観光庁は、2019年の訪日外国人旅行消費額は4兆8,113億円、前年比6.5%増と発表。また、JNTO(日本政府観光局)は2019年の訪日外客数の推計値を前年比2.2%増の3,188万2千人と発表した。
1人当たり旅行支出は15万8,458円で前年比+3.5%
観光庁によると、2019年の訪日外国人旅行消費額は4兆8,113億円(前年比+6.5%)で7年連続過去最高を更新。
訪日外国人(一般客)1人当たり旅行支出は15万8,458円(前年比+3.5%)。
訪日外国人旅行者数が中国、東南アジア、欧米豪で好調だったことから、消費額も増加した。
国籍・地域別では、中国1兆7,718億円(構成比36.8%)、台湾5,506億円(同11.4%)、韓国4,209億円(同8.7%)、香港3,524億円(同7.3%)、米国3,247億円(同6.7%)の順で多く、これら上位5カ国・地域で全体の71.1%を占めた。
韓国が2018年の5,881億円(同13.0%)から4,209億円(同8.7%)へと3割近い大幅な減少となった。
出典:観光庁
訪日外客数は2019年12月、3か月連続で前年同月を下回る
また、JNTOによると、2019年の訪日外客数は、前年比2.2%増の3,188万2千人で、JNTO が統計を取り始めた1964年以降、最多となった。
東アジア市場については、韓国市場において 8月以降訪日外客数が半減する状況が続いているものの、韓国市場を除く中国・台湾・香港の3市場は新規就航や増便等による航空座席供給量の増加もあり前年を上回った。
東南アジア市場については主要市場において新規就航や増便等により航空座席供給量が増加したこともあり年の後半にかけて高い伸びとなり、欧米豪市場については桜やラグビーワールドカップ2019日本大会の開催を契機とした訪日需要の高まりもあり年間を通じて好調な伸びを示した。
市場別では、中国が959万4千人となり全市場で初めて950万人を超えたほか、英国がラグビーワールドカップ2019日本大会開催期間中の9月と10月に前年同月比80%増を超える伸率を示し初めて40万人を突破した。
他方で、訪日外客数の伸び率は前年の8.7%増から2.2%増へと大きく鈍化した。
2019年12月の訪日外客数は、前年同月比4.0%減の252万6千人となり、2018年12月の263万2千人を10万人以上下回り、3か月連続で前年同月を下回った。
訪日外客数が多い韓国市場の減速(前年同月比63.6%減)が、訪日外客数全体が前年同月を下回る要因となっており、仮にこの状況が長期化すればインバウンド戦略全体を見直さなくてはならないという関係者の懸念が高まっている。
出典:JNTO
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