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デッドスペースを「宝の山」に、戸板女子短期大学と変なホテルが共同企画を推進

戸板女子短期大学の学生10名が、HISグループが運営する「変なホテルプレミア東京 浅草田原町」に対し、館内の未活用スペースを活用する新規ビジネスを提案した。2025年7月1日に始動した本プロジェクトは、年商約6,000万円の売上を見込んでおり、運営会社への提案も完了している。単なるアイデアに留まらず実現性の高い取り組みとして、今秋の実現に向けて具体的に進められている。

(出典:戸板女子短期大学

変なホテル」は国内外の旅行者に高い稼働率で支持されてきたが、館内資産をより有効に活用し、新たな収益源を構築することが課題となっていた。急増するインバウンド需要に対応するためにも、宿泊以外の体験価値を提供することが次の成長戦略に位置づけられていた。一方、戸板女子短期大学は「個性を磨き、社会で輝く女性」を育成する方針のもと、実践的な教育を強化していた。現実の課題解決に挑戦することで学生が主体的に学ぶ機会を重視しており、両者のビジョンが一致したことで本プロジェクトが始動した。

(出典:戸板女子短期大学

学生が提案したのは、これまで有効活用されていなかった約150㎡の待合スペースを生かした「手ぶら着物体験」である。テーブルや椅子、マンガコーナーやクレーンゲーム機が置かれていた空間を収益を生む場に変える計画であり、着付けやヘアメイク、写真撮影をワンストップで提供する。観光客は移動することなく着物姿で浅草観光に出かけられ、返却もホテルで可能なため利便性が高い仕組みである。

(出典:戸板女子短期大学

このサービスでは経験豊富な着付け師やヘアメイクアーティストが本格的な装いを演出し、プロの写真家が撮影を担当する。ホテル内の特設セットや浅草の名所での撮影が可能であり、観光の思い出を高品質な形で残せる点が特徴である。一過性のイベントにとどまらず、継続的に収益を生むモデルとして設計されており、秋の実施後には定期開催や宿泊客以外へのサービス展開、日本文化体験の追加も視野に入れられている。

(出典:戸板女子短期大学

この取り組みは学生の特別授業「プロジェクト演習」の一環であり、選抜された10名が参加している。学生はアイデア提案だけでなく、企業交渉や予算管理、プロモーション戦略まで担い、実務的な力を磨いている。さらに実務経験豊富な吉田氏が指導役として加わり、学生の感性とビジネスの専門的知見を融合させることで、提案の実現性を高めている。企業にとってはZ世代の視点を反映した具体的な事業プランを得られるという利点がある。

戸板女子短期大学は今後も地域と連携し、学生が社会の課題に挑戦する教育を推進していく方針である。変なホテルは先進技術を取り入れ、進化を続ける宿泊施設として国内外で展開している。本プロジェクトは教育とビジネスの双方に価値をもたらし、地域や社会を巻き込みながら未来を切り拓く産学連携のモデルケースとなっている。

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