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日本経済研究センター、2020年度は4%のマイナス経済成長

(公社)日本経済研究センターは「景気浮揚対策ではなく、コロナ対策を最優先に-生活保障、企業支援など11兆円の真水-感染終息への見通し明示を」と題する緊急政策提言を発表した。

訪日外国人900万人へ、世界の終息が危機前回復に必要

出典:日本経済研究センター

同センターによれば、中国に端を発した新型コロナウイルスの大流行によって欧米や日本は経済活動が麻痺し、“コロナ恐慌”につながりかねない瀬戸際にある。また、仮にウイルス感染の終息が年内いっぱいまでかかる場合、日本の2020年度の経済成長率は4%程度のマイナス成長に陥る可能性があるという。

厳しい外出制限で、欧米の消費活動が停滞するほか、中国では労働者の職場復帰が順調に進まず、稼働率が十分に回復しないと想定した。

また、東京五輪の開催が延期されたこともあって、訪日外国人は2019年の3000万人超から2012年レベルの900万人を切る水準まで減少すると予測した。

さらに、日本国内でコロナ危機が落ち着いても、経済構造が変わってしまうリスクがあり、例えば世界のどこかで感染が広がっている間は、訪日外国人が危機前の水準に回復することは難しいと指摘した。

コロナ危機の中長期経済予測

出典:日本経済研究センター

ただし、雇用喪失については四半期ではより厳しい時期があるとしつつ、終息後をにらみ、雇用削減に至る割合については、リーマンショック時より少ない可能性があるとした。

出典:日本経済研究センター

軽減型対応と使い分け、封じ込め対応は感染終息の見通しを

感染防止の進め方は、2通りあるとして、1つは、一時期の北海道並みに外出を禁じて、その間の経済活動の停止を受け入れる(封じ込め対応)。もう1つは、密集を避けるなど一定のルールの下で経済活動を続けながら、時間をかけて緩やかに鎮静化を図る(軽減型対応)。

同センターは、この2つに分け、疫学の専門家の助けを借りて、終息への道のりを示すべきだとした。

その上で、仮に感染が拡大した場合には、封じ込めが必要になるが、その場合の見通しが理解されていれば、混乱は抑えられるはずだとして、封じ込め対応と軽減対応の切り替えがわかりやすいガイドラインを作成し、示すべきだとしている。

そのほか、「コロナウイルス撲滅へ医療政策プログラムに1兆円」、「生活保障で 2.5 兆円の給付、段階的に、失業者には雇用保険で」、「企業の資金繰り、個人の住宅ローンの返済猶予、10 兆円の金融支援」、「感染終息後の景気対策、DX加速の政策に5兆円以上を」「財源は所得税額に5%上乗せ、復興増税形式で」などの提言を行なった。

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