2023年12月時点の札幌市の既存ビジネスホテルの施設数・部屋数・稼働率の推移をお伝えする。
札幌市の既存ビジネスホテルの分布
メトロエンジンリサーチによると、札幌市の既存ビジネスホテルの分布は中央区に集中しており、札幌市全体の施設数 341施設に対し204施設と約60%を占めている。
札幌市 |
宿泊施設数 |
部屋数 |
中央区 |
204 施設 | 25,591 室 |
南区 |
35 施設 | 2,930 室 |
北区 |
34 施設 | 3,569 室 |
豊平区 |
16 施設 | 545 室 |
白石区 |
13 施設 | 385 室 |
西区 |
11 施設 | 316 室 |
手稲区 |
9 施設 | 213 室 |
東区 |
8 施設 | 155 室 |
厚別区 |
6 施設 | 717 室 |
清田区 |
5 施設 | 61 室 |
合計 |
341 施設 | 34,482 室 |
出典:メトロエンジンリサーチ
札幌市の既存ビジネスホテル施設数の推移
札幌市の既存ビジネスホテル施設数は 20%増
札幌市の既存ビジネスホテル施設数は20%増加。
2019年1月時点の110施設から直近の2023年12月時点の132施設と5年間で22施設の増加となっている。
出典:メトロエンジンリサーチ
施設数の推移にコロナ禍の影響はあったのか
コロナ禍の影響下にあった期間を 2020年1月〜2022年5月(ほぼ沈静化していた時期)とした上で、期間を分けて影響を考察してみたい。
結論、影響は薄かったと読み取れる。コロナ禍以前の 2019年1月〜2020年1月は10施設の増加。コロナ禍の影響下にあったとされる 2020年1月〜2022年5月でも8施設の増加、コロナ禍が沈静化した 2022年5月〜2023年12月の期間は4施設の増加となった。
このことから、札幌市のビジネスホテルの施設数の推移はコロナ禍の影響は薄く、ほぼ同ペースの増加傾向で推移していったことがわかる。
集計日 |
施設数 |
増減 |
2019年1月 |
110 施設 | |
2020年1月(コロナ禍) |
120 施設 | + 10 施設 |
2022年5月(沈静化) |
128 施設 |
+ 8 施設 |
2023年12月 |
132 施設 | + 4 施設 |
出典:メトロエンジンリサーチ
札幌市の既存ビジネスホテル部屋数の推移
札幌市の既存ビジネスホテル部屋数の推移は 29%増
札幌市の既存ビジネスホテル部屋数の推移は4,660室の増加。施設数推移のグラフとほぼ同じ形状で推移していると言って良い。単純に部屋数を施設数で割ることによって求めた平均部屋数では、2019年1月時点が145室に対し、2023年12月時点では156室となっている。
出典:メトロエンジンリサーチ
部屋数の推移にコロナ禍の影響はあったのか
施設数の時と同様にコロナ禍の影響化にあった期間を 2020年1月〜2022年5月(ほぼ沈静化していた時期)とした上で、期間を分けて影響を考察してみたい。
結論、部屋数の推移も施設数の推移と同様に影響は薄かったと読み取れる。コロナ禍以前の2019年1月〜2020年1月は2,022室の増加。コロナ禍の影響下にあったとされる 2020年1月〜2022年5月でも1,693室の増加、コロナ禍が沈静化した 2022年5月〜2023年12月の期間は945室の増加となった。
集計日 |
施設数 |
増減 |
2019年1月 |
15,898 室 | |
2020年1月(コロナ禍) |
17,920 室 | + 2,022 室 |
2022年5月(沈静化) |
19,613 室 |
+ 1,693 室 |
2023年10月 |
20,558 室 | + 945 室 |
出典:メトロエンジンリサーチ
札幌市の既存ビジネスホテル稼働率の推移
出典:メトロエンジンリサーチ
札幌市の既存ビジネスホテルの稼働率は、全国の稼働率とほぼ同様の推移を見せている。グラフからもコロナ禍(2020年1月〜2022年5月)の影響は読み取れ、2022年の5月以降から回復基調となっていることが確認できる。
コロナ禍以前は、3月・4月・11月の閑散期シーズンを除き、全国の稼働率を上回っていた札幌市。2022年5月以降は、閑散期シーズンを除き全国稼働率を上回る回復を見せている。
特に直近、2023年6月・7月・8月は全国稼働率を10〜15%程度上回る稼働率まで戻ってきており、2023年から2024年にかけたスキーシーズンへの期待が高まっているところだ。
大阪・京都などと同様に訪日外国人に人気の高い都市である札幌市では、訪日外国人の受け入れが全面的にストップしたコロナ禍での影響は非常に大きく、特に訪日外国人が多く訪れるスキーシーズン(12月・1月)の落ち込みは、全国平均と比べても厳しいものであったことがグラフからも読み取れるが、2022年5月以降の稼働率から推察すると順調な回復をみせていることがうかがえる。
まとめ
札幌市のビジネスホテルの現状は、施設数・部屋数の増加はコロナ禍の影響を若干感じさせる部分があったが、概ね順調に増加してきたと言えるだろう。稼働率に関しては、訪日外国人の受け入れストップの影響は非常に大きかったが、2022年5月以降は堅調な回復をみせている。
まさに今から始まる(2023年12月〜2024年2月)スキーシーズンにおいて、訪日外国人の需要がコロナ禍以前に戻ることで、全国平均を上回る稼働率が戻ってくることが強く期待されている。
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