星野リゾートは、同社が運営する全30の宿泊施設での個包装ソープ類を2019年中に撤廃し、ポンプボトル式での詰め替え運用へと変更することを決定した。
環境負荷を軽減したサスティナブルなリゾート運営へ
出典:星野リゾート
自然環境が豊かなリゾート地においては、自然を資源として活かしながら保全に努めるとともに、施設運営による周辺環境への負荷を限りなくゼロに近づけることが求められている。
リゾート運営を専門とする同社にとって、環境負荷を軽減したサスティナブル(持続可能)なリゾート運営を行うことは企業競争力のひとつ。そのことから、同社では1992年より環境経営に取り組んでいる。
星野リゾートは、1914年の開業当初から水力発電を実施。1991年、社長に就任した星野佳路氏(現星野リゾート代表)は、経営ビジョンとして「リゾート運営の達人になる」を掲げ、経常利益率・顧客満足度・環境経営の3つの指標を設けた。
環境経営は、星野リゾートが自然と共生するために不可欠な3つの要素で構成されている。ゴミの資源化100%を目指す「ゼロエミッション」、自ら使うエネルギーはできるだけ自給していく「EIMY」の考え方をコンセプトとした「自然エネルギーの活用」、そして自然を守りながら持続的な観光資源として活用する「エコツーリズム」。
ゼロエミッションでは、活動の開始当初からリゾート運営事業につきものの「アメニティごみ」削減に取り組んだ。星のやをはじめ、界・リゾナーレの3ブランドでは、すでに個包装ではなく、ポンプボトル式ソープ類を採用。
しかし、国内全宿泊施設での取り組みまでには至っていない。
現在、星野リゾートではブランドの垣根を超え、全社を挙げたアメニティごみ削減に取り組み始めている。その取り組みの第1弾が、2019年中の個包装ソープ類撤廃。星野リゾートが運営する国内全宿泊施設の内、約90%にてすでにポンプボトル式を採用しているが、目指しているのは100%全施設での導入。
ソープ類をポンプボトル式にすることで、個包装ソープ類使用時と比較すると約49t/年のプラスチック容器、約73kl/年のソープ類の破棄削減につながるという。
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