(公社)京都市観光協会および(公財)京都文化交流コンベンションビューローが、京都市内の主な39のホテルの協力を得て国・地域別の外国人客宿泊状況調査を実施、2018年上半期の外国人客宿泊状況調査結果を発表した。
中国人がトップ、北欧からの来京が急増
上半期(1−6月)の外国人利用割合は、前年同期差 3.8 ポイント増の 43.5%となり、上半期として初めて 4 割 を超えた。
国・地域別の構成比では、中国が前年同期差 2.9 ポイント増の 26.0%で、引き続き最大市場となり、 特に 2 月の春節の時期には 4 割近くまでシェアを伸ばすなど、インバウンドの伸長をけん引した。
台湾は、前年同期差 2.2 ポイント減の 16.3%で、実人数伸率も 4.4%減とマイナス値であった。
韓国は同 0.5 ポイ ント増の 5.5%と前年同期の 5 位から一つ順位を上げ 4 位となった。
国・地域別の実人数伸率では、フィンランドやスウェーデン、スペイン、イタリアなどのヨーロッパ諸国で大きな伸びが見られた。他地域よりも昨年同期と比較して円安が進み、ユーロ圏からの観光客にとって有利な状況であったことも要因の一つとして考えられる。
日本人を含む客室稼働率は、前年同期差 0.1 ポイント減の 86.6%であった。また、京都市観光協会が提携するSTR の調査結果によると、客室稼働率(OCC)は 0.9%減少するも、平均客室単価(ADR) が 4.2%上昇したことから、客室収益指数(RevPAR)は 3.3%伸長した。
各国別の宿泊実人数構成比と伸び率の詳細は以下の表の通り。
接近する日本人/外国人の利用割合
客室稼働率と日本人、外国人の利用割合では以下のグラフの通り、外国人利用割合が年々急進しており、日本人利用割合に年々近づいてきているのがわかる。
また、以下の月別の外国人利用割合の推移でも、昨年比で1月をのぞき、全ての月で上回った。
国別では時期で変動も、民泊新法施行後の影響注視
さらに、各国別の月別構成比は以下のグラフの通りで、春節時期に中国の割合増加が顕著であるものの、4月の桜の時期にはヨーロッパがトップとなった。また、6月中途には住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行があったが、中国の構成比が再び大きく跳ね上がっているのがわかる。
国別での動きには季節性が確認されたが、民泊新法施行後の影響については、中長期で今後も注視する必要があると言えるだろう。
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