観光ホテル「萩グランドホテル天空」(183室)を運営する長州観光開発(株)(資本金9000万円、萩市古萩町25、従業員69名)は、4月6日に山口地裁へ自己破産を申請した。萩市内最大のホテルで、山口県内初の「新型コロナウイルス」関連倒産。負債額も18億円に上がる。
183室、萩市内最大のホテルが新型コロナ関連倒産
出典:萩グランドホテル天空
同社は、1972年7月に設立された観光ホテル。70年代~80年代にかけて設備投資を積極的に進め、総客室数183室、最大収容人員800名で、240畳の大宴会場を完備するなど、当地では大手のホテルに成長していた。
1995年にはパチンコ事業にも参入して業容を拡大、99年3月期には40億円近い年収入高を計上していた。その後、収入高の5割以上を占めていたパチンコ事業から撤退して以降、2003年に500坪の庭園大温泉「弘法寺の湯」を開設し、2004年12月にホテルの名称を「萩グランドホテル天空」に変更して料理、土産物店などのサービスを充実する一方で、旅行代理店との企画を進めて県内外から旅行客を集めていた。
しかし、その後は大口の旅行案件の減少などで集客は伸びを欠き、2019年3月期の年収入高は7億円程度にまでダウン、収益性も低下。設備投資に伴う借入金が重荷となり、余裕のない資金繰りが続いていた。
そんななか、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う宿泊予約のキャンセルが3月は80%、4月には95%にのぼり、事業の継続が困難な状況に陥り、今回の措置となった。
現地メディアの報道では、69名の社員やパートの従業員全員が4月6日付で解雇されたという。
負債は約18億円の見込み。
TDBが報じた。
出典:萩グランドホテル天空
山口県萩市ホテル展開状況
メトロエンジンリサーチによると、山口県萩市には宿泊施設が68、部屋数にして1,407室が提供されている。
同ホテルは183室で同市内最大規模のホテル。
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