東京都は、福島県の観光振興と地域経済の復興を継続して支援するため、東日本大震災以降続けている「福島県復興支援教育事業」を今年度も実施することを発表した。
東京都の福島復興支援の教育事業
4月11日の公益財団法人東京都観光財団(TCVB)の発表によると、東京都およびTCVBは東日本大震災以降続けている、都内の学校の福島県への教育旅行の支援を今年度も実施する。
この事業は、旅行者が福島県を訪れ、宿泊や飲食、地域特産品の購入等の消費活動を通じて地域経済を活性化し、復興を支援することを目的としたもの。
福島県が実施する「福島県教育旅行復興事業」と連携し、都内の学校が実施する福島県への教育旅行を支援する。
・交付対象
「福島県教育旅行復興事業」の補助を受けて、福島県に教育旅行を実施する都内学校
・対象期間
交付決定の日から平成31年3月31日までに完了する旅行。
・補助内容
福島県で宿泊を伴う教育旅行を実施する学校のバス1台当たり経費の1/2又は5万円上限
となっている。
詳細は、TCVBウェブサイトより概要等を参照のこと。
東京都の被災地、福島支援事業の展開
東京都は、本件以外にも、区市町村や鉄道事業者・金融機関などの民間団体等と連携して、都内各地で福島県産品の販売と観光PRを継続的に支援する「ふくしま⇔東京キャンペーン」を展開している。
また、「被災地応援ツアー」として、登録する旅行会社が企画または手配し、販売する、福島県を目的地とする宿泊旅行や日帰り旅行への割引措置など複数の支援を実施している。
宿泊を伴うことの復興へのインパクト
観光庁の昨年の発表によると国内旅行消費額のうち、宿泊旅行消費額は16兆0,335億円で、日帰り旅行消費額は4兆9,212億円と宿泊旅行は日帰り旅行の3倍以上の消費額となる。
宿泊旅行と日帰り旅行は単価が大きく異なり、そのため宿泊施設に滞在してもらうことの復興に向けた効果は非常に大きいと言える。
本件は宿泊を伴うことを前提としており、東北の被災地、特に今も原発事故後の風評被害に苦しむ福島を実地で見て確かめ、旅行することは子供たちにとっても大きな気づきを得る教育的意義も大きい取り組みと言えるだろう。
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