東京23区ビジネスホテルの施設数・部屋数の推移
メトロエンジンリサーチによると、2019年から2023年の東京23区のビジネスホテルの施設数・部屋数は年々増加を続けている。施設数は30%の増加、部屋数は35%の増加だった。
詳細な施設数は2023年4月時点で969施設(2019年1月時点:743施設)、部屋数は2023年4月時点で123,747室(2019年1月時点:91,450室)となっている。
2019年1月 | 2020年1月 | 2021年1月 | 2022年1月 | 2023年4月 | |
施設数 |
743 |
815 |
881 |
922 |
969 |
部屋数 |
91,450 |
100,752 |
112,601 |
116,762 |
123,747 |
出典:メトロエンジンリサーチ
東京23区ビジネスホテルの施設数・部屋数の推移について
過去4年間で東京23区のビジネスホテルが30%増加!新宿区の開発と客室数を徹底分析
東京23区のビジネスホテルは、過去4年間で施設数と部屋数が約30%増加し、その成長を継続している。コロナ禍の中でも、建設や新規開業は着実に進められており、事業者はアフターコロナのインバウンド復活や国内需要の高まりを見越して準備を進めていることが伺える。
東京23区の中でも、港区、中央区、台東区、新宿区、千代田区を中心に開発と開業が盛んであり、全体の施設数の55%がこの5つの区で構成されている。今回は、新宿区のビジネスホテル業界の施設数と客室数のデータに焦点を当てて詳しく解説する。
新宿区ビジネスホテルの施設数・部屋数の推移
2019年1月 | 2020年1月 | 2021年1月 | 2022年1月 | 2023年4月 | |
新宿区施設数 |
76 |
84 |
89 |
92 |
95 |
新宿区部屋数 |
9,872 |
10,609 |
11,482 |
11,740 |
12,423 |
出典:メトロエンジンリサーチ
東京23区のビジネスホテル市場は、2019年から2023年にかけて右肩上がりの成長を見せている。特に新宿区のビジネスホテルは、施設数が25%増加し、部屋数も26%増加している。
2023年4月時点の新宿区のビジネスホテル施設数は95施設(2019年1月時点では76施設)、部屋数は12,423室(2019年1月時点では9,872室)である。データ比較によると、新宿区のビジネスホテルの新規施設数と部屋数は、23区全体の増加率よりも低い結果となっている。
新宿区は、東京都庁をはじめとした行政機関が集まり、繁華街やビジネスの中心地としても知られるエリアである。これにより、ビジネスホテルの新規開業用地が限られており、また、1坪あたりの地価が23区の中でも高いため、ビジネスホテル展開のハードルが高くなっている。
ただし、宿泊需要が高く収益性の高いビジネスホテル市場であるため、ホテル事業者にとっては展開優先順位が高い人気エリアである。新宿区内でも、特に「歌舞伎町」や「南新宿」エリアが過去5年間でホテル進出が活発に行われていることが分布図から確認できる。
東京都と全国の稼働率の比較推移
2019年は訪日外国人数が過去最高の3188万2000人を記録し、東京23区のビジネスホテルの稼働率も全国平均を上回る高い水準で推移していた。これは、インバウンド観光客が東京を訪れることが確実であり、また国内観光客も地方から東京へ流入していたことが影響している。2019年3月時点での東京のビジネスホテルの平均稼働率は、全国平均の77.2%に対して86.8%と9.6%高い水準だった。
東京23区のビジネスホテルの稼働率は、ほぼ全ての月で80%以上で推移しており、運営が収益性の高い見通しとなっているため、多くのホテル事業者が東京23区での新規開業を計画している。
コロナ禍では、東京の人口が多いことから感染者数も多く、移動制限が厳しくなり、地方からの旅行者が減少した。また、インバウンドの入国もほぼなくなったため、稼働率は全国平均を下回ることが多かった。
しかし、2022年6月のデータでは、東京のビジネスホテル稼働率が1年半ぶりに全国平均を上回るようになり、旅行需要が回復しつつあることが伺える。2023年のデータでは、2019年と同じ水準で推移することが予想されており、東京の旅行需要の再来を予感させるトレンドが見られる。
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