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鎌倉祭り以後の鎌倉観光とホテル稼働予測

4月8日(日)から15日(日)まで開かれた鎌倉祭りは、昨日流鏑馬が行われ多くの観光客が訪れた。今後、鎌倉では5月のゴールデンウイークについで、6月の紫陽花の季節を迎える。国内有数の観光地である鎌倉の宿泊施設のトレンドと稼働を予測する。

鎌倉の観光シーズンは梅雨
鎌倉の観光入込客数は、初詣のため1月に鶴岡八幡宮を中心として訪問客が増えるため断トツで多いことはすぐに想像できるであろうが、その次は何月とお思いだろうか。

鎌倉市入込観光客数(2016年)

出典:鎌倉市統計

上記のグラフを見てわかる通り、鎌倉市によると、1月に次いで多いのは、夏休みで海水浴客が集まる7月や8月、桜の3月4月や、ゴールデンウィークのある5月ではなく、実は梅雨の6月である。

6月に鎌倉を訪れる人が多いのは、長谷寺やアジサイ寺とも呼ばれる明月院などの紫陽花が大変な人気を誇っているためである。一般的には晴れの陽気が良く連休もある5月が観光シーズンで、雨が多く特段の休暇もない6月は観光客数が減ることから、6月に観光客が多い点が鎌倉観光における大きな特徴ということができるだろう。

カテゴリー別宿泊施設出店状況
鎌倉市内において存在する宿泊施設は思いのほか少なく、多くが東京や横浜などからの日帰り客によって構成されており、また宿泊先を温泉のある同じ神奈川県内の箱根としている場合が多いことなどが原因と考えられる。

鎌倉市ホテルカテゴリー別割合

出典:メトロエンジンリサーチ

上記のグラフの通り、宿泊施設のカテゴリーとしては、簡易宿所が最も多い15件、ゲストハウス8件、ビジネスホテル7件などとなっていて、大きなリゾート系施設はその他に分類した1件のみだった。

鎌倉を訪れる観光入込客数は2017年には596,700人と前年の691,700人から13.7%の減少を示した(月別は未発表)。これは、昨年に8月天気の悪い日が多かったためで夏場の天候によって客数が大きく左右されるためで、観光客が減少傾向にあるとまでは言えないものの、経年で見ても概ね横ばいが続いており、メトロエンジンリサーチでも鎌倉市内に新規のホテル出店の予定は確認できなかった。

5月、6月の在庫、稼働予測
メトロエンジンリサーチによると、鎌倉市内の宿泊施設の部屋数は992部屋であるが、6月の紫陽花シーズンにおける部屋の在庫は既に非常に少なくなっている。宿泊施設の稼働率は平日においても80%を超えて、土日においては90%を超えるものと予測され、6月はほぼ全日程にわたりフル稼働状態となる見込みである。
対して5月はゴールデンウィーク中は95%の稼働率を誇るが、平日においては稼働率が7割程度にとどまる見込みとなっており、鎌倉市の入込観光客数の月ごとの変動を裏付ける結果となっている。

こうした紫陽花のピーク時に加えて通年において海外や東京などからの観光客に、日帰りではなく宿泊をして楽しんでもらうことができるようになれば、鎌倉におけるさらなる宿泊施設の稼働や新規出店と消費の拡大につながってくることになるだろう。

[関連記事 「約2,000万人の観光客が訪れる鎌倉のホテルが非常に少ない理由とは?」(2017/11/17)

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