JTBが本日11月20日に、2018年4-9月決算の発表を行なった。売上高は6,867億円(前期比4.4%増)となった。他方で、営業利益は14億円(同80.5%減)、経常利益は43億円(同56.1%減)、当期純損失は11億円で大幅減益となった。
売上高4.4%増加も経費の増加により営業利益80.5%減
旅行事業を取り巻く市場環境は、国際情勢の緊張緩和等により、海外旅行はヨーロッパ方面等が堅調に回復。
一方国内旅行は、地震・集中豪雨・台風といった自然災害等の影響により需要は低調となった。
訪日旅行は、伸率に鈍化が見られるものの、訪日外国人旅行者数は引き続き伸びている。
2018年4月1日より「個人」「法人」「グローバル」という事業単位の再編を行ったJTBグルー プは、このような環境のもと、2018年4~9月期においては、法人事業の堅調な推移、海外のM&Aの効果等があり、自然災害による大きな影響を受けたものの売上高は増収となった。
しかしながら、経営改革に伴う経費の増加や基盤強化のためのシステム関連経費の増加等により、減益となった。
同グループの2018 年度 4~9 月期連結決算概要は、以下の通り。
売上高:6,867億円 (前期比4.4%増)
営業利益:14 億円 (同80.5%減)
経常利益:43 億円 (同56.1%減)
当期純損失:11 億円
また、同社グループの概況は以下の通り。
連結対象会社数:国内34社、海外122社、持分法適用会社24社 計180社
従業員数:29,292 名(2017年9月末より987名増)
ピーク期優先先行販売、ホテルシップ、欧州インバウンド事業
JTBは、個人事業において新たな販売の改革として、ステージ制を刷新して店舗来店予約や来店時優先受付を全国展開し、希少性の高い商品の特別予約枠設定やピーク期の優先先行販売等のサービスを拡充した。
法人事業ではスポーツビジネスにおいて、「東京五輪2020」に関連し、大会開催時の宿泊需要対応へのひとつの課題解決策として、競技大会期間中にクルーズ船を宿泊施設として活用する「ホテルシップ」を日本で初めて商品化し、他社に先駆けたオリンピック関連商品の発売を行った。
グローバル事業におけるインバウンド事業(海外において、主に日本以外からの顧客を現地で受入れる取扱い)は、欧州において、大手ランドオペレーターであるKuoni Global Travel Service社が持つブランド力とネットワークを活用して、従来の欧州グループ会社と統合した 「KUONI TUMLARE」を新たに発足させて、世界中から顧客を迎える欧州インバウンド事業を強化。
同社グループの海外の拠点数は、9月末時点で39カ国、143都市、510拠点となっている。
2022年度「第三の創業〜ソリューションモデルへの進化」
2018年度下期については、日本人の海外旅行者数の増加、グローバル人流の拡大、訪日外国人旅行者数の続伸、観光立国、地方創生等が継続することが想定される。
このような環境のもと、同社グループは、持続的な成長を実現するために、「JTBならではの価値」を具体的に創り出し、「デジタルとヒューマンタッチの融合」による、新たなビジネスに挑戦。
そのため、今後もスピード感を持って経営資源の成長領域への大胆なシフトを行い、2022年度に「第三の創業~ソリューションモデルへの進化」の基盤を完成させることを目指し、チャレンジしていくという。
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