2023年12月最新の札幌市の新規開業施設についての解説をお伝えする。
札幌市の新規開業施設分布
メトロエンジンリサーチによると、札幌市の新規開業施設の分布は以下の通り。
出典:メトロエンジンリサーチ
出典:メトロエンジンリサーチ
札幌市の新規開業施設は中央区に約87%が集中
札幌市の新規開業施設は15施設(3,574室)が予定されており、そのうちの約87%の13施設(2,944室)が港区に集中している。また、既存施設でも札幌市全体の施設数(341施設)の約60%が中央区に集中している。
新規開業施設 |
|||
順位 |
札幌市 | 施設数 | シェア |
1位 |
中央区 | 13 施設 | 86.7 % |
2位 |
東区 | 1 施設 | 6.7 % |
3位 |
北区 | 1 施設 | 6.7 % |
合計 |
15 施設 |
出典:メトロエンジンリサーチ
既存施設 |
|||
順位 |
札幌市 | 施設数 | シェア |
1位 |
中央区 | 204 施設 | 59.8 % |
2位 |
南区 | 35 施設 | 10.3 % |
3位 |
北区 | 34 施設 | 10.0 % |
4位 |
豊平区 | 16 施設 | 4.7 % |
5位 |
白石区 | 13 施設 | 3.8 % |
6位 |
西区 | 11 施設 | 3.2 % |
7位 |
手稲区 | 9 施設 | 2.6 % |
8位 |
東区 | 8 施設 | 2.3 % |
9位 |
厚別区 | 6 施設 | 1.8 % |
10位 |
清田区 | 5 施設 | 1.5 % |
合計 |
341 施設 |
出典:メトロエンジンリサーチ
海外ラグジュアリーホテルブランドの進出
札幌市に新規開業する施設の中では、海外ラグジュアリーホテルブランドの進出が目立ってきている。この傾向は、東京港区や京都など訪日外国人に人気のエリアと同傾向となっており、同様に都市再開発プロジェクトが活発である点も興味深い。
施設名 |
部屋数(推定) | 竣工 開業予定日 |
ヒルトン札幌パークホテル |
350 室 | 2023年12月31日 |
コートヤード・バイ・マリオット札幌 |
321 室 | 2024年8月1日 |
ハイアットセントリック札幌 |
216 室 | 2026年6月1日 |
出典:メトロエンジンリサーチ
札幌市に新規開業予定のホテルを一部紹介
ヒルトン札幌パークホテル
「ヒルトン札幌パークホテル」は、「日本の都市公園100選」に選定されている中島公園に隣接し、札幌の中心部にも近く、主要なビジネス街、ショッピング街、北日本最大の歓楽街すすきのからも徒歩圏内という絶好のロケーション。客室は、全てスイートタイプの350室、レストランやバー、ラウンジなどの飲食施設も充実しており、フィットネスセンターやスパなどのウェルネス施設も備えている。
コートヤード・バイ・マリオット札幌
「コートヤード・バイ・マリオット札幌」は、当ブランドの国内7軒目の開業となる。全室に上質な寝具を備えた321室の客室は、ゲストルーム、ファミリールーム、スイートルームがあり、フレキシブル・ワークスペースや無料の高速Wi-Fiを完備。ホテル1階にはカフェ&バー、2階にはダイニングを備え、セミオープンキッチン、ライブクッキング、ベーカリー・ステーションを特長とするオールデイダイニングとなっている。
ハイアットセントリック札幌
「ハイアットセントリック札幌」は、地上26階、地下2階建の複合ビルの1階の一部と17階~26階に位置する。17階のロビーは、ホテルロビーとして札幌で随一の高さ70mとなっており、北海道庁旧本庁舎や北海道大学植物園の豊かな緑などが広がる。客室は全216室、館内には地元の食材を味わうことができるレストランのほか、宴会やイベントに利用できるマルチファンクションスペース、フィットネス施設などを備える。
海外ラグジュアリーホテルブランド進出の背景
札幌市は、コロナ禍の中、2022年冬頃から徐々にインバウンド客が戻り始め、雪まつりも3年ぶりに再開され、2023年の開催では約175万人が来場している。
札幌市の宿泊需要は、近年アジア圏からの観光客が牽引する形で著しく伸びており、2030年の北海道新幹線の札幌延伸や、冬季オリンピック誘致に名乗りを上げるなど、観光・MICEの需要において国内外で注目を集める都市となってきていることなどが、海外ラグジュアリーホテルブランド進出の背景にあることが推察される。
今回、新規開業する15施設の平均客室数は約238室と大型、ホテルのグレードをスーペーリア以上とするラグジュアリーホテルや、観光とビジネスの両面でグローバルレベルのサービスの提供することを目的としたホテル進出も多く見られた。
札幌市が国際的な観光都市として国内外から認知されることにより、北海道内の様々なエリアへの波及効果が期待できることから、今後もさらに活発な都市開発が進んでいくことが予想されている。
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