2023年4月時点の東京23区の新規開業施設についての考察をお伝えする。
東京23区の新規開業施設分布
メトロエンジンリサーチによると、東京23区の新規開業施設の分布は中央区に集中している。
新規開業施設が集中している中央区の分布。
なぜ、中央区に集中しているのか?
既存施設数では現在5位の中央区
2023年以降の新規開業施設が集中している中央区だが、既存施設数では台東区、新宿区、港区、豊島区に次ぐ5位(195施設)となっている。
順位 |
東京23区 | 既存施設数 |
1位 |
台東区 | 479 施設 |
2位 |
新宿区 | 285 施設 |
3位 |
港区 | 202 施設 |
4位 |
豊島区 | 199 施設 |
5位 |
中央区 | 195 施設 |
6位 |
千代田区 | 134 施設 |
7位 |
大田区 | 125 施設 |
8位 |
渋谷区 | 117 施設 |
9位 |
墨田区 | 116 施設 |
10位 |
品川区 | 84 施設 |
出典:メトロエンジンリサーチ
中央区は訪日外国人に人気のエリア
中央区は、東京都心部の中央に位置する特別区。千代田区、港区とともに「都心3区」の一角をなし、「銀座」「日本橋」といった繁華街や「歌舞伎座」「築地市場」といった日本文化を代表するスポットを擁する。
平成30年4月の「宿泊旅行統計調査(JNTO)」が発表したデータでは、千代田区に次ぐ76,390人の訪日外国人が中央区に宿泊しており、人気の高さが伺える。
約3年間続いたコロナ禍の終息が感じられ、インバウンドが急速に回復している状況などが、2023年以降の新規開業施設が中央区に集中している要因として推察できる。
中央区の新規開業予定施設を一部紹介
メトロエンジンリサーチによると、2023年〜2029年に開業予定の新規施設・部屋数トップ3は以下の通り。
順位 |
施設名 | 部屋数(推定) | 開業予定時期 |
1位 |
(仮称) 京橋三丁目東地区第一種市街地再開発事業 | 439室 | 2029年6月1日 |
2位 |
トーセイホテル ココネ築地銀座プレミア | 205室 | 2023年10月31日 |
3位 |
キャプション by Hyatt 兜町 東京 | 200室 | 2025年1月1日 |
出典:メトロエンジンリサーチ
1位の「(仮称) 京橋三丁目東地区第一種市街地再開発事業」は、東京建物が手掛ける地上35階、地下4階、高さ約180m、延べ面積約164,000㎡の超高層ビル。オフィスを主体とし、上層階に国際水準のホテル(面積17,000㎡)を設ける計画となっており、2025年度の着工、2029年度の竣工を目指している。
2位の「トーセイホテルココネ築地」は、観光地として人気が高い築地場外市場や銀座に近く、徒歩でアクセスできる立地。都内を中心に展開する「トーセイホテル ココネ」シリーズ初となる「プレミア」を冠したホテルとなっており、プレミアムルームやスイートルームなど、20種類を超えるバラエティ豊富な客室を提供する。
3位の「キャプション by Hyatt 兜町 東京」は、東京駅へ徒歩圏内であり、成田・羽田両国際空港からのアクセスも良好。「トークショップ(Talk Shop)」と呼ばれる飲食を提供するソーシャルスペースを中心に据えて地元コミュニティの創出を目指し、地域と旅行者の双方に焦点を当てている。
中央区の今後の展望
中央区は、2029年までに14施設・2218室の新規開業施設が予定されている。
世界的なブランドから様々な高級ショップが立ち並ぶ一方で、歌舞伎座のような歴史的建造物もあり、築地市場などで日本の食文化を体験できる中央区は、国内のみならず、訪日外国人にとって非常に人気の高いエリア。
2022年秋より海外旅行客に対する水際対策は大きく緩和され、インバウンド需要は急速に回復に向かっている。そのような環境のなか、伝統と最先端のトレンドや東京の食を満喫できる中央区は恵まれた立地。今後の東京観光の起爆剤として、大きな期待が寄せられている。
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