(有)式典さがみの(神奈川県相模原市南区大野台6-3-40)は、3月30日に横浜地裁相模原支部より破産手続き開始決定を受けた。同社得意先の地元医療機関で新型コロナ集団感染が発生。高齢の参列者が集まる葬儀の延期や後日葬儀の増加、葬儀の中止などが相次いだ。
1989年2月に設立された葬儀業者。24時間体制で相談を受け付け、直営斎場「さがみの会館」を運営していた。密葬、大型葬、社葬など宗旨・宗派を問わず、葬儀業務全般を手掛け、ピーク時の1997年9月期には売上高約2億5000万円を計上していた。
しかし、以降は葬儀の簡素化、多様化、競争激化などで業容は縮小し、2019年9月期の売上高は約3000万円まで減少していた。
こうしたなか、同社の主要得意先であった地元の医療機関で、今年2月に「クラスター」と呼ばれる新型コロナウイルスの集団感染が発生。以降は、同医療機関から業務の斡旋を受けられなくなった。
また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響から高齢の参列者が集まる葬儀の延期や後日葬儀の増加、葬儀の中止などが相次ぎ受注が急減。先行きの見通しも立たず、事業継続を断念した。
負債は債権者約19名に対し約2億円。
神奈川県では初の新型コロナ関連倒産となった。
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