MAPPLEトラベルガイドを運営する株式会社昭文社と、IoTプラットフォーム「beaconnect plus (ビーコネクト プラス)」を提供するアジアクエスト株式会社は、立命館アジア太平洋大学やゆこゆこホールディングス株式会社、別府市と産学官連携による「AI観光コンシェルジュサービス」の実証実験を行い、2019年秋のラグビーW杯に向けて実用化を目指す。
AI観光コンシェルジュ
AI観光コンシェルジュ(スマートスピーカー)を観光案内所や観光施設、温泉施設、宿泊施設等に配置し、訪日外国人の快適な観光を提供するとともに、受入側のインバウンド対応負荷の軽減を目指す。
これにより、担当者の対応負荷(稼働)削減と、訪日外国人へのスムーズな情報提供・サービス向上に寄与する。
昭文社は、訪日外国人観光客向けブランド「DiGJAPAN!」で培った訪日外国人向けの豊富で多彩な多言語の観光情報を提供することで同サービスに参画する。
多言語対応と人手不足にITソリューション
政府が2030年に訪日外国人を6,000万人受け入れることを目標としている中、地方都市において訪日外国人の急増が予想される。別府市も例外ではなく、2017年の訪日外国人は前年比約4割増と、今後も増加傾向が見込まれている。
別府市は外国語で接客可能な人材が多く雇用されているものの、大分県内全域では訪日外国人受入に関する課題として「多言語対応」が挙げられている。
また、大分県内では宿泊業に関わる労働者需要が高まる一方、担い手不足が顕著で有効求人倍率(2017年度)は4.83倍と高止まりしている。そのため、人だけでなくITやモノによる解決方法の確立も急務となっている。
ラグビーW杯大分開催に向け産官学が連携
県内では2019年秋のラグビーW杯大分開催を控え、さらに国内では2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えており、大分県内だけでなく国内全体で訪日外国人の受入環境の整備、観光関連産業の人手不足対策が求められている。
そこで今回、それらの課題を解決することを目的としてスマートスピーカーを活用した多言語で観光案内する「AI観光コンシェルジュ」の実証実験を検討し、同プロジェクトが大分県IoT推進ラボにプロジェクト認定された。
また、立命館アジア太平洋大学(APU)国際経営学部藤井誠一教授の協力を得て、学生からインバウンド対応のソリューションアイデアを募り、同実証実験からサービス展開へのブラッシュアップや他サービスへの応用も検討する。
さらに、温泉旅行の宿泊予約サービスを提供する「ゆこゆこ」が、実証実験に際し、温泉地情報の提供を行う。
2018年8月から10月までに開発を行い、11月から12月に別府市内で実証実験を行う予定。
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