このほど発表されたJLL Hotels & Hospitalityの年次ホテル投資予測によると、2019年の世界のホテル投資額は67.2億USDで2018年の67.7億USDから概ね横ばいとなった。
同社のレポートによると、経済成長の鈍化や地政学的な不確実性が増しているものの、ホテル不動産市場は依然として活況であり、旅行・観光業は記録的な業績となっていることから、投資家はホテル業界に対して楽観的な見通しを示している。
世界のホテル投資の約7割を直近5年間において、複数の資産に投資を行う一般的な投資家が担っており、ホテルの高収益性への魅力から、投資家は不動産投資へと向かい、特にホテルへの参入を強めると見られる。
また、2018年においては最大の資本流入が欧州に向かって行われており、中東やアジアの投資家によるものであった。同社は、2019年においては国際的な投資流入が強まると見ており、欧州や北米の投資家がアジア全域や従来の主要市場以外の部分での越境投資を強めるという。
さらに、2019年においてはホテルの世界客室数にトップホテルブランドの占める割合が現在の3分の1弱から、トップホテルブランドが既存のホテルブランドを補完するために独創的なコンセプトや異拠点に展開するホテルをターゲットとした買収を行うことにより、高まると予測した。
JLL Hotels & HospitalityのグローバルCEOのMark Wynne Smith氏は以下のコメントを述べた。
「投資活動は2018年は予想を超えるものとなった。2019年においては世界のホテル投資は堅調となると予測する。負債や株主資本の流動性、資産への競争的な入札などにより、ファンダメンタルの力強さは継続されるだろう。
より警戒すべき多くの大規模な投資活動があるにも関わらず、ホテルの魅力的な高収益性と手元資金の記録的な水準によって、世界規模のホテル投資のモメンタム(勢い)は失われていない。」
Hotel News Resourceが報じた。
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