マリオットインターナショナルが、OTAへの手数料の削減に向けて、エクスペディアグループを皮切りに契約の見直しを開始する。ロイターなど複数の海外メディアが報じている。
自社サイトへの誘導とOTAの手数料削減
マリオットは、エクスペディアグループを皮切りに本年から来年にかけて、契約済のオンライン旅行会社(OTA)との手数料の契約を見直す交渉に入る。
OTA側は既にホテルチェーンによる直接予約の強化の動きにより、強い手数料削減への圧力を受けている。ホテルチェーン側はフリーWiFiの提供やディスカウントなどの特典を与えることで顧客側にホテルのウェブサイトやモバイルプラットフォームから直接予約するように誘導している。
こうした中で、マリオットは、OTAを通すことによるコストをさらに削減するために、手数料の見直し交渉を開始することを発表した。
マリオットがOTAとの契約内容を見直すのは、2016年9月にスターウッドホテルと合併をして以来初めてのことで、手数料の削減はマリオットのRevPAR改善に資することが見込まれている。
エクスペディアとの契約は本年後半に期限切れするためそのタイミングでの再交渉となり、
その後もブッキングホールディングスとの契約見直しを2019年に予定する。
マリオットは現在、OTA側に10%ほどの手数料を支払っており、マリオットの全体の予約数の12%を占めている。
しかし、現在大半の予約は、同ホテルのウェブサイトやモバイルプラットフォームからの直接の予約となっており、顧客のオンライン使用の増加により旅行会社やOTAを通じた予約は減少傾向にあるとされ、マリオット側の強きな交渉姿勢を後押ししている。
あいう
アジア太平洋進出の投資に
あいう
マリオットは既に本年1月にOTAへの手数料を10%から7%に削減する方針を示している。
マリオットは今月インドのバンガロールに、100店舗目のホテルを開業する予定で、本サイトが「マリオットがカンボジアの不動産企業と提携、アジア太平洋地域で事業拡大へ」
(2018/03/23)で報じた通り、アジア太平洋への進出を強化している。OTAへの手数料削減により、こうした地域への投資強化に費やしたい意向だ。
OTA手数料削減の動きは、ヒルトンなど他社にも広がっている。
他方で、OTA側にとってはホテルの自社サイト強化と手数料の削減は、大きな脅威と損失となることから、今後どのような対策を打ち出すのか注目される。
他方で、OTA側にとってはホテルの自社サイト強化と手数料の削減は、大きな脅威と損失となることから、今後どのような対策を打ち出すのか注目される。
[関連記事「ホテル自社サイトと OTA、最適な宿泊客の獲得手法は」(2018/03/15)]