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広島・札幌ホテル開業予定2026-2029|広島約3,200室・札幌約1,800室を区別に集計

投稿日 : 2026.10.18

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広島・札幌ホテル開業予定2026-2029|広島約3,200室・札幌約1,800室を区別に集計

「広島 ホテル 開業予定」「札幌ホテル 開業予定」と検索して辿り着いた方に向けて、両市でこれから開く客室を1本に集約した。メトロエンジンリサーチが把握する範囲で、広島市は2026年末から2029年にかけて15計画・約3,200室、札幌市は7計画・約1,800室の新規客室が控えている。本稿では計画一覧を区ごとに整理したうえで、2025年以降に開業済みの施設と合算した「2025〜2029年の供給累計」が既存ストックの何%に相当するかを区単位で示し、供給が先行して増えた区で推定成約ADRがどう動いたかまで読み解く。

Key Takeaways
  • — 広島市は15計画・3,236室が2026年11月〜2029年に控え、2025年以降の開業済1,267室と合わせた供給累計は中区・南区・東区の3区で既存比+24.3%(メトロエンジンリサーチが把握する範囲)。
  • — 広島市南区は累計2,296室で既存比+44.3%。駅南口の松原町・的場町に1,598室が集まる「駅前集中型」の供給となる。
  • — 札幌市は7計画・1,769室(客室数判明分)。中央区は既存27,676室と厚く既存比+11.1%、北区は駅北口の2棟で+19.2%。
  • — 推定成約ADRの12ヶ月平均(2025年10月〜2026年9月)は広島市南区+5.7%、札幌市中央区+10.2%。供給が増えた区でも単価は前年を上回った。
  • — 計画一覧は全数調査ではなく把握できた範囲の下限値。開業時期・客室数は予定値で、今後の申請・発表で増える見込み。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • 既存ストック:メトロエンジンリサーチのホテルマスターに登録され、閉館が確認されていない施設の客室数合計(2024年末までに開業した施設・客室数判明分)。ホステル・ゲストハウス等の小規模施設を含む。
  • 開業済(2025年〜2026年10月):OTA掲載が確認できた施設の開業日(OTA掲載確認ベース)に基づく集計。掲載は開業の数ヶ月前から出るため、今後の掲載で増える可能性がある。
  • 計画(2026年11月〜2029年):メトロエンジンリサーチの建築計画データ(確認申請ベース)、各事業者の発表資料、報道をメトロエンジンリサーチが突合したもの。全数調査ではなく、把握できた範囲の下限値として参照されたい。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ(OTA掲載確認ベース・建築計画データ)/各社発表資料・報道

広島市:これから開く客室 — 15計画・3,236室が駅前と都心に集中

まずは広島市から見ていく。メトロエンジンリサーチが把握する範囲で、2026年11月以降に開業(または竣工)を予定するホテル計画は15件・合計3,236室にのぼる。区別では南区が1,755室、中区が1,303室、東区が178室で、広島駅南口の松原町・的場町に大型案件が並ぶ一方、八丁堀・紙屋町・平和大通りといった都心側にもミドル〜ラグジュアリーまで幅広い価格帯の計画が重なる構図になっている。

ブランド面では、ハイアットのライフスタイル系ブランド「アンダーズ」が広島に進出する計画(2025年10月27日発表、235室、2027年開業予定)が都心・基町の再開発ビル高層部に入るほか、マリオット系の「コートヤード」、IHG系の「voco」、ロイヤルホテルの「リーガグラン」といった国内外ブランドが2027〜2028年に相次いで開業する見込みである。開業時期は事業者発表と報道で食い違う案件があるため、表では把握経路を併記した。なお、日本ハイアット株式会社「報道資料 2026年4月」の新規開業予定一覧(2025年9月時点)にはアンダーズ広島は含まれておらず、同年10月の追加発表として扱っている。

広島市のホテル計画一覧(2026年11月〜2029年・メトロエンジンリサーチが把握する範囲)
施設・計画名区所在客室数開業・竣工予定把握経路
GRAND HOSTEL LDK広島南区荒神町157室2026年12月OTA掲載確認
PIECES HIROSHIMA中区八丁堀46室2027年2〜3月報道
アンダーズ広島(KAMIHACHI X 21〜31階)中区基町235室2027年ハイアット発表(2025年10月27日)
HOTEL平和GRIT中区三川町46室2027年6月(竣工予定)報道
voco広島南区的場町301室2027年10月(竣工予定)報道
アパホテル〈広島駅前通〉南区的場町316室2027年11月事業者発表
EN HOTEL Hiroshima Ekimae(旧アパホテル〈広島駅前〉建替計画)南区松原町201室2028年3月事業者発表(2026年9月)
コートヤード・バイ・マリオット広島中区三川町183室2027〜2028年(報道により異なる)報道
アパホテル&リゾート〈広島駅前タワー〉南区松原町600室2028年3月事業者発表
リーガグラン広島中区東平塚町168室2028年6月末事業者発表(2026年5月14日)
エスペリアホテル広島(仮称)中区基町121室2028年8月報道
アパホテル〈広島八丁堀駅南〉中区新天地218室2029年春事業者発表(2026年9月)
広島駅前ホテル計画(H.I.S.系)南区松原町180室2028年11月報道
(仮称)広島市中区銀山町 HOTEL PROJECT中区銀山町286室2028年12月(竣工予定)報道
広島駅北口計画(ヴィラフォンテーヌ・仮称)東区二葉の里178室2029年4月(竣工予定)報道

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース・建築計画データ)/各社発表資料・報道より作成。客室数は予定値

表に載せていない案件として、稲荷町で17階建てのホテルを計画する「KOKO HOTEL」系の案件(2029年3月開業予定、客室数未公表)がある。また廿日市市宮島口で2028年開業予定の「Umiuta Hiroshima, LXR Hotels & Resorts」(61室)は広島市外のため集計から外した。ヒルトン「会社概要」(2026年8月25日更新)では、広島市内の既存施設としてヒルトン広島(420室・2022年開業)が記載されている。

広島市:2025〜2029年の供給累計は3区合計で既存比+24.3%

計画だけを眺めても「多いのか少ないのか」は判断できない。そこで2025年以降にすでに開業した施設を加え、2024年末時点の既存ストックに対する比率に換算した。中区・南区・東区の3区を合計すると、既存18,527室に対して開業済1,267室+計画3,236室=4,503室が積み上がり、既存比で+24.3%という水準になる。

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース・建築計画データ)/各社発表資料より作成

広島市の区別供給累計と既存比(2024年末ストック比)
区2024年末ストック2025年〜2026年10月 開業済2026年11月〜2029年 計画累計既存比
中区10,856室(160施設)692室1,303室1,995室+18.4%
南区5,180室(61施設)541室1,755室2,296室+44.3%
東区2,491室(35施設)34室178室212室+8.5%
3区合計18,527室1,267室3,236室4,503室+24.3%

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(既存ストック・開業済はホテルマスターおよびOTA掲載確認ベース、計画は建築計画データ)/各社発表資料より作成

区ごとの濃淡がはっきりしている。南区は広島駅直結の「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」(380室・2025年3月)に続き、駅前通・松原町にアパホテル2棟(計916室)とEN HOTEL Hiroshima Ekimae(201室)、voco広島(301室)、H.I.S.系の計画(180室)が集中するため、累計2,296室は既存5,180室に対して+44.3%に達する。駅前エリアは2025年3月の新駅ビル「ミナモア」開業で商業集積が一気に進み、宿泊の重心が都心から駅前に移りつつあるが、その流れをさらに後押しする供給といえる。

一方で中区は既存ストックが10,856室と厚く、累計1,995室でも既存比は+18.4%にとどまる。ただし中区の計画はアンダーズ広島、コートヤード、リーガグラン、銀山町の286室計画と価格帯が上に広がる案件が多く、量よりも「平均単価を押し上げる質の供給」として作用する可能性がある。東区は駅北口・二葉の里の178室計画のみで、既存比+8.5%と限定的である。八丁堀側と広島駅前側で供給の性格が分かれる構図は、広島ホテル供給二極化 — 八丁堀×広島駅前、2027-2029年パイプライン分析でも詳しく扱っている。

2025年以降に開業済みの主な施設(50室以上)は次のとおりで、6施設・1,095室が既に市場に加わっている。

広島市で2025年以降に開業済みの主な施設(50室以上)
施設名区客室数開業(OTA掲載確認ベース)
ホテルグランヴィア広島サウスゲート南区380室2025年03月
ベッセルホテル広島 平和大通り中区194室2025年08月
クインテッサホテル広島銀山町中区156室2025年08月
せとうちサイクルステイズ広島宇品南区123室2026年04月
ピンポンホテル広島平和大通り店中区60室2026年05月
東急ステイメルキュール広島中区182室2026年05月

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース、N=9施設のうち50室以上を掲載)

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング。計画案件の位置は町丁目単位の代表点

広島市:供給が増えた南区で推定成約ADRは直近12ヶ月+5.7%

供給が増えれば単価は下がる、と単純には言えないのが直近の広島である。推定成約ADR(記事冒頭の定義参照)を区別に直近25ヶ月分取得し、2025年10月〜2026年9月の12ヶ月平均を前年同期間(2024年10月〜2025年9月)と比べると、グランヴィア広島サウスゲートで380室が加わった南区が¥9,100→¥9,600(+5.7%、N=24施設)、中区が¥9,700→¥10,100(+4.1%、N=64施設)、東区が¥8,500→¥9,100(+6.4%、N=15施設)となった。供給増の大きい南区の伸び率が中区を上回っている点は注目に値する。

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(推定成約ADR・各月の区内中央値。中区N=64、南区N=24施設)

月別に見ると、南区は2026年9月が¥11,000と前年同月の¥8,500から+29.5%、中区は¥11,100で前年同月比+6.1%である。8月は南区が¥11,900(前年¥11,800)と前年並み、中区は¥12,300(前年¥12,900)と前年をやや下回った。中区の推定成約ADRの対象施設数(N)は25ヶ月を通じて56〜64施設で安定しており、集計対象の入れ替わりによる歪みは限定的といえる。

広島の宿泊単価は、全国の主要都市と比べると伸びしろの大きい水準にある。推定成約ADRが1万円前後という区の水準は、2027〜2028年に開業するアンダーズやコートヤード、リーガグランといった上位価格帯の施設が参入する余地が十分にあることを示唆している。既存施設にとっても、駅前・都心の上位ブランド開業はエリア全体の価格水準を引き上げる機会として働く可能性がある。

札幌市:これから開く客室 — 7計画・1,769室、駅北口と大通・すすきのに分散

次に札幌市である。メトロエンジンリサーチが把握する範囲で、2026年11月以降に開業(竣工)を予定し客室数が判明している計画は7件・合計1,769室で、区別では中央区1,113室、北区656室となる。このほか中央区を中心に、客室数が未公表のホテル建築計画が10件以上ある。広島と異なり「札幌 外資系ホテル 開業予定」という検索が一定数ある都市だが、外資系ブランドの計画はパーク ハイアット 札幌(157室・2029年)とヒルトン札幌パークホテル(約350室・開業時期未定)の2件で、残りは国内事業者の計画が中心である。

直近では2026年10月3日にハイアット セントリック 札幌(216室、中央区北1条西5丁目)が開業しており、本稿では「開業済」側に計上した。日本ハイアット株式会社「報道資料 2026年4月」の新規開業予定一覧では同ホテルは2026年開業・216室、パーク ハイアット 札幌は2029年開業・157室と記載されている。ヒルトン「会社概要」(2026年8月25日更新)の開業予定一覧にはヒルトン札幌パークホテルが「約350室・開業時期未定」として掲載されている。中島公園側の建替え計画と周辺1km圏の供給については、札幌パークホテル2027年2月閉館、中島公園1km圏1.35万室の供給と建替え後ヒルトン約350室の投資視点が掘り下げている。

札幌市のホテル計画一覧(2026年11月以降・客室数判明分)
施設・計画名区所在客室数開業・竣工予定把握経路
アパホテル&リゾート〈札幌駅前〉北区北8条西4丁目488室2027年3月4日OTA掲載確認(報道では全500室)
アパホテル〈札幌駅前西〉北区北6条西6丁目168室2027年4月(竣工予定)建築計画(事業者: アパホーム)
南7条西4丁目ホテル計画中央区南7条西4丁目126室2027年2月(竣工予定)建築計画(事業者: 東急不動産)
南7条西5丁目ホテル計画中央区南7条西5丁目200室2028年5月(竣工予定)建築計画(事業者: 丸紅都市開発ほか)
JR北海道グループ新ブランドホテル(仮称)中央区北3条西2丁目280室2028年度事業者発表(2026年5月20日)・建築計画(事業主体: エスコン)
パーク ハイアット 札幌(SAPPORO ONE 高層部)中央区大通西4丁目157室2029年ハイアット報道資料・平和不動産発表
ヒルトン札幌パークホテル中央区南10条西3丁目350室未定ヒルトン会社概要(約350室)

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース・建築計画データ)/日本ハイアット「報道資料 2026年4月」/ヒルトン「会社概要」(2026年8月25日更新)/各社発表資料より作成。客室数は予定値

表に載らない主な案件として、次の2つがある。ひとつは札幌東急REIホテル(南4条西5丁目)で、2026年6月30日の東急リゾーツ&ステイの発表によると2027年8月31日に営業を終了し、後継ホテルが2028年に開業する計画である。もうひとつは札幌駅南口の北5西1・西2街区再開発で、北海道新聞(2026年7月15日)によれば西2街区は2031年3月、西1街区は2035年3月の開業へと見直され、西1に予定されていた米系最上級ブランドとの提携契約は解除、国際水準の新たな候補を検討中と報じられている。いずれも2029年までの累計には含めていない。

JR北海道グループが2026年5月20日に発表した新ブランドホテル(中央区北3条西2丁目、約280室、2028年度開業予定)は、事業主体がエスコン、運営がJR北海道ホテルズで、建築計画(地上17階・延床約1万1,000㎡)とも整合する。南7条西4丁目(126室・東急不動産)と南7条西5丁目(200室・丸紅都市開発ほか)は建築計画ベースの把握で、ブランド名は未公表のため計画名で記載した。JR北海道グループが北見・札幌・旭川で進める3件の事業構造については、JR北海道の駅前ホテル3件・約806室 — 北見・札幌・旭川でオーナーが違う理由と必要ADRを参照されたい。

札幌市:中央区は既存比+11.1%、北区は+19.2% — 駅北口の集中が目立つ

札幌市でも同様に2025年以降の開業済み施設と計画を合算し、2024年末の既存ストックと比べた。中央区は既存27,676室(247施設)という厚い基盤を持つため、開業済1,962室+計画1,113室=3,075室を加えても既存比は+11.1%に収まる。なお計画のうちヒルトン札幌パークホテル(約350室)は、既存の札幌パークホテル(216室、2027年2月末閉館予定)の建て替えで、北海道新聞は2030年ごろの開業見込みと報じている。これを計画から除くと中央区の既存比は+9.8%となる。これに対し北区は既存4,095室に対して累計788室、既存比+19.2%と、札幌駅北口側の増加率が中央区を上回る。

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース・建築計画データ)/各社発表資料より作成

札幌市の区別供給累計と既存比(2024年末ストック比)
区2024年末ストック2025年〜2026年10月 開業済2026年11月〜2029年 計画累計既存比
中央区27,676室(247施設)1,962室1,113室3,075室+11.1%
北区4,095室(40施設)132室656室788室+19.2%
2区合計31,771室2,094室1,769室3,863室+12.2%

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(既存ストック・開業済はホテルマスターおよびOTA掲載確認ベース、計画は建築計画データ)/各社発表資料より作成。東区は2025年3月開業の札幌ホテル by グランベル(605室)により既存170室から大きく増えたが、母数が小さいため比率表示を省いた

北区の増加はアパホテル&リゾート〈札幌駅前〉(488室・北8条西4丁目・2027年3月4日開業予定、報道では全500室)とアパホテル〈札幌駅前西〉(168室・北6条西6丁目)の2棟が大半を占める。駅北口は2025年12月にコンフォートホテルERA札幌北口(122室)も開業しており、ビジネス需要の受け皿が厚くなるエリアだ。中央区の2025〜2026年はインターコンチネンタル札幌(149室)、ザ・ゲートホテル札幌 by HULIC(172室)、ホリデイ・イン エクスプレス札幌すすきの(223室)、KOKO HOTEL 札幌すすきの 2nd(212室)、ハイアット セントリック 札幌(216室)など、価格帯の異なる施設が同時に加わった2年間だった。

2025年以降に開業済みの主な施設(50室以上)は次のとおりで、中央区・北区・東区で14施設・2,602室が市場に加わっている。

札幌市で2025年以降に開業済みの主な施設(50室以上)
施設名区客室数開業(OTA掲載確認ベース)
札幌ホテル by グランベル東区605室2025年03月
暖雪 札幌中央区136室2025年04月
FAV LUX 札幌すすきの中央区84室2025年07月
ホリデイ・イン&スイーツ札幌大通公園中央区195室2025年10月
インターコンチネンタル札幌中央区149室2025年10月
リブマックスホステルズ札幌すすきの中央区70室2025年10月
コンフォートホテルERA札幌北口北区122室2025年12月
ザ・ゲートホテル札幌 by HULIC中央区172室2025年12月
ランドーホテル札幌プレステージ中央区118室2026年03月
リージョニアbyクインテッサ 札幌駅前中央区175室2026年06月
ランドーホテル札幌ヘリテージ中央区125室2026年07月
KOKO HOTEL 札幌すすきの 2nd中央区212室2026年07月
ホリデイ・イン エクスプレス札幌すすきの中央区223室2026年07月
ハイアットセントリック札幌中央区216室2026年10月

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース、N=16施設のうち50室以上を掲載。既存施設の名称変更と判断した施設は除外)

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング。計画案件の位置は町丁目単位の代表点

札幌市:供給が増えても中央区の推定成約ADRは直近12ヶ月+10.2%

札幌の単価は広島と比べて一段高く、季節変動も大きい。推定成約ADRの12ヶ月平均(2025年10月〜2026年9月)は中央区が¥13,200→¥14,500(+10.2%、N=140施設)、北区が¥12,100→¥13,200(+8.8%、N=22施設)で、いずれも広島の各区を上回る伸びを示した。2025〜2026年に中央区だけで1,962室が加わったにもかかわらず、12ヶ月平均が2桁近い伸びを保っている点は、インバウンドと冬季イベント需要の厚みを物語る。

出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(推定成約ADR・各月の区内中央値。中央区N=140、北区N=22施設)

月別では、さっぽろ雪まつりを含む2月が突出しており、中央区は2025年2月の¥19,500から2026年2月は¥20,600へ+6.1%となった。夏季は8月が¥16,400で前年同月(¥18,300)を下回った一方、9月は¥16,100と前年同月比+7.2%で持ち直している。北区も2月の¥18,200(前年同月比+14.4%)が年間の山で、冬季の需要が駅北口まで波及している。

2027年に北区で約650室・中央区で約130室、2028年以降に中央区で約1,000室(開業時期未定の計画を含む)が加わる局面では、月ごとの需要の山谷がさらに重要になる。2月と7〜9月の高単価期に新規供給が吸収されるかどうかが、既存施設の単価維持を左右する分岐点といえるだろう。

2都市の比較 — 「駅前集中の広島」と「分散型の札幌」

ここまでを整理すると、広島市は3区合計で既存比+24.3%、札幌市は中央区・北区合計で+12.2%と、増加率は広島が札幌を上回る。広島は駅南口の松原町・的場町に1,598室が集中する「駅前集中型」であり、札幌は駅北口(北区)・大通(パーク ハイアット)・すすきの(南7条の2計画)・中島公園側(ヒルトン)と立地が分かれる「分散型」である。

単価面でも両市の立ち位置は異なる。広島の区別推定成約ADRは1万円前後で、上位ブランドの参入余地が大きい市場である一方、札幌は中央区で1万4,000円台と既に一段高く、2025〜2026年の大量供給を吸収しながら2桁近い伸びを維持している。広島では「価格帯の上方拡張」、札幌では「需要の季節平準化」が、それぞれ新規供給と既存施設の共存の鍵になると考えられる。

建築着工の統計もこの方向感を裏付けている。e-Stat「建築着工統計」によれば、宿泊業用建築物の着工床面積は広島県が2023年の12,590㎡から2024年は32,161㎡へ、北海道が70,738㎡から191,797㎡へと、いずれも前年の2.5倍を超える水準に増えた。2024年着工分が2026〜2028年の開業として順次表面化する時期にあたり、本稿の計画一覧はその一部を捉えたものと位置づけられる。

よくある質問

Q. 広島市で2027年に開業予定のホテルはどれですか。
A. メトロエンジンリサーチが把握する範囲では、アンダーズ広島(235室)、voco広島(301室)、アパホテル〈広島駅前通〉(316室)、PIECES HIROSHIMA(46室)、HOTEL平和GRIT(46室)が2027年の開業・竣工を予定しています。コートヤード・バイ・マリオット広島(183室)は報道により2027年と2028年第1四半期の両方の記載があります。

Q. 札幌市で外資系ブランドの開業予定はありますか。
A. 2026年10月にハイアット セントリック 札幌(216室)が開業したほか、パーク ハイアット 札幌(157室・2029年)とヒルトン札幌パークホテル(約350室・開業時期未定)が計画されています。札幌駅南口の北5西1街区で予定されていた米系最上級ブランドとの契約は解除され、新たな候補を検討中と報じられています。

Q. この一覧は全ての計画を網羅していますか。
A. いいえ。本稿は主要OTAへの掲載が確認できた施設、メトロエンジンリサーチの建築計画データ、各事業者の発表・報道をメトロエンジンリサーチが突合した「把握できた範囲」の一覧です。確認申請前の計画や未発表の案件は含まれず、時間の経過とともに件数・客室数は増える見込みです。

⚠ 供給データに関する注意:開業済施設の集計はOTA掲載確認ベースであり、掲載は開業の数ヶ月前から出るため、直近以降の月は今後の掲載で増加する可能性がある。計画一覧は調査時点(2026年10月18日)での建築計画・公表資料ベースで、今後の申請追加や発表により件数・客室数は増加する見込みであり、現時点での確定パイプラインの下限値として参照されたい。開業時期・客室数はいずれも予定であり、変更される場合がある。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチ&コンサルティングのホテルマスター(既存ストック)、OTA掲載確認ベースの開業施設、建築計画データ(確認申請ベース)、推定成約ADR(区別・各月の区内中央値、2024年9月〜2026年9月の25ヶ月)に、各事業者の発表資料・報道を突合した。宿泊業用建築物の着工床面積はe-Stat「建築着工統計」による。

■ 試算前提

既存比=(2025年〜2026年10月の開業済客室+2026年11月〜2029年の計画客室)÷2024年末の既存ストック。既存ストックは閉館が確認されていない施設の客室数判明分の合計で、計画は客室数が判明した案件のみを計上した(客室数未公表の案件・広島市外の案件は含まない)。推定成約ADRの比較は2025年10月〜2026年9月の12ヶ月平均を前年同期間と比べたもの。

■ 限界・留意点

計画一覧は調査時点(2026年10月18日)で把握できた範囲の下限値であり全数調査ではない。開業時期・客室数は予定値で変更されうる。開業済の集計はOTA掲載確認ベースのため直近月は今後の掲載で増える可能性がある。推定成約ADRは推定値で、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる。区別ADRの変化は供給増との因果を示すものではない。

出典: 日本ハイアット 株式会社「報道資料 2026年4月」

出典: ヒルトン「会社概要」(2026年8月25日更新)

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