倍。都道府県値は市区等重み平均のため、東京23区の施設数加重では28,846円、福岡市博多区や名古屋市中村区は県値の1.4〜1.8倍と、都心の実勢は別に見る必要がある。シティホテルに対するビジネスホテルの比率は全国55%だが都道府県で21〜114%に散らばり、同一施設内の1名→2名上乗せ率は東京の中央値+14%から北海道の+32%まで地域差がある。2名利用需要に向けた料金設計では、区の値をベンチマークに、宿泊日ごとの2名比率に応じて上乗せ率を動かす運用に機会がある。

⚠ 将来日程の掲載価格に関する注意:本記事の2026年10月分の数値は調査時点(2026年10月7日)でOTA等に公開されている掲載価格の平均であり、宿泊日に近づくにつれて販売追加や価格調整で変動します。前年同月比は確定済みの2025年10月分と先行月である2026年10月分の比較である点にご留意ください。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

ホテルバンク編集部調べ(メトロエンジンリサーチ)。2026年10月・2025年10月宿泊分のカテゴリ別掲載価格(1室2名利用・1室あたり・税込)を、47都道府県と主要6都市の区(施設数3以上の60区)で集計。1名→2名の比較は2026年10月14〜20日宿泊分で、同一施設・同一宿泊日に1名利用と2名利用の両方の掲載があった組み合わせ(6都道府県・計1,734施設・11,915組)の最安掲載価格を突き合わせた。

■ 試算前提

本文の金額はすべて実測の掲載価格で、試算は表9のみ。表9は1名利用料金を100とした指数で、1室あたり平均販売額=100×(1+2名比率×上乗せ率)。上乗せ率を変えても稼働と2名比率は変わらないと仮定し、価格弾力性は織り込まない。前年同月比は同基準・同月同士の比較で、確定月と先行月の継ぎ目をまたぐ前月比は算出していない。

■ 限界・留意点

2026年10月分は調査時点(2026年10月7日)の掲載水準で、宿泊日までに販売追加や価格調整で変動する。客室タイプ(ダブル/ツイン/セミダブル)を区別せず、全プラン平均のため食事付きプランの構成でも水準が動く。都道府県値は市区町村の等重み平均。奈良県(32施設)や施設数3〜5の区は1施設の価格設定で値が動きやすい。カプセルホテルの2名利用には寝台2名分の料金を含む。推定成約ADRとは別の指標で、宿泊税・入湯税は含まない。

■ 参考資料

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